今、砂利(じゃり)が敷かれている所。伊波と山城との間に、境に松を植えていたんだって。松、いや・チャーギといっていたのかねえ。とにかく境に木を植えていたんだって。植えていたら、その木がだれかによって切られたらしいねえ。ちょうどその時、美里からこの私たちの島に下男としてきている草刈りの人がいたわけね。その人は大変真面目な人で、働き者であったそうなんだが、もうその木は、その人が切ったにちがいないといわれたらしいねえ、下男が。上の島といって、まだ今のように村ができてない頃に、村の繁盛を願って植えた木を、その人が切ったにちがいないと罪をきせられ、つかまえられたわけねえ。その人が切ったんだと。すると、その人は自分のせいにされたもんだから、私たちの島の神様を祭ってある所で、切腹したわけさあね。もうない罪をきせられてしまったといって。今でも、その人はそこに葬られているんだよねえ。だから、牛を殺すのは、その人への祈りといってねえ、牛を殺すことになったんだってよ。その人の由来からきているものであるわけねえ。だけど、もう最近は牛を殺さなかったんだがこれはどうしても牛を殺して祭らなければいけないということで今でも行なっている。牛を殺して汁をもらいに行く時はね、五人家族なら七人分というふうに、家族の繁栄を願う意味で多めにもらうわけ。それにしても昔は、夜中から牛を殺しに行ったったんだって。女の人は・ウムニーと、作ったお汁を飲むためのおわんをそれぞれの家から持って行って。ところで、その牛を殺して村のやく払いをどういう風にするかというと。フーチ返(げー)しといって、この村には病気ひとつないように病気もさせないで下さい、何の災いもおこらないようにと。村の入りロヘ行き、ここの入り口、あそこの入り口と・左縄(ひじゃねー)をなって、それに牛の血をつけて引っぱっていたわけ、入り口という入り口全部に。昔から行なわれているカンカーにはそう意味があった。そういうふうに煮出した骨を下げるか、血をつけた縄を出入り口にはっていたんだよ、カンカーになると。このカンカーの行事は、この人の由来から始まったんだ。また、この山城部落の人は風邪もひかないように、病気もしないようにという、そのやく払いをしていたわけね、牛、牛の血をつけて、島の入り口という入り口はみんなそうしていた。私たちが十七、八頃までは、そういうふうにやられていた。
| レコード番号 | 47O412969 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C119 |
| 決定題名 | カンカー由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山城トル |
| 話者名かな | やましろとる |
| 生年月日 | 19020815 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市山城 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T34B14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いしかわの民話伝説編P244 |
| キーワード | 下男,働き者,神様,切腹,牛,やく払い,フーチ返し,牛の血,カンカーの行事 |
| 梗概(こうがい) | 今、砂利(じゃり)が敷かれている所。伊波と山城との間に、境に松を植えていたんだって。松、いや・チャーギといっていたのかねえ。とにかく境に木を植えていたんだって。植えていたら、その木がだれかによって切られたらしいねえ。ちょうどその時、美里からこの私たちの島に下男としてきている草刈りの人がいたわけね。その人は大変真面目な人で、働き者であったそうなんだが、もうその木は、その人が切ったにちがいないといわれたらしいねえ、下男が。上の島といって、まだ今のように村ができてない頃に、村の繁盛を願って植えた木を、その人が切ったにちがいないと罪をきせられ、つかまえられたわけねえ。その人が切ったんだと。すると、その人は自分のせいにされたもんだから、私たちの島の神様を祭ってある所で、切腹したわけさあね。もうない罪をきせられてしまったといって。今でも、その人はそこに葬られているんだよねえ。だから、牛を殺すのは、その人への祈りといってねえ、牛を殺すことになったんだってよ。その人の由来からきているものであるわけねえ。だけど、もう最近は牛を殺さなかったんだがこれはどうしても牛を殺して祭らなければいけないということで今でも行なっている。牛を殺して汁をもらいに行く時はね、五人家族なら七人分というふうに、家族の繁栄を願う意味で多めにもらうわけ。それにしても昔は、夜中から牛を殺しに行ったったんだって。女の人は・ウムニーと、作ったお汁を飲むためのおわんをそれぞれの家から持って行って。ところで、その牛を殺して村のやく払いをどういう風にするかというと。フーチ返(げー)しといって、この村には病気ひとつないように病気もさせないで下さい、何の災いもおこらないようにと。村の入りロヘ行き、ここの入り口、あそこの入り口と・左縄(ひじゃねー)をなって、それに牛の血をつけて引っぱっていたわけ、入り口という入り口全部に。昔から行なわれているカンカーにはそう意味があった。そういうふうに煮出した骨を下げるか、血をつけた縄を出入り口にはっていたんだよ、カンカーになると。このカンカーの行事は、この人の由来から始まったんだ。また、この山城部落の人は風邪もひかないように、病気もしないようにという、そのやく払いをしていたわけね、牛、牛の血をつけて、島の入り口という入り口はみんなそうしていた。私たちが十七、八頃までは、そういうふうにやられていた。 |
| 全体の記録時間数 | 3:01 |
| 物語の時間数 | 2:38 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |