雨蛙はこれぐらいの大きさでね、畑や田にいる蛙とは違うよ。私達の家の後に芋を洗ったり手足を洗ったりする溜め池があってね、よく雨が降りそうになると、そこでよく雨蛙が鳴きよったわけね。特に大晦日の夜なんかに、よく鳴きよったけどね、私が母親に、「どうして、あの雨蛙は明日は正月だというのに、あんなに鴫くの。」と言うとね、母親の話ではね、雨蛙はとてもひねくれ者でね、いつも何にでも反対ばかりしていたって。例えば、「今日は豆腐を作るから、海に行って潮水を汲んで来なさい。」と潮水を汲みに行かすと、潮水は汲んで来ないで、川で水を汲んで来るわけね。「山で薪を取って来なさい。」と言ったらね、畑で草を刈って来てしまうわけ。すべて、右というと左、上というと下というように反対のことばかりしよったそうだよ。それで、母親はもう、「こいつは私がいうのに、すべて反対のことをやるが、もし、私が死んでしまったら、私の墓は、本当は陸の高い所に作って欲しいけどね。そこに作るように言ったら、もしかしてこいつは、反対に川の傍に作ってしまうかも分からない。私が死んだら、私の墓は川の傍に作りなさい言えば山に作るだろう。」と思ってね、その母親が死にそうになったらね、それで、その息子のアマガカーに、「私が死んだら、私の墓は川の傍に作りなさいね。」と言ったら、アマガカーは、今度ばかりは親に反対することもできないでね、母親が言ったとうりに、そのままその川の傍に墓を作ったそうだよ。そうしたらね、雨が降りそうになると、大水がでるでしょう。「大水が出て母親の墓は流されてしまうかもしれない。」と言って、心配してあんなにガクガクとあのように鳴くそうだよ。
| レコード番号 | 47O412886 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C115 |
| 決定題名 | 雨蛙不孝(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波信光 |
| 話者名かな | いはしんこう |
| 生年月日 | 19010221 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市伊波 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T31A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お母さんに大晦日の日に雨蛙がよく鳴くので、明日どうして正月なのに鳴くのかと聞いたところ話してくれた。 |
| 文字化資料 | いしかわの民話昔話編P147 |
| キーワード | 雨蛙,雨,ひねくれ者,反対,母親の墓 |
| 梗概(こうがい) | 雨蛙はこれぐらいの大きさでね、畑や田にいる蛙とは違うよ。私達の家の後に芋を洗ったり手足を洗ったりする溜め池があってね、よく雨が降りそうになると、そこでよく雨蛙が鳴きよったわけね。特に大晦日の夜なんかに、よく鳴きよったけどね、私が母親に、「どうして、あの雨蛙は明日は正月だというのに、あんなに鴫くの。」と言うとね、母親の話ではね、雨蛙はとてもひねくれ者でね、いつも何にでも反対ばかりしていたって。例えば、「今日は豆腐を作るから、海に行って潮水を汲んで来なさい。」と潮水を汲みに行かすと、潮水は汲んで来ないで、川で水を汲んで来るわけね。「山で薪を取って来なさい。」と言ったらね、畑で草を刈って来てしまうわけ。すべて、右というと左、上というと下というように反対のことばかりしよったそうだよ。それで、母親はもう、「こいつは私がいうのに、すべて反対のことをやるが、もし、私が死んでしまったら、私の墓は、本当は陸の高い所に作って欲しいけどね。そこに作るように言ったら、もしかしてこいつは、反対に川の傍に作ってしまうかも分からない。私が死んだら、私の墓は川の傍に作りなさい言えば山に作るだろう。」と思ってね、その母親が死にそうになったらね、それで、その息子のアマガカーに、「私が死んだら、私の墓は川の傍に作りなさいね。」と言ったら、アマガカーは、今度ばかりは親に反対することもできないでね、母親が言ったとうりに、そのままその川の傍に墓を作ったそうだよ。そうしたらね、雨が降りそうになると、大水がでるでしょう。「大水が出て母親の墓は流されてしまうかもしれない。」と言って、心配してあんなにガクガクとあのように鳴くそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:19 |
| 物語の時間数 | 3:06 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |