ある家に猫を飼っていたわけね。その猫はたいそう可愛がってもう長らく飼っていたのか、それは分からないけどね。昔は、戸棚といってあったでしょう。そこの家はもう毎日戸棚にね、食べ物の残ったのを何もかもね、全都その戸棚に入れたらしいよ。そうしていたら、その猫がね、いつも開けて食べてねえ、食べてしまうと、その戸棚をまた閉めよったそうだ。そんなことだったので、そこの家の人は、もうみんなお互いのせいにしてね、「お前が食べたんだろう。」と、毎日喧嘩になったそうだよ。そしたら、そこの知りあいの人が、遠い所からそこの家に用事で来たらしいよ。その客が、猫が戸棚を開けて食べて、また閉めるのを見たってよ。それで、その夜はね、夕飯はそこで食ベいたら、するとその家で、その客が来ているのにまたも家族で喧嘩になったって。だからその客がね、そこの家の主人に、「おい、あんたたちの家ではね、人が食べているんじゃないよ。猫が食べたんだよ。」と話をしたらね、その猫は、もうずっとその客をもうすごい目で睨みつけていたそうだ。そこの主人もそれに気づいていたからね、夕飯をすませると、「さあ、あんたは居間の方に綿入れと寝床を用意しておきますから、燈龍を消したら、すぐに私達のところに来て下さいね。」と言って、教えてやったわけね。そこの家の主人が、そういって教えたから客は燈龍を消すとすぐに主人のところに来て寝たわけね。寝ていたら、その猫はね、すぐ居間の方に入って、その綿入れに食らいついて死んでいたってね。その猫が死んだので、家の庭の畑に埋めたそうだよ。そしたら、そこからカボチャの蔓が驚くほど生え広がってね、ただ一つだけ実ったそうだね。それで、その一つだけの実のカボチャをもう家族みんなで食べたらしいね。食べたら、そこの家族はみんな死んでしまったから、「不思議なことだ。」と、そのカボチャの根を掘って見たら、そのカボチャは猫の口から生えていたって。だから、猫というのは、それだからね、死んだらこんなに必ず木に下げるものだそうだよ。
| レコード番号 | 47O412881 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C115 |
| 決定題名 | 猫と南瓜(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波利子 |
| 話者名かな | いはとしこ |
| 生年月日 | 19301024 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市伊波 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T31A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | お年寄りから小さい時に聞いた。 |
| 文字化資料 | いしかわの民話昔話編P132 |
| キーワード | 猫,戸棚,綿入れ,庭の畑,カボチャ,一つだけの実,木に下げる |
| 梗概(こうがい) | ある家に猫を飼っていたわけね。その猫はたいそう可愛がってもう長らく飼っていたのか、それは分からないけどね。昔は、戸棚といってあったでしょう。そこの家はもう毎日戸棚にね、食べ物の残ったのを何もかもね、全都その戸棚に入れたらしいよ。そうしていたら、その猫がね、いつも開けて食べてねえ、食べてしまうと、その戸棚をまた閉めよったそうだ。そんなことだったので、そこの家の人は、もうみんなお互いのせいにしてね、「お前が食べたんだろう。」と、毎日喧嘩になったそうだよ。そしたら、そこの知りあいの人が、遠い所からそこの家に用事で来たらしいよ。その客が、猫が戸棚を開けて食べて、また閉めるのを見たってよ。それで、その夜はね、夕飯はそこで食ベいたら、するとその家で、その客が来ているのにまたも家族で喧嘩になったって。だからその客がね、そこの家の主人に、「おい、あんたたちの家ではね、人が食べているんじゃないよ。猫が食べたんだよ。」と話をしたらね、その猫は、もうずっとその客をもうすごい目で睨みつけていたそうだ。そこの主人もそれに気づいていたからね、夕飯をすませると、「さあ、あんたは居間の方に綿入れと寝床を用意しておきますから、燈龍を消したら、すぐに私達のところに来て下さいね。」と言って、教えてやったわけね。そこの家の主人が、そういって教えたから客は燈龍を消すとすぐに主人のところに来て寝たわけね。寝ていたら、その猫はね、すぐ居間の方に入って、その綿入れに食らいついて死んでいたってね。その猫が死んだので、家の庭の畑に埋めたそうだよ。そしたら、そこからカボチャの蔓が驚くほど生え広がってね、ただ一つだけ実ったそうだね。それで、その一つだけの実のカボチャをもう家族みんなで食べたらしいね。食べたら、そこの家族はみんな死んでしまったから、「不思議なことだ。」と、そのカボチャの根を掘って見たら、そのカボチャは猫の口から生えていたって。だから、猫というのは、それだからね、死んだらこんなに必ず木に下げるものだそうだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:35 |
| 物語の時間数 | 3:25 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |