昔、首里にアバラーウスメーという人がいた。ある時、友達と酒を飲みながら尾類の話が出た。当時は10銭で尾類を呼ぶことができた。そこで、「お前達は10銭で何カ所からも尾類を呼ぶことができるか」とアバラーウスメーは言った。「できない」と皆が言ったので、アバラーウスメーは「私はできる」と言って、皆で賭けをした。アバラーウスメーは尾類の所に行く途中、自分の褌を濡らして地面に垂らして、それを引きずって歩いた。そして砂をつけた褌を懐に入れて準備をしていた。前を歩いていた友達は誰も気づかなかった。そして尾類の家に行って、4人はそれぞれ別れて尾類と寝る。アバラーウスメーは夜の仕事も終えた後、体中をかきまくる。尾類が「どうしたのか」と聞くと、「1ヶ月ぐらい風呂に入ってないから痒くてね」と答える。それから尾類の櫛を借りて砂のついた褌を出して、プチプチと音を鳴らす。尾類は虱を取っていると思って、もうたまらなくなってアバラーウスメーを帰そうとする。アバラーウスメーは「馬鹿を言え、私は10銭を出してお前を買ったのだ」と言うので、尾類は「20銭やるから出て行ってくれ」と、銭は20銭を貰って出て行き、友達の所へ行って、賭けに勝ったことをいう。それで、この場所で宴会を開き尾類に「実は賭けだったのだ」と20銭を返す。また、銭は天ぷら屋の前で、酒の肴を買おうとして、「金はないが明日まで待って売ってくれますか」と言うと、「駄目だ」と言われ、それで「タマグヮイヤフィチャティ 天ぷらやひじゅてぃ 買いる人やうらん 食いるしがや」と歌を歌って帰って行った。そして、アバラーウスメーの妻は、この人と一緒にいるのが恥ずかしくて実家に帰ろうとした。アバラーウスメーはこんなこともあろうかと、妻の汚いハカマを隠していた。そのハカマを竿の先にさして追っかけて行った。妻は恥ずかしくて家に戻った。
| レコード番号 | 47O412823 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C112 |
| 決定題名 | アバラーウスメー(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波一郎 |
| 話者名かな | いはいちろう |
| 生年月日 | 19031214 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市伊波児童会館 |
| 記録日 | 19820803 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T29A14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 首里,アバラーウスメー,酒,尾類,褌,砂,虱,天ぷら屋,妻,ハカマ |
| 梗概(こうがい) | 昔、首里にアバラーウスメーという人がいた。ある時、友達と酒を飲みながら尾類の話が出た。当時は10銭で尾類を呼ぶことができた。そこで、「お前達は10銭で何カ所からも尾類を呼ぶことができるか」とアバラーウスメーは言った。「できない」と皆が言ったので、アバラーウスメーは「私はできる」と言って、皆で賭けをした。アバラーウスメーは尾類の所に行く途中、自分の褌を濡らして地面に垂らして、それを引きずって歩いた。そして砂をつけた褌を懐に入れて準備をしていた。前を歩いていた友達は誰も気づかなかった。そして尾類の家に行って、4人はそれぞれ別れて尾類と寝る。アバラーウスメーは夜の仕事も終えた後、体中をかきまくる。尾類が「どうしたのか」と聞くと、「1ヶ月ぐらい風呂に入ってないから痒くてね」と答える。それから尾類の櫛を借りて砂のついた褌を出して、プチプチと音を鳴らす。尾類は虱を取っていると思って、もうたまらなくなってアバラーウスメーを帰そうとする。アバラーウスメーは「馬鹿を言え、私は10銭を出してお前を買ったのだ」と言うので、尾類は「20銭やるから出て行ってくれ」と、銭は20銭を貰って出て行き、友達の所へ行って、賭けに勝ったことをいう。それで、この場所で宴会を開き尾類に「実は賭けだったのだ」と20銭を返す。また、銭は天ぷら屋の前で、酒の肴を買おうとして、「金はないが明日まで待って売ってくれますか」と言うと、「駄目だ」と言われ、それで「タマグヮイヤフィチャティ 天ぷらやひじゅてぃ 買いる人やうらん 食いるしがや」と歌を歌って帰って行った。そして、アバラーウスメーの妻は、この人と一緒にいるのが恥ずかしくて実家に帰ろうとした。アバラーウスメーはこんなこともあろうかと、妻の汚いハカマを隠していた。そのハカマを竿の先にさして追っかけて行った。妻は恥ずかしくて家に戻った。 |
| 全体の記録時間数 | 5:15 |
| 物語の時間数 | 5:03 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |