シチマジムン(シマグチ)

概要

昔はね、戦後のことだが、ナーシリ家(やー)ぐわーといって田んぼの中にカヤブキ小屋を作って、寝泊りしていたんだって。どうして泊まるかというと、鴨を追い払うために、そこで一晩中泊まっていたらしいんだが‥‥。そのナーシリ家に行く時は、嘉手苅と伊波の間の坂にとても大きな・ガジマルがあったんだよ、ゴーグーガジマルと呼ばれているガジマルが。そのガジマルの前から、シンパチパチーと、龕のマブイ 〔魂〕と、昔の年寄りたちから聞いていたんだが、私が歩くと、パチパチと音がして通っていくわけ。それで、これは不思議なことだと思い、私が立ち止まると、また、それも止まるわけね。ほんとに珍らしいことだ。しょっちゅう追いかけてくるなあと。それでも歩いていると、坂の前にきた。その坂の前一帯は、みんな田んぼになっていて、そこに小屋を造ってあったので、ランプをつけてねえ、角ランプをつけ、それを下げて歩き出すと、パチパチするわけ。そうしたら、ユビヌサチといって、嘉手苅の西原にある橋が架かっているところだが、そこの田んぼの方にくると、もう音がしなくなるわけ。それで、今日はもう妙なことだ。ここには泊まれないなあと思って、それで家へ帰ってきたわけだが‥‥。そうしたら、また帰る時だが、石川から伊波へ向かうと、伊波の入口に二つこぶになっている岩山があるでしょう。そこにもう道のまん中に、道いっぱい、棒のようなものが立っているわけ。これは石山になっているのかなあと思っていると、ああ、そうか・シチカマジムンかもしれないとその話を思い出し、「私はハチだよ。」というと、消えてなくなっていたって。ナーシリ家(やー)に行く時は、シンパチパチーしているのを見るし、聞いているので、もうこわくなって、そこに寝ることができないと思って、家に帰ろうとしたら、今度はシチカマジムンに会うし、とても妙な一日だった。

再生時間:3:11

民話詳細DATA

レコード番号 47O412820
CD番号 47O41C112
決定題名 シチマジムン(シマグチ)
話者がつけた題名
話者名 棚原盛蒲
話者名かな たなはらせいほ
生年月日 19091125
性別
出身地 石川市伊波
記録日 19820803
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T29A11
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いしかわの民話昔話編P164
キーワード ナーシリ家,田んぼの中にカヤブキ小屋,鴨,ゴーグーガジマル,シンパチパチー,龕のマブイ,ユビヌサチ,嘉手苅の西原,シチカマジムン
梗概(こうがい) 昔はね、戦後のことだが、ナーシリ家(やー)ぐわーといって田んぼの中にカヤブキ小屋を作って、寝泊りしていたんだって。どうして泊まるかというと、鴨を追い払うために、そこで一晩中泊まっていたらしいんだが‥‥。そのナーシリ家に行く時は、嘉手苅と伊波の間の坂にとても大きな・ガジマルがあったんだよ、ゴーグーガジマルと呼ばれているガジマルが。そのガジマルの前から、シンパチパチーと、龕のマブイ 〔魂〕と、昔の年寄りたちから聞いていたんだが、私が歩くと、パチパチと音がして通っていくわけ。それで、これは不思議なことだと思い、私が立ち止まると、また、それも止まるわけね。ほんとに珍らしいことだ。しょっちゅう追いかけてくるなあと。それでも歩いていると、坂の前にきた。その坂の前一帯は、みんな田んぼになっていて、そこに小屋を造ってあったので、ランプをつけてねえ、角ランプをつけ、それを下げて歩き出すと、パチパチするわけ。そうしたら、ユビヌサチといって、嘉手苅の西原にある橋が架かっているところだが、そこの田んぼの方にくると、もう音がしなくなるわけ。それで、今日はもう妙なことだ。ここには泊まれないなあと思って、それで家へ帰ってきたわけだが‥‥。そうしたら、また帰る時だが、石川から伊波へ向かうと、伊波の入口に二つこぶになっている岩山があるでしょう。そこにもう道のまん中に、道いっぱい、棒のようなものが立っているわけ。これは石山になっているのかなあと思っていると、ああ、そうか・シチカマジムンかもしれないとその話を思い出し、「私はハチだよ。」というと、消えてなくなっていたって。ナーシリ家(やー)に行く時は、シンパチパチーしているのを見るし、聞いているので、もうこわくなって、そこに寝ることができないと思って、家に帰ろうとしたら、今度はシチカマジムンに会うし、とても妙な一日だった。
全体の記録時間数 3:11
物語の時間数 3:11
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

トップに戻る

TOP