薩摩から沖縄に難しい問題が持ちかけられてるんだって。その問題ね、雄鶏の卵を持って来いというのと、それから灰で縄をなって来いというのと、恩納岳だったかを担いで来いというこの三つの難題をもちかけられたので、公儀の役人達は、みんな難しいものなので、「これはどうしたらいいものか。」と頭を抱えていた。その役目をいいつけられたのはモーイ親方の親だから、モーイ親方の親は家で、ぼんやり、何かもの考えをしている様子でいたから、親にモーイ親方が、「どうして、そうぼんやりしているのですか。」と尋ねると、「実は薩摩から琉球に難題がもちかけられて、これはどうしたらいいのかと公儀の役人達は心配しているのだ。」「このくらいも分からないのか、簡単なことだよ。」と、モーイ親方に言われたので、「お前に出来るのか。」とモーイ親方に言ったら、「それでは、問題は何ですか、ああ、それならこの役目は私が行ってきますよ。」とモーイ親方が、親の代役として知恵比べに行ったようだ。そして、薩摩に行って、「親の代役として参りました。」「どうして親は来ないで、お前が来たのか。」と言ったので、モーイ親方は、「私の父親は、今産気づいて寝ております。」と答えると、殿様は、「男でも産気づくのか。」と言うので、「やがて生れます。」と答えた。すると殿様は、「男でも子を生むのか。」と言うのでモーイ親方は、「それでは雄鶏が卵を産みますか。」と言ったので、それで薩摩は負けたそうだよ。「それでは、もうひとつの灰縄はどうした。」と言ったので、「それは簡単。」と、縄を鉄板みたいなものに置いて焼いたので、ちゃんと縄がなわれたまま焼けるわけだね。それはそのまま乗せて、「これが灰縄でございます。」と持って行った。「それでは恩納岳はどうした。」「恩納岳はあまりにも大き過ぎて持たれませんので、恩納岳を担ぐ畚を貸して下さい。」とモーイ親方が言ったので、「あれを担ぐ畚などあるものか。」と言うと、「ないのにあれを担いで来いと、出来ないことをいいつけるのか。」と言ったので、殿様は、 「沖縄にもこんな知恵持ちがいるのか。」と褒めて帰した。モーイ親方がその難題を解いたという話ですが、私が聞いたのは、このような話です。
| レコード番号 | 47O412756 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C110 |
| 決定題名 | モーイ親方 殿様の難題(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 喜瀬守栄 |
| 話者名かな | きせしゅえい |
| 生年月日 | 19141201 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市 |
| 記録日 | 19820802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T26B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 薩摩,沖縄,問題,雄鶏の卵,灰縄,恩納岳,公儀の役人達,モーイ親方,親の代役 |
| 梗概(こうがい) | 薩摩から沖縄に難しい問題が持ちかけられてるんだって。その問題ね、雄鶏の卵を持って来いというのと、それから灰で縄をなって来いというのと、恩納岳だったかを担いで来いというこの三つの難題をもちかけられたので、公儀の役人達は、みんな難しいものなので、「これはどうしたらいいものか。」と頭を抱えていた。その役目をいいつけられたのはモーイ親方の親だから、モーイ親方の親は家で、ぼんやり、何かもの考えをしている様子でいたから、親にモーイ親方が、「どうして、そうぼんやりしているのですか。」と尋ねると、「実は薩摩から琉球に難題がもちかけられて、これはどうしたらいいのかと公儀の役人達は心配しているのだ。」「このくらいも分からないのか、簡単なことだよ。」と、モーイ親方に言われたので、「お前に出来るのか。」とモーイ親方に言ったら、「それでは、問題は何ですか、ああ、それならこの役目は私が行ってきますよ。」とモーイ親方が、親の代役として知恵比べに行ったようだ。そして、薩摩に行って、「親の代役として参りました。」「どうして親は来ないで、お前が来たのか。」と言ったので、モーイ親方は、「私の父親は、今産気づいて寝ております。」と答えると、殿様は、「男でも産気づくのか。」と言うので、「やがて生れます。」と答えた。すると殿様は、「男でも子を生むのか。」と言うのでモーイ親方は、「それでは雄鶏が卵を産みますか。」と言ったので、それで薩摩は負けたそうだよ。「それでは、もうひとつの灰縄はどうした。」と言ったので、「それは簡単。」と、縄を鉄板みたいなものに置いて焼いたので、ちゃんと縄がなわれたまま焼けるわけだね。それはそのまま乗せて、「これが灰縄でございます。」と持って行った。「それでは恩納岳はどうした。」「恩納岳はあまりにも大き過ぎて持たれませんので、恩納岳を担ぐ畚を貸して下さい。」とモーイ親方が言ったので、「あれを担ぐ畚などあるものか。」と言うと、「ないのにあれを担いで来いと、出来ないことをいいつけるのか。」と言ったので、殿様は、 「沖縄にもこんな知恵持ちがいるのか。」と褒めて帰した。モーイ親方がその難題を解いたという話ですが、私が聞いたのは、このような話です。 |
| 全体の記録時間数 | 4:40 |
| 物語の時間数 | 4:02 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |