東恩納の当の人が首里で働いていた。この人は首里ヘ行き来して働いていたらしいねえ。それに、その人の親がねえ、母親がまた目が不自由であられたんだって。そういうふうに、首里へ行き来しながら働いているが、首里ではもう自分はおいしいものを食べているわけ。なぜなら、そこは王様の家でしょう。だから、おいしい物が出ると、その人は自分の親のことを思って食べることができず、お母さんに少しでも持って行ってあげようといって、首里から家まで、いつも歩いて行き来していらっしゃったんだって、親孝行な子であったので。こんな親孝行の子が、おいしい物があると、親の所へ持って行って差し上げて行き来している。ある時、いる。ある時、いつものように家へ帰る途中の道で、お爺さんに、「私はちょっとそこまで用事があるのでね、この箱をあなたが担いでくれないか。持ってくれないか。」といって預けた。だけど、預けた人は、もう待っても待ってもこないので、もう待つことができなくなって、「もうどうなっても、まずは、家へ持って行き置いておこう。」といって、家へ持って帰り、軒下に置いていたらしいが。「この箱は、人が死んで棺でも入っているのだろうか。」と思ったが、「何でもいいや。」と、この人は自分の家の軒下に置いて。翌日はまた、勤めに行くので、母親にね、「この箱を取りに誰かいらっしゃるはずだから、それまで置いていて下さいね。」といって勤めに出た。けれども、まだ取りにきてないので、翌日、「何かなあ、何でもいいや。」と、開けて見ると、それにはもう宝物が入っていたんだって。こうして宝物が入っていたので、これを預けられた人は神様であられたわけでしょうねえ。この箱を預けた時は、普天間の寺、あそこへ入って行ったんだって。それで、当の一門は普天間の寺をいつも拝んでいるということです。こんな伝説があったそうです。
| レコード番号 | 47O412657 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C106 |
| 決定題名 | 東恩納当 大歳の宝(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 与儀カメ |
| 話者名かな | よぎかめ |
| 生年月日 | 19081210 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市前原 |
| 記録日 | 19820802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T23A12 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いしかわの民話伝説編P320 |
| キーワード | 首里勤め,母親,盲目,美味しいもの,親孝行,お爺さん,子供の死体,宝物,神様,普天間の寺 |
| 梗概(こうがい) | 東恩納の当の人が首里で働いていた。この人は首里ヘ行き来して働いていたらしいねえ。それに、その人の親がねえ、母親がまた目が不自由であられたんだって。そういうふうに、首里へ行き来しながら働いているが、首里ではもう自分はおいしいものを食べているわけ。なぜなら、そこは王様の家でしょう。だから、おいしい物が出ると、その人は自分の親のことを思って食べることができず、お母さんに少しでも持って行ってあげようといって、首里から家まで、いつも歩いて行き来していらっしゃったんだって、親孝行な子であったので。こんな親孝行の子が、おいしい物があると、親の所へ持って行って差し上げて行き来している。ある時、いる。ある時、いつものように家へ帰る途中の道で、お爺さんに、「私はちょっとそこまで用事があるのでね、この箱をあなたが担いでくれないか。持ってくれないか。」といって預けた。だけど、預けた人は、もう待っても待ってもこないので、もう待つことができなくなって、「もうどうなっても、まずは、家へ持って行き置いておこう。」といって、家へ持って帰り、軒下に置いていたらしいが。「この箱は、人が死んで棺でも入っているのだろうか。」と思ったが、「何でもいいや。」と、この人は自分の家の軒下に置いて。翌日はまた、勤めに行くので、母親にね、「この箱を取りに誰かいらっしゃるはずだから、それまで置いていて下さいね。」といって勤めに出た。けれども、まだ取りにきてないので、翌日、「何かなあ、何でもいいや。」と、開けて見ると、それにはもう宝物が入っていたんだって。こうして宝物が入っていたので、これを預けられた人は神様であられたわけでしょうねえ。この箱を預けた時は、普天間の寺、あそこへ入って行ったんだって。それで、当の一門は普天間の寺をいつも拝んでいるということです。こんな伝説があったそうです。 |
| 全体の記録時間数 | 3:14 |
| 物語の時間数 | 3:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |