こんなふうに成長なされたので、昔は今と変って子供のころに皆、許嫁を決めていたので結婚するときまで本人同志知らなかったそうだね。それで、モーイも結婚相手を家はこの家だと分かっていらっしゃるが、この娘はなかなか外にお出しにならないから、見たこともなくて本人も知らない。これはやがてにーびちの前でもあるし、「こんなに見ないまま知らない人を自分の妻として迎えることになるとどうしようか。もういい考えはないものか。」とお考えになったんだ。それで、その娘の屋敷の前で鶏を放して、もうこの鶏を捕まえて鶏がクヮテー、クヮテーと鳴くと、その娘は向こうから首を出してご覧になって、するとモーイ親方は、実は自分の計略でやっているので、「見たぞ、見たぞ。」とその場から逃げたようだ。それで、娘が親にこのことを言われたので、この親は実は本人同志は絶対に見せない考えでいらっしったので、「もうこいつに嫁にやると後はどうなるか分からん。」と思って、それから、このモーイ親方の所に、向こうの娘の家の父親は、自分でいらっしゃって、「貴方がたのモーイと私の娘は結ばせてはなりません。「あんたの子に、私の娘はやれないよ。もう破談です。」と、親同志で話はしていらっしゃるから、モーイはまた、傍から回って行って、昔のその時分の門はこんなに立派なものではないよねえ、その門の上に座っておって、そして、娘の父親がお帰りになられるときに、上から鉤(かぎ)を下ろして、今はカラジというが、そのときは敬ってウンチョービに引っかけたので、「何だ。」と言って見ると、門の上にはモーイがお座りになっていたんだ。「何だお前は、どういうわけだ。」と言うと、「父親殿、これはどんなことがあっても、結んだ縁なのだから縁ははずれません。」と引っぱり続けていると、「もうそういうことなら、私がいったのは悪かった。お前に娘をやるからほどいてくれ。」と、その娘の父親は詫びをなされて、そして、立派な縁談になって、その後は非常に栄えて繁昌なされたという話なんだ。それでその人が登った門はね、多分今もあるよ。それは昔の伊野波殿内の屋敷は、今は寒川から那覇に向かって行く赤マルソウの隣の屋敷、今の仏壇は豊見城殿内の屋敷に、別に家を建ててそれでそこに祀られていらっしゃるんだって。私の今から十四代前のお爺さんとそのモーイ親方は兄弟だったとかで、あっちは私達は毎年行くんですよ。
| レコード番号 | 47O412612 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C104 |
| 決定題名 | モーイ親方 嫁つり(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 町田キヨ |
| 話者名かな | まちだきよ |
| 生年月日 | 19060908 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市東恩納 |
| 記録日 | 19820802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T21A07 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 許嫁,鶏,モーイ親方,破談,門,娘の父親,鉤 |
| 梗概(こうがい) | こんなふうに成長なされたので、昔は今と変って子供のころに皆、許嫁を決めていたので結婚するときまで本人同志知らなかったそうだね。それで、モーイも結婚相手を家はこの家だと分かっていらっしゃるが、この娘はなかなか外にお出しにならないから、見たこともなくて本人も知らない。これはやがてにーびちの前でもあるし、「こんなに見ないまま知らない人を自分の妻として迎えることになるとどうしようか。もういい考えはないものか。」とお考えになったんだ。それで、その娘の屋敷の前で鶏を放して、もうこの鶏を捕まえて鶏がクヮテー、クヮテーと鳴くと、その娘は向こうから首を出してご覧になって、するとモーイ親方は、実は自分の計略でやっているので、「見たぞ、見たぞ。」とその場から逃げたようだ。それで、娘が親にこのことを言われたので、この親は実は本人同志は絶対に見せない考えでいらっしったので、「もうこいつに嫁にやると後はどうなるか分からん。」と思って、それから、このモーイ親方の所に、向こうの娘の家の父親は、自分でいらっしゃって、「貴方がたのモーイと私の娘は結ばせてはなりません。「あんたの子に、私の娘はやれないよ。もう破談です。」と、親同志で話はしていらっしゃるから、モーイはまた、傍から回って行って、昔のその時分の門はこんなに立派なものではないよねえ、その門の上に座っておって、そして、娘の父親がお帰りになられるときに、上から鉤(かぎ)を下ろして、今はカラジというが、そのときは敬ってウンチョービに引っかけたので、「何だ。」と言って見ると、門の上にはモーイがお座りになっていたんだ。「何だお前は、どういうわけだ。」と言うと、「父親殿、これはどんなことがあっても、結んだ縁なのだから縁ははずれません。」と引っぱり続けていると、「もうそういうことなら、私がいったのは悪かった。お前に娘をやるからほどいてくれ。」と、その娘の父親は詫びをなされて、そして、立派な縁談になって、その後は非常に栄えて繁昌なされたという話なんだ。それでその人が登った門はね、多分今もあるよ。それは昔の伊野波殿内の屋敷は、今は寒川から那覇に向かって行く赤マルソウの隣の屋敷、今の仏壇は豊見城殿内の屋敷に、別に家を建ててそれでそこに祀られていらっしゃるんだって。私の今から十四代前のお爺さんとそのモーイ親方は兄弟だったとかで、あっちは私達は毎年行くんですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:52 |
| 物語の時間数 | 4:52 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |