雀孝行(共通語)

概要

これもあるところに親子三名住んでおったというんですよねえ。その娘二人はですねえ、嫁いで各々嫁ぎ先に行っておるわけでしょうねえ。ところが、一人の娘は非常に働き者であったというんですよ。で、一人の娘は、またあんまり働かないで、いろんな化粧ばっかりして、、美らすがい(綺麗な格好)ばかりしてですね、非常に身なりばっかりを考えておる娘であったというんですよ。で、ある日、母がですねえ、病気で死目にあったというんですよね。そいで、親戚なんかがですねえ、その娘達の嫁いだところにですねえ、 「母が、もう危篤状態だから、早く来てくれ。」と言って通知をしたというんですよ。そしたら、この働き者の娘はですねえ、「母の危篤だから。」ともう手も洗わないぐらいにですねえ、着のみ着のままで、走って来たというんですよ。そったら、この娘はですねえ、まあ無事に母の死目にあったというんです。ところが、もう一人の娘はですねえ、「母のところにいくにはねえ、ちよっと身なりを綺麗にしていこう。」と思って、着物も綺麗な着物を着けて、顔も立派に化粧してですねえ、まあすべてもう美しくなってきたというんです。そったら、そういうふうにしてくる間にはですねえ、この母親はもう死んでしまって、死目に会いかねたというわけですよねえ。そうしたんで、その母の遺言がですねえ、着物ももう着のみ着のままで死目に間に合わせて来た娘にはねえ、「あんたは私の死目にも間にあわせてねえ、よく来てくれた。非常に孝行者だ。だから、あんたはねえ、姿は悪くてもですねえ、非常にいい娘だから、今後は非常に幸福な生活になるようにしてあげようねえ。あんたはいつでも農家の近くで米倉のあるところに住んで生活しなさい。」と言うわけでですねえ。そしたら、いつでも、米のおこぼれとか、農家のおこぼれなんかが沢山あるからおこぼれが沢山食べられるわけだからひもじさもすることもないしね、また、人が住んでいるところはそのへんはあたたかいわけだから、寒さすることもないと。だから、「寒くもないし、それから、食べ物でも心配することはないから、そういった民家の傍で、あんたは生活しなさい。」と言われたというんですよ。それから、この親孝行者はですよ、クラーになってですね、クラーと言ったら雀ですよ。雀は今でも倉の近くとか、農家の部落の近くで、人の住んでいる近くで生活しておる。ところがさあ、綺麗になって来てやって親不孝した娘はですね、「お前は、もうあんまり美らすがいばっかりしてですね、親の死目も合わせきれなかったんだからね、あんたは、可哀相ではあるけれどもね、川べりで遊びなさい。そうして、自分で川から魚とか、いろんなものを取って食べなさい。」と言われたというんですよ。で、それが、カンジェヤー鳥(とぅい)になったわけ。カンジェヤーというのは川蝉ですよね。親不孝な川蝉は青緑して、こんな黄色が非常に綺麗ですよ。いわゆる化粧好きの女が化けたわけですから、着物も格好も色も非常に綺麗わけさあねえ。だけども、これはいわゆる美(ちゅ)らすがいはしているけれどもねえ、自分で川から餌を取って喰って食べておるから、生活は非常に苦しいわけ。それとまた川蝉は川べりばっかり遊んで、人けもないところですからね、寒さもあるしねえ。今だかってそこで、生活しているんです。

再生時間:9:44

民話詳細DATA

レコード番号 47O412548
CD番号 47O41C100
決定題名 雀孝行(共通語)
話者がつけた題名
話者名 比嘉喜八
話者名かな ひがきはち
生年月日 19090821
性別
出身地 石川市東恩納
記録日 19820613
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T17A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情 祖母から、夜寝る時に聞いた。
文字化資料 いしかわの民話昔話編P143
キーワード 親子三名,娘二人,化粧,母が危篤状態,着のみ着のまま,母の死目,綺麗な着物,米,クラー,カンジェヤー鳥,川
梗概(こうがい) これもあるところに親子三名住んでおったというんですよねえ。その娘二人はですねえ、嫁いで各々嫁ぎ先に行っておるわけでしょうねえ。ところが、一人の娘は非常に働き者であったというんですよ。で、一人の娘は、またあんまり働かないで、いろんな化粧ばっかりして、、美らすがい(綺麗な格好)ばかりしてですね、非常に身なりばっかりを考えておる娘であったというんですよ。で、ある日、母がですねえ、病気で死目にあったというんですよね。そいで、親戚なんかがですねえ、その娘達の嫁いだところにですねえ、 「母が、もう危篤状態だから、早く来てくれ。」と言って通知をしたというんですよ。そしたら、この働き者の娘はですねえ、「母の危篤だから。」ともう手も洗わないぐらいにですねえ、着のみ着のままで、走って来たというんですよ。そったら、この娘はですねえ、まあ無事に母の死目にあったというんです。ところが、もう一人の娘はですねえ、「母のところにいくにはねえ、ちよっと身なりを綺麗にしていこう。」と思って、着物も綺麗な着物を着けて、顔も立派に化粧してですねえ、まあすべてもう美しくなってきたというんです。そったら、そういうふうにしてくる間にはですねえ、この母親はもう死んでしまって、死目に会いかねたというわけですよねえ。そうしたんで、その母の遺言がですねえ、着物ももう着のみ着のままで死目に間に合わせて来た娘にはねえ、「あんたは私の死目にも間にあわせてねえ、よく来てくれた。非常に孝行者だ。だから、あんたはねえ、姿は悪くてもですねえ、非常にいい娘だから、今後は非常に幸福な生活になるようにしてあげようねえ。あんたはいつでも農家の近くで米倉のあるところに住んで生活しなさい。」と言うわけでですねえ。そしたら、いつでも、米のおこぼれとか、農家のおこぼれなんかが沢山あるからおこぼれが沢山食べられるわけだからひもじさもすることもないしね、また、人が住んでいるところはそのへんはあたたかいわけだから、寒さすることもないと。だから、「寒くもないし、それから、食べ物でも心配することはないから、そういった民家の傍で、あんたは生活しなさい。」と言われたというんですよ。それから、この親孝行者はですよ、クラーになってですね、クラーと言ったら雀ですよ。雀は今でも倉の近くとか、農家の部落の近くで、人の住んでいる近くで生活しておる。ところがさあ、綺麗になって来てやって親不孝した娘はですね、「お前は、もうあんまり美らすがいばっかりしてですね、親の死目も合わせきれなかったんだからね、あんたは、可哀相ではあるけれどもね、川べりで遊びなさい。そうして、自分で川から魚とか、いろんなものを取って食べなさい。」と言われたというんですよ。で、それが、カンジェヤー鳥(とぅい)になったわけ。カンジェヤーというのは川蝉ですよね。親不孝な川蝉は青緑して、こんな黄色が非常に綺麗ですよ。いわゆる化粧好きの女が化けたわけですから、着物も格好も色も非常に綺麗わけさあねえ。だけども、これはいわゆる美(ちゅ)らすがいはしているけれどもねえ、自分で川から餌を取って喰って食べておるから、生活は非常に苦しいわけ。それとまた川蝉は川べりばっかり遊んで、人けもないところですからね、寒さもあるしねえ。今だかってそこで、生活しているんです。
全体の記録時間数 9:51
物語の時間数 9:44
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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