ウカイ原とイーゴー谷(共通語)

概要

ずっと昔、今から約三五○年前のことになるでしょうね。石川(いひちゃー)部落の山の向うの北側に、石川原(石川アタイ)というところと、東側の海岸端には渡口原(渡口アタイ)というところがあった。その部落のあった当時は、今の市内になっているところは全部海なんだよね。それで、渡口原から屋嘉にも行けないので、二カ所の部落の住民たちは、この中間のところに話し合いができる場所を作らないといけないといって、会屋(かいや)を建てたようです。会屋というのは、今では集まる場所、公民館、又は部落事務所のことをいっていたようですね。いわば館(やかた)のことを会屋(かいや)といったんじゃないかねえと、私は考えています。それで、あのアヤグ節に、「道ぬ美(ちゅ)らさや、ん会屋(かいや)ぬ前(めー)〔道の綺麗なところは 会屋の前〕。」というのがあるさあねえ。公共施設の場合はどこでも道は立派にしてあるよね。ここからの話が面白くなるんだよ。その会屋に「御(う)。」をつけて、「屋(や)。」を取ったら、御会(うかい)になり、それがウカイ〔交接〕原になったんでしょう。それがそのまま畑名(はるなー)になり、エッチなへんなふうに話が転じてしまったんでしょうね。またイーゴ谷というのは、かゆいことに昔は、イーゴーサヌというでしょう。山川(やまがーら)とか、川で浴びるとね、毛のあるところに毛じらみがついて、しばらくするとかゆくなるのです。昔は現在のようにね、衛生面も立派じゃなかったもんだから。男のシンボルには方言でタニというでしよう。ですから、その谷間の川で浴びた者のシンボルにひっついてしまって、かゆくなるものだから、イーゴーダニというふうになったのでしょう。そのイーゴーダニと、ウカイ原をひっつけて話したもんだから、おかしな話になってしまって、石川の人は、これを語りたがらないわけさあ。

再生時間:4:17

民話詳細DATA

レコード番号 47O412543
CD番号 47O41C100
決定題名 ウカイ原とイーゴー谷(共通語)
話者がつけた題名
話者名 伊波幸重
話者名かな いはこうじゅう
生年月日 19200310
性別
出身地 石川市石川
記録日 19820805
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T16A16
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 いしかわの民話伝説編P58
キーワード 石川原,渡口原,会屋,ウカイ,イーゴーダニ
梗概(こうがい) ずっと昔、今から約三五○年前のことになるでしょうね。石川(いひちゃー)部落の山の向うの北側に、石川原(石川アタイ)というところと、東側の海岸端には渡口原(渡口アタイ)というところがあった。その部落のあった当時は、今の市内になっているところは全部海なんだよね。それで、渡口原から屋嘉にも行けないので、二カ所の部落の住民たちは、この中間のところに話し合いができる場所を作らないといけないといって、会屋(かいや)を建てたようです。会屋というのは、今では集まる場所、公民館、又は部落事務所のことをいっていたようですね。いわば館(やかた)のことを会屋(かいや)といったんじゃないかねえと、私は考えています。それで、あのアヤグ節に、「道ぬ美(ちゅ)らさや、ん会屋(かいや)ぬ前(めー)〔道の綺麗なところは 会屋の前〕。」というのがあるさあねえ。公共施設の場合はどこでも道は立派にしてあるよね。ここからの話が面白くなるんだよ。その会屋に「御(う)。」をつけて、「屋(や)。」を取ったら、御会(うかい)になり、それがウカイ〔交接〕原になったんでしょう。それがそのまま畑名(はるなー)になり、エッチなへんなふうに話が転じてしまったんでしょうね。またイーゴ谷というのは、かゆいことに昔は、イーゴーサヌというでしょう。山川(やまがーら)とか、川で浴びるとね、毛のあるところに毛じらみがついて、しばらくするとかゆくなるのです。昔は現在のようにね、衛生面も立派じゃなかったもんだから。男のシンボルには方言でタニというでしよう。ですから、その谷間の川で浴びた者のシンボルにひっついてしまって、かゆくなるものだから、イーゴーダニというふうになったのでしょう。そのイーゴーダニと、ウカイ原をひっつけて話したもんだから、おかしな話になってしまって、石川の人は、これを語りたがらないわけさあ。
全体の記録時間数 4:21
物語の時間数 4:17
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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