ある所に金満家の家に長男はいるけど、あまりこの子は何もしないから、この長男に旅をさせようと思ってね、旅に行くからにはスムチという昔の易者に行ったら、「急がば回れ、御馳走には気をつけろ。」とか、そういうことを教えられた。この石川の港だったら潮が引いている時にはもちろん、ただ歩いて行けるけどね、潮が満ちているときには、戦前は橋がかかっていないからね、人は伝馬船で渡って行くでしょう。そのときにひっくり返ってもこの石川あたりではどうってことないけどね、国頭の大浦湾ね、あそこに行くと帆船でも浮くくらいとても深いから、あそこで私のおじさん達の時代に旅行して、船が転覆して旅行者も沢山死んでいるということもよく聞いているわけ。そんな所でもまた遠回りしたら安全な道があるわけさ。この石川でもね、川を渡る道がこう通っていて馬車はあの闘牛場からあそこを廻って行ったよ。この子はもう旅に出ていたからね、あの易者が、「急がば回れ。」と言ったので、そんなところに来たから感じたわけさ。「いつでも安全な場所を歩かないといけない。」と思って、それで遠回りして行くと、船で渡った人はその船も転覆して、もう全員おぼれて死んでるのもいるわけさ。そこでの難は逃れることができて、自分は生きているでしょう。そして、また夜になったので、そこの旅館に泊らなければいけないわけね。そこは「入る人はいるが出てくる人はいない」と言われている山田首里殿内のようなところだったわけさ。それで、そこに泊ったら御馳走も沢山食べさせられたようだ。それで、また、あの易者が言った、「御馳走には気をつけろ。」と言う言葉を思い出したわけね。立派にもう寝床も敷いて準備されているが、もう寝られない。何か夜中になってからガサガサとと音がしたって。それで、ゆっくりゆっくり音の方に行って見ると、包丁をガサガサ研いでいたって。それでもう、「これは大変。」と思って、それから逃げ場所を探して逃げて行った。その時は仲間も一緒だったらしいけど、その仲間は殺されたとか。そういうことから、「可愛い子には旅をさせろ。」と言ったわけさ。もうこれで終りましょう。
| レコード番号 | 47O412511 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C099 |
| 決定題名 | 話千両(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波豊吉 |
| 話者名かな | いはとよきち |
| 生年月日 | 19121108 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市石川 |
| 記録日 | 19820804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T14B05 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いしかわの民話昔話編P221 |
| キーワード | 金満家,長男,旅,易者,急がば回れ,御馳走には気をつけろ,石川の港,伝馬船,旅館,山田首里殿内 |
| 梗概(こうがい) | ある所に金満家の家に長男はいるけど、あまりこの子は何もしないから、この長男に旅をさせようと思ってね、旅に行くからにはスムチという昔の易者に行ったら、「急がば回れ、御馳走には気をつけろ。」とか、そういうことを教えられた。この石川の港だったら潮が引いている時にはもちろん、ただ歩いて行けるけどね、潮が満ちているときには、戦前は橋がかかっていないからね、人は伝馬船で渡って行くでしょう。そのときにひっくり返ってもこの石川あたりではどうってことないけどね、国頭の大浦湾ね、あそこに行くと帆船でも浮くくらいとても深いから、あそこで私のおじさん達の時代に旅行して、船が転覆して旅行者も沢山死んでいるということもよく聞いているわけ。そんな所でもまた遠回りしたら安全な道があるわけさ。この石川でもね、川を渡る道がこう通っていて馬車はあの闘牛場からあそこを廻って行ったよ。この子はもう旅に出ていたからね、あの易者が、「急がば回れ。」と言ったので、そんなところに来たから感じたわけさ。「いつでも安全な場所を歩かないといけない。」と思って、それで遠回りして行くと、船で渡った人はその船も転覆して、もう全員おぼれて死んでるのもいるわけさ。そこでの難は逃れることができて、自分は生きているでしょう。そして、また夜になったので、そこの旅館に泊らなければいけないわけね。そこは「入る人はいるが出てくる人はいない」と言われている山田首里殿内のようなところだったわけさ。それで、そこに泊ったら御馳走も沢山食べさせられたようだ。それで、また、あの易者が言った、「御馳走には気をつけろ。」と言う言葉を思い出したわけね。立派にもう寝床も敷いて準備されているが、もう寝られない。何か夜中になってからガサガサとと音がしたって。それで、ゆっくりゆっくり音の方に行って見ると、包丁をガサガサ研いでいたって。それでもう、「これは大変。」と思って、それから逃げ場所を探して逃げて行った。その時は仲間も一緒だったらしいけど、その仲間は殺されたとか。そういうことから、「可愛い子には旅をさせろ。」と言ったわけさ。もうこれで終りましょう。 |
| 全体の記録時間数 | 5:20 |
| 物語の時間数 | 5:13 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | 〇 |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |