うちらが十二、三才の頃話を聞いたもんだがねえ。このう坊主(ぼーじゅー)ウスメーは、体はねえ、胴回りは小さいんだが、背はそうとう高かったわけよねえ。・波之上祭でね相撲の横綱だったらしいですよねえ。その人は胴回りは小さいものだから、最初は皆で希望して相撲をとったらしいんだが誰も勝てる者はおらんかったらしいよねえ。もう有名な力士、武士でねえ。今でも年寄りが相撲の話をする場合は、その話はいつもでているよ。昔はねえ、牛をけんかさせて後に余興として相撲大会があったらしいよねえ、相撲大会が。ある日ねえ、坊主御主(ぼーじゅうすー)の従兄弟、上ノ川(うえのかー)ウスメーという酒上戸(さきじょーぐー)ウスメーが、・安慶名(あぎなー)闘牛場に闘牛を見に行ったらしいんですよねえ。二人はとても似ておったらしく、闘牛が終ってから、シージマ〔すもうの結びの一番〕で、そのウスメーが、「私と相撲とるのはおらんか。」といってねえ、闘牛場に飛んだらしいよ。すると、「石川坊主御主前(いしかわぼーじゅーうすめー)がきている。」ということでねえ、皆驚いてよ。もうこの人に勝てる人は沖縄中どこにもいないから、皆驚いて。上(いー)ぬ川酒(かーさき)ウスメーは口で勝ったという話があるんですよう。それでねえ、また、玉井新垣(たまいあらかち)といってねえ、もう沖縄で有名な武士がおったらしいよねえ。ある日坊主ウスメーがねえ、「私に手を教えてくれ。」といって、玉井新垣(たまいあらかち)に希望したらねえ、「それじゃあ、やろう。」といって。昔はカタカシラといって、男でも髪を結う、カンプーしよったらしいよねえ。それで玉井新垣という人がねえ、その坊主ウスメーの髪をつかまえて、三間ぐらい後の方に投げたらしい。すると、その坊主ウスメーは武士だから、むこうに、ころばずにまっすぐ立ったらしいよ。「とう、あんたに教えたら、あんたに教えたらもう大変だ。」といって、教えなかったらしい。「あんたは私よりも上だから、あんたに教える必要ない。」といってねえ、王井新垣(たまいあらかち)先生が断わったらしいですよう。はい。坊主ウスメーという人は、もうどこに行ってもねえ負けたことがなかったらしいよう、どこに行っても。その人は七十歳こえてから亡くなったんですがねえ、私らが小さい時は、石川坊主ウスメー、坊主ウスメーといってね有名だったんですよ、そのウスメーはね。
| レコード番号 | 47O412439 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C095 |
| 決定題名 | 石川川ぬ上ぐゎーウスメー(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 伊波栄吉 |
| 話者名かな | いはえいきち |
| 生年月日 | 19150210 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市石川 |
| 記録日 | 19820613 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T11A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | いしかわの民話伝説編P91 |
| キーワード | 坊主ウスメー,波之上祭,相撲の横綱,力士,武士,上ノ川ウスメー,酒上戸,安慶名闘牛場,闘牛,シージマ,石川坊主御主前,玉井新垣 |
| 梗概(こうがい) | うちらが十二、三才の頃話を聞いたもんだがねえ。このう坊主(ぼーじゅー)ウスメーは、体はねえ、胴回りは小さいんだが、背はそうとう高かったわけよねえ。・波之上祭でね相撲の横綱だったらしいですよねえ。その人は胴回りは小さいものだから、最初は皆で希望して相撲をとったらしいんだが誰も勝てる者はおらんかったらしいよねえ。もう有名な力士、武士でねえ。今でも年寄りが相撲の話をする場合は、その話はいつもでているよ。昔はねえ、牛をけんかさせて後に余興として相撲大会があったらしいよねえ、相撲大会が。ある日ねえ、坊主御主(ぼーじゅうすー)の従兄弟、上ノ川(うえのかー)ウスメーという酒上戸(さきじょーぐー)ウスメーが、・安慶名(あぎなー)闘牛場に闘牛を見に行ったらしいんですよねえ。二人はとても似ておったらしく、闘牛が終ってから、シージマ〔すもうの結びの一番〕で、そのウスメーが、「私と相撲とるのはおらんか。」といってねえ、闘牛場に飛んだらしいよ。すると、「石川坊主御主前(いしかわぼーじゅーうすめー)がきている。」ということでねえ、皆驚いてよ。もうこの人に勝てる人は沖縄中どこにもいないから、皆驚いて。上(いー)ぬ川酒(かーさき)ウスメーは口で勝ったという話があるんですよう。それでねえ、また、玉井新垣(たまいあらかち)といってねえ、もう沖縄で有名な武士がおったらしいよねえ。ある日坊主ウスメーがねえ、「私に手を教えてくれ。」といって、玉井新垣(たまいあらかち)に希望したらねえ、「それじゃあ、やろう。」といって。昔はカタカシラといって、男でも髪を結う、カンプーしよったらしいよねえ。それで玉井新垣という人がねえ、その坊主ウスメーの髪をつかまえて、三間ぐらい後の方に投げたらしい。すると、その坊主ウスメーは武士だから、むこうに、ころばずにまっすぐ立ったらしいよ。「とう、あんたに教えたら、あんたに教えたらもう大変だ。」といって、教えなかったらしい。「あんたは私よりも上だから、あんたに教える必要ない。」といってねえ、王井新垣(たまいあらかち)先生が断わったらしいですよう。はい。坊主ウスメーという人は、もうどこに行ってもねえ負けたことがなかったらしいよう、どこに行っても。その人は七十歳こえてから亡くなったんですがねえ、私らが小さい時は、石川坊主ウスメー、坊主ウスメーといってね有名だったんですよ、そのウスメーはね。 |
| 全体の記録時間数 | 4:57 |
| 物語の時間数 | 4:31 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |