天人女房(銘苅子)

概要

昔はですね、銘苅子は天女との間に二人の子供をもうけたということを言われていますがね。それで、私は十六才の時に銘苅子の銘苅御殿(めかるうどぅん)という所にはよ、一回行きましたがね、大きい掛け軸があったわけですよ。これを見たら、ちょうど天女が羽衣を着て天に上がって行こうとして、その絵の下の方では銘苅子と女の子一人、男の子一人、この三人でこう見つめている絵があったですがね、で、話を聞けば銘苅子はこの銘苅川と言うのが、今現在安謝にありますよね。そこに銘苅畑(めかるばる)と言って銘苅子の畑になっておって、もうそこで百姓してやっておったらしいんだが、銘苅子がある時に突然川に行ってみたら、綺麗な着物が松の枝に掛けられてあるのを見つけて、これを取って家に帰ろうとした。天女が、 「これは私のものだから返してくれ。」と言ったそうだよ。返さずに家に帰って倉の中に押し込んで隠してあったということで、その天女は肝心の羽衣が取られて裸では天に上がれないから、とうとうその銘苅子の妻になって二人の子が出来たとそういう話になっていますがね。戦後、私はまた私らが銘苅子の子孫であるというのを首里の人が聞いて、私に話よったですがね。どうしてそういうふうにその話があるかといったら、これは、「銘苅子は天女と子供が出来たということだが、天女とは世の中にいないよ。天女というのは、これは首里の王様の娘が天女というふうに一般からこうあがめられておったので、あれに天女といっている。」と言っていたがね。首里から安謝はそう遠くは離れていなくて近いそうね。また首里は高い所に、安謝は下の方ですよね。で、なぜ王様の娘がこっちに来たかというと、銘苅子はいつも畑を鍬で耕やすさあね、だからもうこういつも耕やしているから鍬のさびが落ちてしまって、もう鍬の裏の方はね、ピカピカ光っておるわけさあね。で、これを首里の王様の娘が、首里城の高い所から、こっちを見たらね、この鍬が太陽に反射して光るのを見てね、珍しく思って銘苅川の近くに来たそうだ。来たらいい川があったもんだから浴びて帰ろうというので、その川に入ったとたんに羽衣が盗まれてしまった。羽衣というのは王様の娘の着物だから、羽衣ではなくて、まあ立派な綺麗な衣裳ということであって、天女というのはいないよ。はあ、なるほどそうも考えられるねえと思いましたよ。

再生時間:7:13

民話詳細DATA

レコード番号 47O412438
CD番号 47O41C095
決定題名 天人女房(銘苅子)
話者がつけた題名
話者名 佐次田秀松
話者名かな さじたひでまつ
生年月日 19130422
性別
出身地 石川市石川
記録日 19820613
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T10B08
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 銘苅子,天女,二人の子供,羽衣,天に上がる,銘苅川,綺麗な着物,倉
梗概(こうがい) 昔はですね、銘苅子は天女との間に二人の子供をもうけたということを言われていますがね。それで、私は十六才の時に銘苅子の銘苅御殿(めかるうどぅん)という所にはよ、一回行きましたがね、大きい掛け軸があったわけですよ。これを見たら、ちょうど天女が羽衣を着て天に上がって行こうとして、その絵の下の方では銘苅子と女の子一人、男の子一人、この三人でこう見つめている絵があったですがね、で、話を聞けば銘苅子はこの銘苅川と言うのが、今現在安謝にありますよね。そこに銘苅畑(めかるばる)と言って銘苅子の畑になっておって、もうそこで百姓してやっておったらしいんだが、銘苅子がある時に突然川に行ってみたら、綺麗な着物が松の枝に掛けられてあるのを見つけて、これを取って家に帰ろうとした。天女が、 「これは私のものだから返してくれ。」と言ったそうだよ。返さずに家に帰って倉の中に押し込んで隠してあったということで、その天女は肝心の羽衣が取られて裸では天に上がれないから、とうとうその銘苅子の妻になって二人の子が出来たとそういう話になっていますがね。戦後、私はまた私らが銘苅子の子孫であるというのを首里の人が聞いて、私に話よったですがね。どうしてそういうふうにその話があるかといったら、これは、「銘苅子は天女と子供が出来たということだが、天女とは世の中にいないよ。天女というのは、これは首里の王様の娘が天女というふうに一般からこうあがめられておったので、あれに天女といっている。」と言っていたがね。首里から安謝はそう遠くは離れていなくて近いそうね。また首里は高い所に、安謝は下の方ですよね。で、なぜ王様の娘がこっちに来たかというと、銘苅子はいつも畑を鍬で耕やすさあね、だからもうこういつも耕やしているから鍬のさびが落ちてしまって、もう鍬の裏の方はね、ピカピカ光っておるわけさあね。で、これを首里の王様の娘が、首里城の高い所から、こっちを見たらね、この鍬が太陽に反射して光るのを見てね、珍しく思って銘苅川の近くに来たそうだ。来たらいい川があったもんだから浴びて帰ろうというので、その川に入ったとたんに羽衣が盗まれてしまった。羽衣というのは王様の娘の着物だから、羽衣ではなくて、まあ立派な綺麗な衣裳ということであって、天女というのはいないよ。はあ、なるほどそうも考えられるねえと思いましたよ。
全体の記録時間数 7:46
物語の時間数 7:13
言語識別 銘苅子
音源の質
テープ番号
予備項目1

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