昔はね、部落の境にね、木を植えてね、どこからどこまでは伊波の部落、どこからどこまでは山城の部落。どこからどこは嘉手苅という具合に、その境に木を植えとったわけよね。で、その木が盗まれて、その部落同志がけんかになったもんだから、ああ、これは地元の人ではない。よそ者に違いないというようなことになったもんだから、山城に使われている人で、よそ者といったらもうその時、そういう人はなかなかおらんさあねえ。家がもう各部落とも五、六軒か、多くても十軒ぐらいしかない、人数も少ないでしょう。だもんだから、「ああ、もう部落のここらへんには、よそ者というのは私一人しかおらん。だから私がとったといわんばかりだ。」といって、切腹してしまったわけさあねえ。その人は、侍の娘を犯してしまって、昔は、そういう侍が百姓となってもいけない。また、百姓が侍の娘を嫁にしてもいけないという、その昔のきついなにがありますでしょう。家でもそうでしょう。もう侍と百姓とでは家を造るんでも、百姓はどの程度までしか家を造ってはいかんとかね。それで、昔の家なんかは、普通の家やったら・貫家(ぬちやー)なんか造らせない、ほったて小屋みたいなものを造った。だから、侍の娘を犯してしまったもんだから、その部落から追われて逃げて、ほれできたら、どこも使う人がおらない。もう山から山を通ってね、そいできて、 「じゃあ、ここら辺で雇うんだったら山城(やまぐすく)ウナーじゃないかなあ。山城(やまぐすく)ウナーは馬を持っているので、むこう以外にはおらんだろう。」といって、そいで山城を教えられてきて、そしたら、「まあ、それなら雇おう。」ということで、山城ウナーが雇ってやった。まあ、そういういきさつで山城にきていたんだが、罪を自分にきせられたということで切腹をしたということだがね。それで、これをその祈祷しろということになったもんだから、豚を殺して祈祷したら、「これではとおらない。」ということで、しまいにはその、「角のあるものを殺さんといかない。」って、それで、牛を殺した。そいで、それでとおったということで、それからずうっともう今だに牛を殺して祈祷するわけ。
| レコード番号 | 47O412410 |
|---|---|
| CD番号 | 47O41C094 |
| 決定題名 | カンカー由来(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山城好増 |
| 話者名かな | やましろこうぞう |
| 生年月日 | 19081130 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石川市山城 |
| 記録日 | 19820613 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石川市T09B14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 石川の民話伝説編P247 |
| キーワード | 部落の境,木,山城ウナー,切腹,豚を殺して祈祷,牛 |
| 梗概(こうがい) | 昔はね、部落の境にね、木を植えてね、どこからどこまでは伊波の部落、どこからどこまでは山城の部落。どこからどこは嘉手苅という具合に、その境に木を植えとったわけよね。で、その木が盗まれて、その部落同志がけんかになったもんだから、ああ、これは地元の人ではない。よそ者に違いないというようなことになったもんだから、山城に使われている人で、よそ者といったらもうその時、そういう人はなかなかおらんさあねえ。家がもう各部落とも五、六軒か、多くても十軒ぐらいしかない、人数も少ないでしょう。だもんだから、「ああ、もう部落のここらへんには、よそ者というのは私一人しかおらん。だから私がとったといわんばかりだ。」といって、切腹してしまったわけさあねえ。その人は、侍の娘を犯してしまって、昔は、そういう侍が百姓となってもいけない。また、百姓が侍の娘を嫁にしてもいけないという、その昔のきついなにがありますでしょう。家でもそうでしょう。もう侍と百姓とでは家を造るんでも、百姓はどの程度までしか家を造ってはいかんとかね。それで、昔の家なんかは、普通の家やったら・貫家(ぬちやー)なんか造らせない、ほったて小屋みたいなものを造った。だから、侍の娘を犯してしまったもんだから、その部落から追われて逃げて、ほれできたら、どこも使う人がおらない。もう山から山を通ってね、そいできて、 「じゃあ、ここら辺で雇うんだったら山城(やまぐすく)ウナーじゃないかなあ。山城(やまぐすく)ウナーは馬を持っているので、むこう以外にはおらんだろう。」といって、そいで山城を教えられてきて、そしたら、「まあ、それなら雇おう。」ということで、山城ウナーが雇ってやった。まあ、そういういきさつで山城にきていたんだが、罪を自分にきせられたということで切腹をしたということだがね。それで、これをその祈祷しろということになったもんだから、豚を殺して祈祷したら、「これではとおらない。」ということで、しまいにはその、「角のあるものを殺さんといかない。」って、それで、牛を殺した。そいで、それでとおったということで、それからずうっともう今だに牛を殺して祈祷するわけ。 |
| 全体の記録時間数 | 5:22 |
| 物語の時間数 | 4:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |