渡嘉敷ペーク(シマグチ混)

概要

今度は、そのペークーが、あまりにも知恵者の者だから、後は首里の王様に認められて、そのペークーに、「何月何日に、家に三国からお客様がいらっさるので、あんたは接待に加勢してくれないか。その日には、あんたにも鶏を腹一杯与えてやるから。」と殿様言うので、「じゃ、分かりました。」とペークーはその日喜んで、出された鶏を料理して作ったところが、城での料理のあたえ方は、お客様一人に必ず鶏一羽が出せるように決められておったらしいです。で、作ったらちょうどお客様に与えるだけしか鶏はなかったそうです。その鶏料理を全部お客様に与えて、その座敷に座っていると、王様いわく、「なんでペークー、あんたもこの鶏を持ってきて食べないか。」と言うが、しかし、いかななんでも自分で作って自分で膳を運んできて食べるわけにもいかなくして、黙って座っておるとまた下から女中の方々が持ってきた膳には大根の山盛りしたお皿が出ておったと。で、その大根を腹一杯食べて、「殿様、本日は鶏の御馳走腹一杯頂戴しました。ほんとにありがとうございました。」と言って、「殿様は鷺のお肉おあがりになったことありますか。」と言ったら、「いいや、ない。」と。「じゃ、狩しながら家にいらっしゃい。腹一杯鷺の肉を御馳走してあげますから。」と言って、供には、「畚を持っていらっしゃい。」と言っておいた。そのペークーは、明日は殿様がいらっしゃる日だからということで、その準備に自分の畑にカマを一つ持って行って、花の咲いている大根の首を全部まげ落して家で待っていると、殿様は供に畚を担がせて、「おいペークー、鷺を取って来たか。」「いいや、これからです。」と。「鷺がそんなに捕れるか。」「はい、うちのところの鷺は行けばすぐ取れます。」と。「じゃ、行こうじゃないか。」と。で、村はずれに出たら、畑のまん中に、もういわば白鷺が一杯立っているのをみて、「はい殿さま、あれが殿様に差し上げる白鷺です。」と。「そうか。」と傍に行ったら、なんの鷺どころか、花の咲いた大根が首を落とされて立っておった。殿様はそこで、もう腹を立てて、「ペーク、これが白鷺か。」と。「そうです。」「大根じゃないか。」と。 「殿様がこの前、私に鶏の肉を腹一杯あげるから家の調理を加勢しなさいと言って、お城で食べた鶏はこれじゃったんです。」と。殿様ももうやむえなく、この大根のお汁(ちゆ)をあがって、それで供に大根を担がせて帰ったという話なんです。

再生時間:5:09

民話詳細DATA

レコード番号 47O412367
CD番号 47O41C091
決定題名 渡嘉敷ペーク(シマグチ混)
話者がつけた題名
話者名 兼城孝栄
話者名かな かねしろこうえい
生年月日 19160315
性別
出身地 石川市石川
記録日 19820613
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T08A05
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード ペークー,知恵者,首里の王様,お客様,鶏料理,畑,大根の首,鷺
梗概(こうがい) 今度は、そのペークーが、あまりにも知恵者の者だから、後は首里の王様に認められて、そのペークーに、「何月何日に、家に三国からお客様がいらっさるので、あんたは接待に加勢してくれないか。その日には、あんたにも鶏を腹一杯与えてやるから。」と殿様言うので、「じゃ、分かりました。」とペークーはその日喜んで、出された鶏を料理して作ったところが、城での料理のあたえ方は、お客様一人に必ず鶏一羽が出せるように決められておったらしいです。で、作ったらちょうどお客様に与えるだけしか鶏はなかったそうです。その鶏料理を全部お客様に与えて、その座敷に座っていると、王様いわく、「なんでペークー、あんたもこの鶏を持ってきて食べないか。」と言うが、しかし、いかななんでも自分で作って自分で膳を運んできて食べるわけにもいかなくして、黙って座っておるとまた下から女中の方々が持ってきた膳には大根の山盛りしたお皿が出ておったと。で、その大根を腹一杯食べて、「殿様、本日は鶏の御馳走腹一杯頂戴しました。ほんとにありがとうございました。」と言って、「殿様は鷺のお肉おあがりになったことありますか。」と言ったら、「いいや、ない。」と。「じゃ、狩しながら家にいらっしゃい。腹一杯鷺の肉を御馳走してあげますから。」と言って、供には、「畚を持っていらっしゃい。」と言っておいた。そのペークーは、明日は殿様がいらっしゃる日だからということで、その準備に自分の畑にカマを一つ持って行って、花の咲いている大根の首を全部まげ落して家で待っていると、殿様は供に畚を担がせて、「おいペークー、鷺を取って来たか。」「いいや、これからです。」と。「鷺がそんなに捕れるか。」「はい、うちのところの鷺は行けばすぐ取れます。」と。「じゃ、行こうじゃないか。」と。で、村はずれに出たら、畑のまん中に、もういわば白鷺が一杯立っているのをみて、「はい殿さま、あれが殿様に差し上げる白鷺です。」と。「そうか。」と傍に行ったら、なんの鷺どころか、花の咲いた大根が首を落とされて立っておった。殿様はそこで、もう腹を立てて、「ペーク、これが白鷺か。」と。「そうです。」「大根じゃないか。」と。 「殿様がこの前、私に鶏の肉を腹一杯あげるから家の調理を加勢しなさいと言って、お城で食べた鶏はこれじゃったんです。」と。殿様ももうやむえなく、この大根のお汁(ちゆ)をあがって、それで供に大根を担がせて帰ったという話なんです。
全体の記録時間数 5:09
物語の時間数 5:09
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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