渡嘉敷ペーク (シマグチ混)

概要

昔、北谷の村にペークーという、とても貧乏な家庭に知恵のある青年がおったらしい。この人は村でも理屈っぽくて、それで、年寄りの方々でも、そのペークーにはいつもやられっぱなしでいた。そのペークーが、ある時、畑を廻っていると、あまりにも立派に出来ている大根があったので、その主人に会って、「この大根の作り方を教えてくれないか。」と頼んだ。すると、そのお爺さんは、「今度こそ、こやつの恨みを返してやろう。」と言うことで、「うん、教えてやろう、じゃあ、いつか家に遊びにいらっしゃい。」と家にペークーを招いて、お爺さんが教えるには、「なるだけ畑を、鍬も三回、四回も深く堀っておきなさい。草が生えたらまた耕やしてかえしなさい。それを三回くり返して畑作りをしなさい。」と。すると、ペークーはあまりにも大根作り上手なお爺さんの話だから、教えられるままに、草が生えたらまた耕やして、それを三回くり返して、「畑は出来ました。種子(すし)を分けて下さい。」と言ったら、「じゃ、一番いい種子を分けてあげよう。」と言うことで、そのお爺さんから種子をもらって、で、「その一穴に三粒ずつ、三○センチぐらいはなして植え、大きくなり次第間引きして行きなさい。」と言って、そのお爺さんは、「今度こそは恨み返しできた。」と喜んでおったのに、もうこの教えられた通りに作った大根があまりにも立派に出来たものだから、このペークーは自分の痩せ馬に大根を四つ乗せて、それで、門口(もんぐち)に馬をくくってからに、「お爺さん、大根作りを教えてくれてありがとうございました。今日はその御礼に参りました。」と言ったから、お爺さんは、「また今日は、どういう具合なやられ方するんだろう。」と、もうおじおじしている所に、本当に、そのペークが馬を引っ張って来て見せたら、自分が作っても作れないような立派な大根を馬の背中に乗せてきてあるから、そこでお爺さんはひざまずきして、「ペーク、あんたに教えたのは、実は、私はそういう具合に今まで作ったことはない。しかし、あんたに三回土を返しなさいというのは、あんたに労働を強いるために教えたものだ。これが本当の大根作りじゃったのかと。で、実は、あんたに分けて与えた種子は、これは一番悪い種子じゃったから、今度は一番いい種子を持って行きなさい。」と、いい種子をは貰って行って。沖縄に大根作りが伝わったのは、そのお爺さんがペークに恨み返しと教えたのが本当の大根作りであったという話だそうです。

再生時間:4:01

民話詳細DATA

レコード番号 47O412366
CD番号 47O41C091
決定題名 渡嘉敷ペーク (シマグチ混)
話者がつけた題名
話者名 兼城孝栄
話者名かな かねしろこうえい
生年月日 19160315
性別
出身地 石川市石川
記録日 19820613
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T08A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 北谷の村,ペークー,貧乏な家庭,知恵,大根,痩せ馬
梗概(こうがい) 昔、北谷の村にペークーという、とても貧乏な家庭に知恵のある青年がおったらしい。この人は村でも理屈っぽくて、それで、年寄りの方々でも、そのペークーにはいつもやられっぱなしでいた。そのペークーが、ある時、畑を廻っていると、あまりにも立派に出来ている大根があったので、その主人に会って、「この大根の作り方を教えてくれないか。」と頼んだ。すると、そのお爺さんは、「今度こそ、こやつの恨みを返してやろう。」と言うことで、「うん、教えてやろう、じゃあ、いつか家に遊びにいらっしゃい。」と家にペークーを招いて、お爺さんが教えるには、「なるだけ畑を、鍬も三回、四回も深く堀っておきなさい。草が生えたらまた耕やしてかえしなさい。それを三回くり返して畑作りをしなさい。」と。すると、ペークーはあまりにも大根作り上手なお爺さんの話だから、教えられるままに、草が生えたらまた耕やして、それを三回くり返して、「畑は出来ました。種子(すし)を分けて下さい。」と言ったら、「じゃ、一番いい種子を分けてあげよう。」と言うことで、そのお爺さんから種子をもらって、で、「その一穴に三粒ずつ、三○センチぐらいはなして植え、大きくなり次第間引きして行きなさい。」と言って、そのお爺さんは、「今度こそは恨み返しできた。」と喜んでおったのに、もうこの教えられた通りに作った大根があまりにも立派に出来たものだから、このペークーは自分の痩せ馬に大根を四つ乗せて、それで、門口(もんぐち)に馬をくくってからに、「お爺さん、大根作りを教えてくれてありがとうございました。今日はその御礼に参りました。」と言ったから、お爺さんは、「また今日は、どういう具合なやられ方するんだろう。」と、もうおじおじしている所に、本当に、そのペークが馬を引っ張って来て見せたら、自分が作っても作れないような立派な大根を馬の背中に乗せてきてあるから、そこでお爺さんはひざまずきして、「ペーク、あんたに教えたのは、実は、私はそういう具合に今まで作ったことはない。しかし、あんたに三回土を返しなさいというのは、あんたに労働を強いるために教えたものだ。これが本当の大根作りじゃったのかと。で、実は、あんたに分けて与えた種子は、これは一番悪い種子じゃったから、今度は一番いい種子を持って行きなさい。」と、いい種子をは貰って行って。沖縄に大根作りが伝わったのは、そのお爺さんがペークに恨み返しと教えたのが本当の大根作りであったという話だそうです。
全体の記録時間数 4:07
物語の時間数 4:01
言語識別 混在
音源の質
テープ番号
予備項目1

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