マグジャー洞窟(共通語)

概要

マグジャー洞窟(がま)の由来は、昔ね、天願(てんぐわん)に、天願太郎次(てんぐわんたるじー)といって、武士がいたそうだがね。また、金武にね金武奥間(ちんうくま)という武士がいたさあね。で、二人はよく、この今の金武湾を隔てて戦をやったりしたんだがね。なんで戦したかというと、天願太郎次の妻はね、非常に美人だったそうだ。で、金武奥間は、「なんとかして、この天願太郎次の妻を奪って自分の妻にしよう。」といってね。ある時、太郎次がいないところを襲ってね、そのマグジーを奪ったんだね。ところが、マグジーは子どももいたというんだがな。奥間がそのマグジーをおんぷしてね、連れ去ってきて、こっちのマグジーの洞窟(がま)の上まできたときに、そのマグジーは短剣を持っておったんだろう。それで奥間を殺して、そって、自分はその洞窟に隠れてしまったというんだね。で、マグジーはそこで機織りをしながら生活して、子どもを育てていたそうだがねえ。 それから、石川部落ではね、夜はね糸車(やーま)、糸くりってあるでしょう。それを使ったらいかんと、いう言い伝えがある。それは夜になったらね、マグジーが子どもの食べ物を探しにやってくるから。こうやっとるところはまだ起きておる証拠でしょう。それで、マグジーは怖がられておったわけだな。そって、戦前までよ、マグジーの使った機はね、明治時代まで洞窟に残っておるといわれておったが‥‥。おれは見たことはなかったんだけどね。また、マグジーがそこで生活しておる間に、そこに大きな山原船が入ってくると、その船員たちがよくマグジーをからかいにくるさあね。そいでマグジーは、「もうここには、大きな船がこないように。」といって、一生懸命お祈りしたというんだね。それから、ここに大きな船が入ってくるときはねえ、ここの海は荒れるんだという。しかし、おもしろいことよ。今度は大東亜戦争の話になるがね。昭和十九年だっただろうなあ、戦争がまさに始まろうとする七月頃から日本軍がぞくぞくときたんですよねえ。その時、ここから上陸するために大きな汽船がやってきたんです、日本の兵隊を乗せて。ところが不思議によ、天気は非常によかったよ。天気は非常にいいのにね、海だけ非常に荒れとるんだ。そうして、その日本軍がこっちから上陸するのを阻(はば)んでおるわけね。で、仕方なく連隊旗とね、連隊長を守る数名、それだけ上陸して残りは島尻に廻って行ったことがあるんだがね。それで、「やはり、マグジーがじゃましたのかなあ。」と、みんな不思議に思っておったさあねえ。

再生時間:4:55

民話詳細DATA

レコード番号 47O412300
CD番号 47O41C089
決定題名 マグジャー洞窟(共通語)
話者がつけた題名
話者名 伊波信光
話者名かな いはしんこう
生年月日 19010221
性別
出身地 石川市伊波
記録日 19820314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石川市T05A12
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく) むかし
伝承事情
文字化資料 いしかわの民話伝説編P46
キーワード マグジャー洞窟,天願太郎次,金武にね金武奥間,武士,戦,美人,マグジー,子ども,短剣,機織り,糸車,山原船,海は荒れる
梗概(こうがい) マグジャー洞窟(がま)の由来は、昔ね、天願(てんぐわん)に、天願太郎次(てんぐわんたるじー)といって、武士がいたそうだがね。また、金武にね金武奥間(ちんうくま)という武士がいたさあね。で、二人はよく、この今の金武湾を隔てて戦をやったりしたんだがね。なんで戦したかというと、天願太郎次の妻はね、非常に美人だったそうだ。で、金武奥間は、「なんとかして、この天願太郎次の妻を奪って自分の妻にしよう。」といってね。ある時、太郎次がいないところを襲ってね、そのマグジーを奪ったんだね。ところが、マグジーは子どももいたというんだがな。奥間がそのマグジーをおんぷしてね、連れ去ってきて、こっちのマグジーの洞窟(がま)の上まできたときに、そのマグジーは短剣を持っておったんだろう。それで奥間を殺して、そって、自分はその洞窟に隠れてしまったというんだね。で、マグジーはそこで機織りをしながら生活して、子どもを育てていたそうだがねえ。 それから、石川部落ではね、夜はね糸車(やーま)、糸くりってあるでしょう。それを使ったらいかんと、いう言い伝えがある。それは夜になったらね、マグジーが子どもの食べ物を探しにやってくるから。こうやっとるところはまだ起きておる証拠でしょう。それで、マグジーは怖がられておったわけだな。そって、戦前までよ、マグジーの使った機はね、明治時代まで洞窟に残っておるといわれておったが‥‥。おれは見たことはなかったんだけどね。また、マグジーがそこで生活しておる間に、そこに大きな山原船が入ってくると、その船員たちがよくマグジーをからかいにくるさあね。そいでマグジーは、「もうここには、大きな船がこないように。」といって、一生懸命お祈りしたというんだね。それから、ここに大きな船が入ってくるときはねえ、ここの海は荒れるんだという。しかし、おもしろいことよ。今度は大東亜戦争の話になるがね。昭和十九年だっただろうなあ、戦争がまさに始まろうとする七月頃から日本軍がぞくぞくときたんですよねえ。その時、ここから上陸するために大きな汽船がやってきたんです、日本の兵隊を乗せて。ところが不思議によ、天気は非常によかったよ。天気は非常にいいのにね、海だけ非常に荒れとるんだ。そうして、その日本軍がこっちから上陸するのを阻(はば)んでおるわけね。で、仕方なく連隊旗とね、連隊長を守る数名、それだけ上陸して残りは島尻に廻って行ったことがあるんだがね。それで、「やはり、マグジーがじゃましたのかなあ。」と、みんな不思議に思っておったさあねえ。
全体の記録時間数 5:08
物語の時間数 4:55
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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