兼箇段大主という方は、本当は兼箇段の人でない。兼箇段の先祖ではないらしいよ。あの人は、雇われ者、逃亡者であったらしいよ。何故、兼箇段大主といったかというと、あれは、金武の寺の用心棒をしていた。とても体格が良くて強者だったので、金武の寺の用心棒をしているのを、向こうの悪者達が、「この者をここに置いておくと、思いどおりにならないから殺す。」と言って、集団になって来たらしい。この人は、ヤカーを連れて兼箇段まで逃げて来たわけ。ヤカーというのは、何者か私には分からないがね。昔の山道は小さいでしょう。木が生い茂って歩けないほどだが、ここに逃げて来た。最初は、ヤカーという人は、登川の川を越えたところの山で生活していたらしい。それで、そこでずっと生活して居れば、登川大主と名がついたはずだが、兼箇段区域に来て、そこで亡くなったので、「兼箇段大主と、兼箇段の名をつけよう。」と言って、兼箇段大主になったわけ。兼箇段大主を追って来た三人の悪者達は、先に来たので、この者に殺された。そうして、後の二、三人は、追って来ることができなかったので、殺されずにすんだわけさ。そうして、登川に家を作ってあったらしいが、「ここには居ってはいけない。」と、川向こうの兼箇段区域に来た。川を挟んで、川のこちら側は兼箇段、向こうは登川だが、兼箇段で亡くなったらしい。それで、兼箇段大主とつけられたんだよ。この間までは、兼箇段大主と信じていたがね、今では、誰も信じてない。ただ、ここで生活しているうちに死んでしまったので、兼箇段大主という名を貰っただけの話であって。兼箇段とは、何も関係ないんだよ。
| レコード番号 | 47O422062 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C063 |
| 決定題名 | 兼箇段大主(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 神谷進光 |
| 話者名かな | かみやしんこう |
| 生年月日 | 18971223 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市兼箇段 |
| 記録日 | 19800804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T58 A19 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻上322頁 |
| キーワード | 兼箇段大主,先祖,金武,用心棒 |
| 梗概(こうがい) | 兼箇段大主という方は、本当は兼箇段の人でない。兼箇段の先祖ではないらしいよ。あの人は、雇われ者、逃亡者であったらしいよ。何故、兼箇段大主といったかというと、あれは、金武の寺の用心棒をしていた。とても体格が良くて強者だったので、金武の寺の用心棒をしているのを、向こうの悪者達が、「この者をここに置いておくと、思いどおりにならないから殺す。」と言って、集団になって来たらしい。この人は、ヤカーを連れて兼箇段まで逃げて来たわけ。ヤカーというのは、何者か私には分からないがね。昔の山道は小さいでしょう。木が生い茂って歩けないほどだが、ここに逃げて来た。最初は、ヤカーという人は、登川の川を越えたところの山で生活していたらしい。それで、そこでずっと生活して居れば、登川大主と名がついたはずだが、兼箇段区域に来て、そこで亡くなったので、「兼箇段大主と、兼箇段の名をつけよう。」と言って、兼箇段大主になったわけ。兼箇段大主を追って来た三人の悪者達は、先に来たので、この者に殺された。そうして、後の二、三人は、追って来ることができなかったので、殺されずにすんだわけさ。そうして、登川に家を作ってあったらしいが、「ここには居ってはいけない。」と、川向こうの兼箇段区域に来た。川を挟んで、川のこちら側は兼箇段、向こうは登川だが、兼箇段で亡くなったらしい。それで、兼箇段大主とつけられたんだよ。この間までは、兼箇段大主と信じていたがね、今では、誰も信じてない。ただ、ここで生活しているうちに死んでしまったので、兼箇段大主という名を貰っただけの話であって。兼箇段とは、何も関係ないんだよ。 |
| 全体の記録時間数 | 2:44 |
| 物語の時間数 | 2:44 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |