今度は、天宮城の話をしましょう。これもせいかんな奴の話。友だち二人で、肩を寄せて話し合い、相談して、たくさんのお金が儲けられる方法はないかと思案していた。「私たちは常日頃、あくせく働いたとしてもいくらも儲けない。二人で儲ける話をしよう。」と言って、どうしたら、儲けられるかと考えをめぐらしていた。「天宮城、おまえはソロバンが上手だから、『天を計れる人がいる』と言って私が一計を案じるから、世間に噂を広めて儲ける考えをしてみよう。」と、友だちが言ったから、「なんてことを言う。私に天が計れるはずがないよ。」と言ったが、「いや、おまえにはできるから、私と二人で仕掛けてみよう。」と言った。そして、天宮城の友だちは、「珍しいことだが、最近、私の友だちにソロバンで天を計ることができる人がいる。」と言って、噂を流したら、「いくら何でもそんなことはできないでしょう。」と言われたので、それじゃあ天を計ろうということになり、ソロバンをパチパチ弾いて、「いくらいくらあります。」と言っては、また計って、「まちがいないです。」と言った。またも、天は何十何万何千何百何十間等々とかの話が出た。そして、そのあと、「これが言うのは誰も分からないし、合点がいかないから、どうでしょうか、もう一回試してみることにして、これが座る畳の下に一寸八分ある板を挟んで、そのうえで、もう一回計らしてみて、これが嘘を言っているかどうか試してみよう。」と言った。そしたら、そのあと、また、「今日の天の高さはいくらあるか、天宮城、おまえ計ってみないか。」と言ったから、もう、そのときにはソロバンを弾いては、「珍しいことですね。」と言っては、頭をひねったりしたので、「どうしたんだね。」と聞くと、またもソロバンを弾いたりした。そして、「昨日、一昨日の天と今日の天は、ソロバンの玉に差が出ています。天は、昨日も今日もいつも同じ高さだと思っていたのですが、珍しいこともあるものです。」と言った。「どうしたのだ。」と聞くと、「もう、なにも言えません。」と言ったので、問い詰められ、「ソロバンを弾いてどんなに計っても一寸八分の差が出ていますが。」と言った。「天の高さを計るというのは、嘘ではない、天宮城は正直だ。」と。畳の下に一寸八分の板を挟んであるので、その分の違いが出たのである。「これは計れないです。天は、昨日も今日も同じ高さだと思うのですが、今日は、このように高さが変わっていて、言えません。」と言って、頭をひねったりした。それは、天宮城が座っている畳の下に、一寸八分の板を挟んであるから、昨日の天と今日の天に一寸八分の差がでたもので、「これほど差があるなんてとても珍しい、これは私のソロバンが間違っているのかもしれません。」と言ったから、「いいよ、あんたが計ったのは当っているよ。」おっしゃったって。これが天宮城。
| レコード番号 | 47O421835 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C057 |
| 決定題名 | 天宮城と天の高さ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 天マーグシクの話 |
| 話者名 | 福原兼良 |
| 話者名かな | ふくはらけんりょう |
| 生年月日 | 18990118 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市安慶名 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T52 A2 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 笑話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下689頁 ふるさとの昔ばなし197頁 通観775頁 |
| キーワード | 天宮城,友だち,金儲け,天,そろばん,畳,天の高さ, |
| 梗概(こうがい) | 今度は、天宮城の話をしましょう。これもせいかんな奴の話。友だち二人で、肩を寄せて話し合い、相談して、たくさんのお金が儲けられる方法はないかと思案していた。「私たちは常日頃、あくせく働いたとしてもいくらも儲けない。二人で儲ける話をしよう。」と言って、どうしたら、儲けられるかと考えをめぐらしていた。「天宮城、おまえはソロバンが上手だから、『天を計れる人がいる』と言って私が一計を案じるから、世間に噂を広めて儲ける考えをしてみよう。」と、友だちが言ったから、「なんてことを言う。私に天が計れるはずがないよ。」と言ったが、「いや、おまえにはできるから、私と二人で仕掛けてみよう。」と言った。そして、天宮城の友だちは、「珍しいことだが、最近、私の友だちにソロバンで天を計ることができる人がいる。」と言って、噂を流したら、「いくら何でもそんなことはできないでしょう。」と言われたので、それじゃあ天を計ろうということになり、ソロバンをパチパチ弾いて、「いくらいくらあります。」と言っては、また計って、「まちがいないです。」と言った。またも、天は何十何万何千何百何十間等々とかの話が出た。そして、そのあと、「これが言うのは誰も分からないし、合点がいかないから、どうでしょうか、もう一回試してみることにして、これが座る畳の下に一寸八分ある板を挟んで、そのうえで、もう一回計らしてみて、これが嘘を言っているかどうか試してみよう。」と言った。そしたら、そのあと、また、「今日の天の高さはいくらあるか、天宮城、おまえ計ってみないか。」と言ったから、もう、そのときにはソロバンを弾いては、「珍しいことですね。」と言っては、頭をひねったりしたので、「どうしたんだね。」と聞くと、またもソロバンを弾いたりした。そして、「昨日、一昨日の天と今日の天は、ソロバンの玉に差が出ています。天は、昨日も今日もいつも同じ高さだと思っていたのですが、珍しいこともあるものです。」と言った。「どうしたのだ。」と聞くと、「もう、なにも言えません。」と言ったので、問い詰められ、「ソロバンを弾いてどんなに計っても一寸八分の差が出ていますが。」と言った。「天の高さを計るというのは、嘘ではない、天宮城は正直だ。」と。畳の下に一寸八分の板を挟んであるので、その分の違いが出たのである。「これは計れないです。天は、昨日も今日も同じ高さだと思うのですが、今日は、このように高さが変わっていて、言えません。」と言って、頭をひねったりした。それは、天宮城が座っている畳の下に、一寸八分の板を挟んであるから、昨日の天と今日の天に一寸八分の差がでたもので、「これほど差があるなんてとても珍しい、これは私のソロバンが間違っているのかもしれません。」と言ったから、「いいよ、あんたが計ったのは当っているよ。」おっしゃったって。これが天宮城。 |
| 全体の記録時間数 | 3:30 |
| 物語の時間数 | 3:30 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |