では、海のマギムン(大物)について、ひとつ話してみましょう。海のマギムンは、みなさんご存知のようにクジラだと私も思っていましたが、クジラよりもっと大きいというたとえから、まず、話してみましょう。ある日のこと、ある人が海に泳ぎに行くと、突然、海からクジラが出て来て、潮水と一緒に人を丸飲みしてしまった。そしてすぐまた、潮水と一緒に空中に吹き上げられて、そうして海に戻されたので用心しながら、「ウネヒャー助かった。幸運だった。」と思っているところに、カニなのだが、カニが来たのだが、その人には岩や陸に思えたのでしょう、上がってみると、やはり大きかった。それでも、クジラが一番大きいと思っているので、カニは二番目に大きいということであった。で、「やっぱり、クジラは大きいなあ。」と、クジラをほめたので、「おまえは、かんべんならん。私の背中に登っていながら、おまえはクジラをほめるが、海の大物はカニだよ。」と、カニが潜ってしまったので、また、海中で潮を飲みながら漂った。そうして、長い間漂っているうちに、そばに非常に大きな家があったので、「ああ、私は何と運がいいんだ、この家で少し避難していこう。」と中に入って行くと、そこは、窪んでいるところと尖っているところがあって、窪んでいるところに指を入れてほじくったり、尖ったところを爪でつねったりしたら、「誰だ、人のホーミー(陰部)に入っていながら、あっちこっちほじくったり、つねったりしているのは。」と言ったので、「私は、人の家だと思って入ったのですが、どなたですか。」と聞いたら、「私は、カマンタ(えい)だよ。」と、海のカマンタが言った。それで、海の大物はカマンタ。二番大物はカニということになった。一番の大物はクジラだと思っていたのだが。また、私のこの話が出ない前、別の人の話では、「私が思うには、海の大物はカマンタである。カマンタのホーの中は、たくさんの人たちが出たり入ったり、休んだりできるくらいの大きさだから。ホーでさえこんなに大きいのだから、胴体はどんなに大きいかしれないねえ。やはり、海の大物はカマンタだよ。」という話であった。
| レコード番号 | 47O421830 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C056 |
| 決定題名 | 海の大物(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 海のマギムン |
| 話者名 | 福原兼良 |
| 話者名かな | ふくはらけんりょう |
| 生年月日 | 18990118 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市安慶名 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T51 B6 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 動物昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下638頁 |
| キーワード | 海,大物,クジラ,カニ,カマンタ |
| 梗概(こうがい) | では、海のマギムン(大物)について、ひとつ話してみましょう。海のマギムンは、みなさんご存知のようにクジラだと私も思っていましたが、クジラよりもっと大きいというたとえから、まず、話してみましょう。ある日のこと、ある人が海に泳ぎに行くと、突然、海からクジラが出て来て、潮水と一緒に人を丸飲みしてしまった。そしてすぐまた、潮水と一緒に空中に吹き上げられて、そうして海に戻されたので用心しながら、「ウネヒャー助かった。幸運だった。」と思っているところに、カニなのだが、カニが来たのだが、その人には岩や陸に思えたのでしょう、上がってみると、やはり大きかった。それでも、クジラが一番大きいと思っているので、カニは二番目に大きいということであった。で、「やっぱり、クジラは大きいなあ。」と、クジラをほめたので、「おまえは、かんべんならん。私の背中に登っていながら、おまえはクジラをほめるが、海の大物はカニだよ。」と、カニが潜ってしまったので、また、海中で潮を飲みながら漂った。そうして、長い間漂っているうちに、そばに非常に大きな家があったので、「ああ、私は何と運がいいんだ、この家で少し避難していこう。」と中に入って行くと、そこは、窪んでいるところと尖っているところがあって、窪んでいるところに指を入れてほじくったり、尖ったところを爪でつねったりしたら、「誰だ、人のホーミー(陰部)に入っていながら、あっちこっちほじくったり、つねったりしているのは。」と言ったので、「私は、人の家だと思って入ったのですが、どなたですか。」と聞いたら、「私は、カマンタ(えい)だよ。」と、海のカマンタが言った。それで、海の大物はカマンタ。二番大物はカニということになった。一番の大物はクジラだと思っていたのだが。また、私のこの話が出ない前、別の人の話では、「私が思うには、海の大物はカマンタである。カマンタのホーの中は、たくさんの人たちが出たり入ったり、休んだりできるくらいの大きさだから。ホーでさえこんなに大きいのだから、胴体はどんなに大きいかしれないねえ。やはり、海の大物はカマンタだよ。」という話であった。 |
| 全体の記録時間数 | 3:43 |
| 物語の時間数 | 3:43 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |