野村親方は王様のお気に入りの部下だった。身分はとても違うけど、碁を打つときは必ず野村を呼んだ。そして、負けた者は酒を飲まなければならなかった。碁を打ち、王様が負けたので、野村は王様の髭をつかんで、「ハイサイ。」と言って酒を差しあげた。これを見た側にいる高官の連中が、「お前は、王様の口の髭をつかんで酒を注いでいるが大変無礼なこと。」と野村にいった。野村は、そうかと言って、その翌日、碁の相手として呼ばれ、王様が野村早くここに来なさい、今日も碁を打とうといわれたが、「恐れ入ります。」といって、四、五間ばかり離れた場所から最敬礼して、正座して頭を地につけ、一目さしては四、五間さがり、また一目さしては四、五間さがっていた。碁はお互いに向かいあって打ってこそ楽しいもの。これでは王様もおもしろくない。「野村、どうしてお前は、今までと違った変なやり方をするのだ。」といわれた。そこで野村は、「実は私が王様と相対面し、碁を打つことは無礼なことです。高位高官のみなさんがお前はこのままではすまされないといわれ、こうしている次第です。」と答えた。王様は、「かまわん、一緒に打て。」と言われた。「よろしいのですか。」と許しを得て、それからは今まで通り碁を打ち、王様は負けた。それでまた、もとのとおり髭をつかまえて、「ハイサイ。」と言って酒を口の中につぎこんだ。
| レコード番号 | 47O421818 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C056 |
| 決定題名 | 野村親方 碁(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 和宇慶朝伝 |
| 話者名かな | わうけちょうでん |
| 生年月日 | 19060329 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市米原 |
| 記録日 | 19800804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T51 A8 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 笑話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | ふるさとの昔ばなし167頁 通観693頁 |
| キーワード | 王様,野村親方,碁,ハイサイ,高官,酒,ヒゲ, |
| 梗概(こうがい) | 野村親方は王様のお気に入りの部下だった。身分はとても違うけど、碁を打つときは必ず野村を呼んだ。そして、負けた者は酒を飲まなければならなかった。碁を打ち、王様が負けたので、野村は王様の髭をつかんで、「ハイサイ。」と言って酒を差しあげた。これを見た側にいる高官の連中が、「お前は、王様の口の髭をつかんで酒を注いでいるが大変無礼なこと。」と野村にいった。野村は、そうかと言って、その翌日、碁の相手として呼ばれ、王様が野村早くここに来なさい、今日も碁を打とうといわれたが、「恐れ入ります。」といって、四、五間ばかり離れた場所から最敬礼して、正座して頭を地につけ、一目さしては四、五間さがり、また一目さしては四、五間さがっていた。碁はお互いに向かいあって打ってこそ楽しいもの。これでは王様もおもしろくない。「野村、どうしてお前は、今までと違った変なやり方をするのだ。」といわれた。そこで野村は、「実は私が王様と相対面し、碁を打つことは無礼なことです。高位高官のみなさんがお前はこのままではすまされないといわれ、こうしている次第です。」と答えた。王様は、「かまわん、一緒に打て。」と言われた。「よろしいのですか。」と許しを得て、それからは今まで通り碁を打ち、王様は負けた。それでまた、もとのとおり髭をつかまえて、「ハイサイ。」と言って酒を口の中につぎこんだ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:06 |
| 物語の時間数 | 4:06 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |