ちょうめいくらべ
唐の猿と沖縄の猿、大和の猿の三名は友だちだったらしい。散歩していると、にぎりめしを一個捜したらしい。そうしたら、三匹で捜したので、沖縄の猿が、「三匹で分けて食べよう。」と言った。そうしたら、唐の猿が、「物を喰うのは年上からと言われているので、年上から先に食べることにしよう。」と言ったわけ。そしたら、また、「大和の猿は、どう思うか。」と聞いたら、「そうだ、年上から食べるものだよ。」と言ったらしい。「それじゃ、唐の猿はいくつになるのか。」と聞いたら、「私は自分の年は分からない。私が生まれたときには、天と地はくっついていたんだ。」と言ったわけ。そうしたら、また、「それじゃ、大和の猿はいくつなるのか。」と聞いたら、「さあ、私も年は分からない。私が生まれたときは海の潮はアファケー(貝殻)のいっぱいしかなかった。」と言ったわけ。そうしたら、「さあ次は、沖縄の猿の番だ。」と言ったら、もう言うことがなくなってしまい、「どうしよう、このにぎりめしは食べられてしまうね。」と言って、心配したみたいね。食べられてしまうと泣いたわけ。「二匹に食べられてしまって、私は食べ損じてしまう。」と泣いたら、「なんで、おまえは泣くのか、早く言わんか言わんか。」と言われたので、「アイエー、私の孫がおれば、おまえたちと同じ年なんだがな。」と言って、泣いたわけ。孫を引き合いに出したものだから、結局、沖縄の猿がにぎりめしを食べることになったって。
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レコード番号 | 47O421798 |
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CD番号 | 47O42C055 |
決定題名 | 長命比べ(シマグチ) |
話者がつけた題名 | - |
話者名 | 古謝振裕 |
話者名かな | こじゃしんゆう |
生年月日 | 19080605 |
性別 | 男 |
出身地 | 具志川市西原 |
記録日 | 19800801 |
記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
元テープ番号 | - |
元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
分類 | 動物昔話 |
発句(ほっく) | くれー |
伝承事情 | 雨降りや祝の席などに聞いた |
文字化資料 | 具志川市史第3巻下46頁 通観821頁 具志川の民話ふるさとの昔ばなし199頁 |
キーワード | 唐,大和,沖縄,猿,握り飯,孫 |
梗概(こうがい) | 唐の猿と沖縄の猿、大和の猿の三名は友だちだったらしい。散歩していると、にぎりめしを一個捜したらしい。そうしたら、三匹で捜したので、沖縄の猿が、「三匹で分けて食べよう。」と言った。そうしたら、唐の猿が、「物を喰うのは年上からと言われているので、年上から先に食べることにしよう。」と言ったわけ。そしたら、また、「大和の猿は、どう思うか。」と聞いたら、「そうだ、年上から食べるものだよ。」と言ったらしい。「それじゃ、唐の猿はいくつになるのか。」と聞いたら、「私は自分の年は分からない。私が生まれたときには、天と地はくっついていたんだ。」と言ったわけ。そうしたら、また、「それじゃ、大和の猿はいくつなるのか。」と聞いたら、「さあ、私も年は分からない。私が生まれたときは海の潮はアファケー(貝殻)のいっぱいしかなかった。」と言ったわけ。そうしたら、「さあ次は、沖縄の猿の番だ。」と言ったら、もう言うことがなくなってしまい、「どうしよう、このにぎりめしは食べられてしまうね。」と言って、心配したみたいね。食べられてしまうと泣いたわけ。「二匹に食べられてしまって、私は食べ損じてしまう。」と泣いたら、「なんで、おまえは泣くのか、早く言わんか言わんか。」と言われたので、「アイエー、私の孫がおれば、おまえたちと同じ年なんだがな。」と言って、泣いたわけ。孫を引き合いに出したものだから、結局、沖縄の猿がにぎりめしを食べることになったって。 |
全体の記録時間数 | 1:47 |
物語の時間数 | 1:47 |
言語識別 | 方言 |
音源の質 | ◎ |
テープ番号 | - |
予備項目1 | - |