雷と水の運定め(共通語)

概要

二人の若者がいました。一人は雷に襲われて死ぬ運命。一人は水におぼれて死ぬ運命だったそうです。で、雷に襲われて死ぬ人は、「どうせ私は死ぬんだから、あの、雷に難儀させないために、山の上に行って、雷を楽にさせて私は死にましょう。」と言って、弁当も持って家から出た。途中で、田んぼに稲がたくさん生えているところに、牛が来て、稲を喰いつくしていました。これをもったいないと思って、この牛を野原に連れて行きました。また少し行ったら、そこにみすぼらしい老人が、ひもじそうな顔して座っていました。この人に、「どうしたのですか。」と聞いたら、「私はひもじくてたまらない。一歩も歩くことができない。」と言いました。この人は、「ここに弁当がある、私は死にに行くんだから、腹をすかしても何でもない。あなたにこの弁当をあげましょう。」と言って、弁当をあげました。で、この人はゆっくりゆっくり山の上に登って行って、山の上で目をつぶって、しばらくたってから、目を開けてみたらおじいさんが座っていました。おじいさんに、「なんですか、あなたは。」と言ったら、おじいさんがこの人に、「なぜあんたはこの山の上に座っているか。」と言ったら、「私は今日は雷に襲われて死ぬ運命ですから、それだったら雷を難儀させないために、私はこの山の上に登って来ました。」と言ったら、「君は本当に美しい心を持っているのだね。先ほどのみすぼらしいおじいさんは私である。私がこの神の使いであるから、あなたの命も永らえてあげよう。」と言って、長いこと生きて幸せに暮らしました。この人のことはこれだけ。また、水におぼれて死ぬ運命の人は、「もう今日は大変だから、少しでも水に近づいてはいけない。家から出たら大変だ。」と言って、二階の部屋で襖で囲いをして、みんなでこの人を守っていました。守っていたけれども、屏風には川があって、水の流れる絵がありました。この絵を顔にあてて死んでしまったって。これだけです。

再生時間:2:51

民話詳細DATA

レコード番号 47O421784
CD番号 47O42C055
決定題名 雷と水の運定め(共通語)
話者がつけた題名
話者名 石原ヤス
話者名かな いしはらやす
生年月日 190812015
性別
出身地 名護市
記録日 19800809
記録者の所属組織 沖縄口承文芸調査団
元テープ番号 具志川市T49 B20
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 具志川市史第3巻下196頁 具志川市の民話ふるさとの昔ばなし127頁
キーワード 雷,運命,水,稲,牛,老人,弁当,屏風,川の絵
梗概(こうがい) 二人の若者がいました。一人は雷に襲われて死ぬ運命。一人は水におぼれて死ぬ運命だったそうです。で、雷に襲われて死ぬ人は、「どうせ私は死ぬんだから、あの、雷に難儀させないために、山の上に行って、雷を楽にさせて私は死にましょう。」と言って、弁当も持って家から出た。途中で、田んぼに稲がたくさん生えているところに、牛が来て、稲を喰いつくしていました。これをもったいないと思って、この牛を野原に連れて行きました。また少し行ったら、そこにみすぼらしい老人が、ひもじそうな顔して座っていました。この人に、「どうしたのですか。」と聞いたら、「私はひもじくてたまらない。一歩も歩くことができない。」と言いました。この人は、「ここに弁当がある、私は死にに行くんだから、腹をすかしても何でもない。あなたにこの弁当をあげましょう。」と言って、弁当をあげました。で、この人はゆっくりゆっくり山の上に登って行って、山の上で目をつぶって、しばらくたってから、目を開けてみたらおじいさんが座っていました。おじいさんに、「なんですか、あなたは。」と言ったら、おじいさんがこの人に、「なぜあんたはこの山の上に座っているか。」と言ったら、「私は今日は雷に襲われて死ぬ運命ですから、それだったら雷を難儀させないために、私はこの山の上に登って来ました。」と言ったら、「君は本当に美しい心を持っているのだね。先ほどのみすぼらしいおじいさんは私である。私がこの神の使いであるから、あなたの命も永らえてあげよう。」と言って、長いこと生きて幸せに暮らしました。この人のことはこれだけ。また、水におぼれて死ぬ運命の人は、「もう今日は大変だから、少しでも水に近づいてはいけない。家から出たら大変だ。」と言って、二階の部屋で襖で囲いをして、みんなでこの人を守っていました。守っていたけれども、屏風には川があって、水の流れる絵がありました。この絵を顔にあてて死んでしまったって。これだけです。
全体の記録時間数 2:51
物語の時間数 2:51
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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