夫が畑に行ったら、妻は家で美味しいものを煮て食べていた。夫が鍬を振り落ろすたびに、「おまえがそんなに働いてもいつもピーピー貧乏で、裕福になれるものか。」と言うものがいる。あちこち見ても人はいないさあ。そうして、また鍬を振り落ろすと、また、「そんなに働いても、いつでもピーピーだよ。」と。不思議に思っていると、墓口に蝸牛がいたって。「おい、蝸牛、『そんなに働いても食べてしまう者がいるから、おまえの家庭はやっていけないよ、いつもピーピーさあ』と言ったりしたのは、おまえなのか。」と言ったら、「私だよ。」と。「それじゃ、どうしたら、裕福に暮らせるかね。」と聞いたら、「私を家の軒下に置きなさい、治してやるから。」と。そうして、その蝸牛を家に持って行き、夫は畑に出た。妻が食べ物を自分一人で食べようとしたら、「おい、待っておけ。やがて、夫が来るよ。そのときに一緒に食べなさい。」と言うものがいる。「あれ、不思議なことだね。」と、目をキョロキョロさせて、屋敷の周囲を歩いても誰もいない。また、食べようとすると、またも、「おい、待っておけ。やがて夫が来るから一緒に食べなさい。」と。そうしている間に夫が帰って来た。妻が夫に、「私に、『夫が来てから一緒に食べなさい』と言うものがいるよ。」と話したら、「そうか、私が畑を耕すたびに、『おまえが働いても、家で食べてしまうのがいるよ』と言ったりする蝸牛がいたが、そいつだよ。」と妻に見せた。その後からは、妻のガチマヤー(食いしん坊)は治って生活しやすくなったって。
| レコード番号 | 47O421168 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C036 |
| 決定題名 | ものいうカタツムリ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 知念ハル |
| 話者名かな | ちねんはる |
| 生年月日 | 19070104 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 具志川市宇堅 |
| 記録日 | 19800801 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T35 A17 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | いとこの安慶名カマドさんより |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下444頁 通観579頁 |
| キーワード | 大食いの妻,夫,畑,鍬,チンナマー,雨だれ, |
| 梗概(こうがい) | 夫が畑に行ったら、妻は家で美味しいものを煮て食べていた。夫が鍬を振り落ろすたびに、「おまえがそんなに働いてもいつもピーピー貧乏で、裕福になれるものか。」と言うものがいる。あちこち見ても人はいないさあ。そうして、また鍬を振り落ろすと、また、「そんなに働いても、いつでもピーピーだよ。」と。不思議に思っていると、墓口に蝸牛がいたって。「おい、蝸牛、『そんなに働いても食べてしまう者がいるから、おまえの家庭はやっていけないよ、いつもピーピーさあ』と言ったりしたのは、おまえなのか。」と言ったら、「私だよ。」と。「それじゃ、どうしたら、裕福に暮らせるかね。」と聞いたら、「私を家の軒下に置きなさい、治してやるから。」と。そうして、その蝸牛を家に持って行き、夫は畑に出た。妻が食べ物を自分一人で食べようとしたら、「おい、待っておけ。やがて、夫が来るよ。そのときに一緒に食べなさい。」と言うものがいる。「あれ、不思議なことだね。」と、目をキョロキョロさせて、屋敷の周囲を歩いても誰もいない。また、食べようとすると、またも、「おい、待っておけ。やがて夫が来るから一緒に食べなさい。」と。そうしている間に夫が帰って来た。妻が夫に、「私に、『夫が来てから一緒に食べなさい』と言うものがいるよ。」と話したら、「そうか、私が畑を耕すたびに、『おまえが働いても、家で食べてしまうのがいるよ』と言ったりする蝸牛がいたが、そいつだよ。」と妻に見せた。その後からは、妻のガチマヤー(食いしん坊)は治って生活しやすくなったって。 |
| 全体の記録時間数 | 3:34 |
| 物語の時間数 | 3:34 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |