きれいな男が毎晩忍んで来て、その男は女を惑わして手込めにしたわけさ。その男が、どこから来たのかさっぱり分からん。住所も分からなくてね。そうこうしているうちに、男がその家の女の座敷に、毎晩出入りするようになったので、親は、「おまえのところに来る男は、どこから来ている者かをたずねてみなさい。」と言った。「この男がどこから来たのか分からない。ただ、ここに来るので仲良しになっただけで、居所も何も知らない。」と言う。そうしたら、親が、「その男がどこから来たのか分からないなら、籠のいっぱい紡いである芭蕉糸を針に通して、それを男の着物の裾に刺して帰し、そのあとを追って居所を確かめなさい。」と言った。言われた通りに、男の後を追って行ったら洞窟に入って行ったって。岩の下に入って行ったって。そこに入って行ったら、その友人なのか、そこに一緒に住んでいるアカマターなのか、それが、「おまえは、毎晩、どこに出かけて行くのか。」と聞いたから、「私は、種を落として来たんだよ。女を惑わして種を落として来たんだよ。」と言った。すると、一人の者が、「おまえは、女を惑わして種を落としたと言ってもね、三月三日に海で砂を踏んだら、その身ごもっている子は堕りてしまうのにね。」と言った。それを追って行った人がそばで聞いて、惑わされた女に教え、女は三月三日を待って、海に行き砂を踏んでアカマターの子を堕ろしたという、その話があったよ。それから、三月三日になると、女は海で砂を踏むものだといわれ、私は子どものころには、海に行ったりしたよ。昔の伝え話さ。
| レコード番号 | 47O421142 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C036 |
| 決定題名 | 蛇婿入り 苧環型 浜下り(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 仲宗根ウト |
| 話者名かな | なかそねうと |
| 生年月日 | 19091120 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 具志川市仲嶺 |
| 記録日 | 19800808 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T34 A11 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下63頁 |
| キーワード | 芭蕉糸,きれいな男,着物の裾,アカマタ,ガマ,三月三日,海,浜,砂, |
| 梗概(こうがい) | きれいな男が毎晩忍んで来て、その男は女を惑わして手込めにしたわけさ。その男が、どこから来たのかさっぱり分からん。住所も分からなくてね。そうこうしているうちに、男がその家の女の座敷に、毎晩出入りするようになったので、親は、「おまえのところに来る男は、どこから来ている者かをたずねてみなさい。」と言った。「この男がどこから来たのか分からない。ただ、ここに来るので仲良しになっただけで、居所も何も知らない。」と言う。そうしたら、親が、「その男がどこから来たのか分からないなら、籠のいっぱい紡いである芭蕉糸を針に通して、それを男の着物の裾に刺して帰し、そのあとを追って居所を確かめなさい。」と言った。言われた通りに、男の後を追って行ったら洞窟に入って行ったって。岩の下に入って行ったって。そこに入って行ったら、その友人なのか、そこに一緒に住んでいるアカマターなのか、それが、「おまえは、毎晩、どこに出かけて行くのか。」と聞いたから、「私は、種を落として来たんだよ。女を惑わして種を落として来たんだよ。」と言った。すると、一人の者が、「おまえは、女を惑わして種を落としたと言ってもね、三月三日に海で砂を踏んだら、その身ごもっている子は堕りてしまうのにね。」と言った。それを追って行った人がそばで聞いて、惑わされた女に教え、女は三月三日を待って、海に行き砂を踏んでアカマターの子を堕ろしたという、その話があったよ。それから、三月三日になると、女は海で砂を踏むものだといわれ、私は子どものころには、海に行ったりしたよ。昔の伝え話さ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:25 |
| 物語の時間数 | 4:25 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |