昔、とても尾類好みがいたようですが、ゴボウを作りがとても上手で、那覇にゴボウを売りに行くたびに、売ったお金は、辻で尾類を呼んですべて使い果たして、家には持って来ないでいた。妻は、「もう、これではやっていけない。」と考え、夫の大事なところの先っちょに墨でゴボウをかついでいる姿を書いて行かせたようです。妻は絵が上手で、それで絵を描いてあるが、もしそれがおちていたら、あなたは確かに尾類を呼んで、尾類と使ったという証拠だからと、ゴボウを担いでいる姿を男性の道具(男根)の先に書いて行かせたようです。そうして、今日は変なことをされてしまったなと思っていたが、妻にたしなめられ、
「絵を書いてあるので、もし絵がはげていたら、尾類遊びをやった証拠だから、簡単に許すわけにはいかないよ。」と言われ、辻に行っても、「今日は、『尾類遊びをやったら許さないよ』と言われているので、早めに帰らんといかんな。」と思いつつ、ゴボウを売ったお金はひっさげて辻に行った。だが、入りたくて仕方がない。いつも行っている尾類が待ちかねているような気がして、とうとう、「アッサミヒャー、なるようになれ。」と言って、入って行ったら、尾類も喜んでくれた。「今日はお茶だけ飲んで帰ろうね。私は妻と約束をして、妻が、ほらここに絵も描いてあるから、これを使ってはげてしまったのでは大変なことになるから。」と言ったので、「どうぞ心配なさいますな。あなたの奥様より、私は絵を描くのが上手ですから、それに描いてあるとおり、りっぱに描いて帰してあげますので、必ず楽しんでから帰ってください。泊まってくださいませ。」と言われ、「それなら、そうするか。」と言って、やってしまった。すると、やはり描いた絵ははげてしまって、男はうふとぅるばい(とても落胆)していると、「どうして、そんなに落胆しているのか。」と、尾類がたずねると、「ほら、言ったとおりすっかりはげてしまったじゃないか。」「それは心配なさいますな。どれどれ描いてさしあげましょう。」と言って、モッコにゴボウを入れて棒で担いでいる姿を描いて、「いかがですか。」と言うと、「これはこれは、おまえも上手だ。そっくりだよ。よし、これで心配することはないな。」と言って帰った。妻のまえで、「どうだ、ここは今日は使ってないぞ、そっくりそのまま、おまえが描いたままに帰って来たよ。」と言ったら、「どれどれ、見てみよう。」と言って検査をしたところ、妻は、「ああ、違っている、違っている。」と。「何が違っているのか。」と聞くと、「大きく違っている。私は右の肩に担がせて行かせたのに、ほら、これは左の肩に担いでいるさ。これはまちがいなく描き直してあるね。」と言ったので、スー(夫)も知恵があるので、「なんで、あんな遠い那覇まで行くのに、おまえねぇ疲れたら、右肩、左肩と代り番こに担ぐだろうが。」と言ったそうだ。
| レコード番号 | 47O421042 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C033 |
| 決定題名 | もっこ担ぎ(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 徳村政伸 |
| 話者名かな | とくむらせいしん |
| 生年月日 | 19100321 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 那覇市首里 |
| 記録日 | 19800805 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T31 A6 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 艶笑譚 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下793頁 通観727頁 |
| キーワード | 尾類,ごぼう,墨,絵,辻, |
| 梗概(こうがい) | 昔、とても尾類好みがいたようですが、ゴボウを作りがとても上手で、那覇にゴボウを売りに行くたびに、売ったお金は、辻で尾類を呼んですべて使い果たして、家には持って来ないでいた。妻は、「もう、これではやっていけない。」と考え、夫の大事なところの先っちょに墨でゴボウをかついでいる姿を書いて行かせたようです。妻は絵が上手で、それで絵を描いてあるが、もしそれがおちていたら、あなたは確かに尾類を呼んで、尾類と使ったという証拠だからと、ゴボウを担いでいる姿を男性の道具(男根)の先に書いて行かせたようです。そうして、今日は変なことをされてしまったなと思っていたが、妻にたしなめられ、 「絵を書いてあるので、もし絵がはげていたら、尾類遊びをやった証拠だから、簡単に許すわけにはいかないよ。」と言われ、辻に行っても、「今日は、『尾類遊びをやったら許さないよ』と言われているので、早めに帰らんといかんな。」と思いつつ、ゴボウを売ったお金はひっさげて辻に行った。だが、入りたくて仕方がない。いつも行っている尾類が待ちかねているような気がして、とうとう、「アッサミヒャー、なるようになれ。」と言って、入って行ったら、尾類も喜んでくれた。「今日はお茶だけ飲んで帰ろうね。私は妻と約束をして、妻が、ほらここに絵も描いてあるから、これを使ってはげてしまったのでは大変なことになるから。」と言ったので、「どうぞ心配なさいますな。あなたの奥様より、私は絵を描くのが上手ですから、それに描いてあるとおり、りっぱに描いて帰してあげますので、必ず楽しんでから帰ってください。泊まってくださいませ。」と言われ、「それなら、そうするか。」と言って、やってしまった。すると、やはり描いた絵ははげてしまって、男はうふとぅるばい(とても落胆)していると、「どうして、そんなに落胆しているのか。」と、尾類がたずねると、「ほら、言ったとおりすっかりはげてしまったじゃないか。」「それは心配なさいますな。どれどれ描いてさしあげましょう。」と言って、モッコにゴボウを入れて棒で担いでいる姿を描いて、「いかがですか。」と言うと、「これはこれは、おまえも上手だ。そっくりだよ。よし、これで心配することはないな。」と言って帰った。妻のまえで、「どうだ、ここは今日は使ってないぞ、そっくりそのまま、おまえが描いたままに帰って来たよ。」と言ったら、「どれどれ、見てみよう。」と言って検査をしたところ、妻は、「ああ、違っている、違っている。」と。「何が違っているのか。」と聞くと、「大きく違っている。私は右の肩に担がせて行かせたのに、ほら、これは左の肩に担いでいるさ。これはまちがいなく描き直してあるね。」と言ったので、スー(夫)も知恵があるので、「なんで、あんな遠い那覇まで行くのに、おまえねぇ疲れたら、右肩、左肩と代り番こに担ぐだろうが。」と言ったそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 3:39 |
| 物語の時間数 | 3:39 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |