ムーチーの由来の話ですが。昔、首里の金城に兄妹二人いたそうですが、上は男、下は女。それで、この女は夫を持って子も生んでいたそうですが、年上の男は鬼になって、ずっと首里から遠い洞窟に住んでいた。みんなの話が、「あんたの兄は鬼になって人を喰うという話があるが。」と言って、聞かされたので、妹は、「これは、一大事なことになった。」と思い、この兄のいる洞窟に行ったところ、やっぱり人の骨がたくさんあって、「これはまちがいない。世の中の噂の通り鬼になっているね。私もここにいたら、喰われてしまうかもしれない。」と言って、逃げようとしたら、急に兄が飛び出してきた。「何で、おまえは来ているのに休んで行きなさい。」と言って、やっぱり、自分の妹も殺して喰うつもりだったのか、「休め、休め。」と言った。この妹は急に思いついて、子供をつねって泣かした。「何で、この子どもは泣くか。」と言ったから、「この子は、うんこしたいと泣いているから。」「じゃあ、ここでやらせろ。」と言った。「この子は人の前ではやらないよ、遠く人の見えないところでしかやらないよ。」と言って、逃げる考えだから遠くに行こうとした。「おまえは、逃げるかもしれないから。」と言って、兄は妹の帯に綱を縛って行かせたので、妹はこれを木に縛って逃げた。兄の方で引っ張ると少しはしなるから、まだいると思っているが、いつまで経っても来ないので行ってみると、すでにいない。兄は怒っていた。妹は、「兄は今頃、私が逃げてきたから怒って、家まで押しかけてくるはずね。」と言って、「私の兄はとても餅が好物だったから、知恵を出して、あれが食べる餅の中には鉄を込めて作っておいて、自分が食べるのは鉄は入れないでおこう。」と考えた。すると、妹が考えたとおり、「なんで、おまえは逃げたか。」と言って、兄が怒って自分の家に来たので、妹は、「入って兄さん。」と言って、中に入れて、「これ、あんたが一番好きな餅だよ、たくさん食べて。」と言って、兄の前には、鉄を入れてある餅を作って、自分のものはそのままの餅作っておいて、二人食べだしたら、兄の餅には鉄が入っているからなかなか食べられない、この妹はどんどん食べたから、そのときは、この妹はパンツをはかないで、そのまま座っていたそうだが、この兄が、「おまえのこの下は、何か。」と妹に言ったから、妹が、「上は餅を食べる口、下は鬼を食べる口。」と言ったから、自分も鬼と分かっていたかは分からんが、「こんなに、おれが餅を食べようとしてもたべられないが、あれが餅をたべるものは、鬼喰う口があるからだ。私はこの口に喰われてしまう。」と驚いて、慌てて逃げようとしたら、崖から落ちた。そうして、上から湯をかけて、妹が殺したとのこと。それで、この餅の煮汁で鬼の足を焼くとか、餅の煮汁をかけるものだと、昔からの伝えになって、それで、これがヤナムン(悪い物)を払うために餅は初めて作って、軒下に十字に縛って吊るすことになったと、この話が昔からの伝えとして残っています。
| レコード番号 | 47O420979 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C030 |
| 決定題名 | 鬼餅由来(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | ムーチーの由来記 |
| 話者名 | 翁長維行 |
| 話者名かな | おながいこう |
| 生年月日 | 19180411 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市西原 |
| 記録日 | 19800801 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T29 A1 |
| 元テープ管理者 | 伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | ムーチーの由来記ですが |
| 伝承事情 | 父親から |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下490頁 具志川市の民話ふるさとの昔ばなし111頁 通観144頁 |
| キーワード | ムーチー,首里金城,兄は鬼,人喰い,妹,便所,帯,綱,餅,金物,鬼喰う口, |
| 梗概(こうがい) | ムーチーの由来の話ですが。昔、首里の金城に兄妹二人いたそうですが、上は男、下は女。それで、この女は夫を持って子も生んでいたそうですが、年上の男は鬼になって、ずっと首里から遠い洞窟に住んでいた。みんなの話が、「あんたの兄は鬼になって人を喰うという話があるが。」と言って、聞かされたので、妹は、「これは、一大事なことになった。」と思い、この兄のいる洞窟に行ったところ、やっぱり人の骨がたくさんあって、「これはまちがいない。世の中の噂の通り鬼になっているね。私もここにいたら、喰われてしまうかもしれない。」と言って、逃げようとしたら、急に兄が飛び出してきた。「何で、おまえは来ているのに休んで行きなさい。」と言って、やっぱり、自分の妹も殺して喰うつもりだったのか、「休め、休め。」と言った。この妹は急に思いついて、子供をつねって泣かした。「何で、この子どもは泣くか。」と言ったから、「この子は、うんこしたいと泣いているから。」「じゃあ、ここでやらせろ。」と言った。「この子は人の前ではやらないよ、遠く人の見えないところでしかやらないよ。」と言って、逃げる考えだから遠くに行こうとした。「おまえは、逃げるかもしれないから。」と言って、兄は妹の帯に綱を縛って行かせたので、妹はこれを木に縛って逃げた。兄の方で引っ張ると少しはしなるから、まだいると思っているが、いつまで経っても来ないので行ってみると、すでにいない。兄は怒っていた。妹は、「兄は今頃、私が逃げてきたから怒って、家まで押しかけてくるはずね。」と言って、「私の兄はとても餅が好物だったから、知恵を出して、あれが食べる餅の中には鉄を込めて作っておいて、自分が食べるのは鉄は入れないでおこう。」と考えた。すると、妹が考えたとおり、「なんで、おまえは逃げたか。」と言って、兄が怒って自分の家に来たので、妹は、「入って兄さん。」と言って、中に入れて、「これ、あんたが一番好きな餅だよ、たくさん食べて。」と言って、兄の前には、鉄を入れてある餅を作って、自分のものはそのままの餅作っておいて、二人食べだしたら、兄の餅には鉄が入っているからなかなか食べられない、この妹はどんどん食べたから、そのときは、この妹はパンツをはかないで、そのまま座っていたそうだが、この兄が、「おまえのこの下は、何か。」と妹に言ったから、妹が、「上は餅を食べる口、下は鬼を食べる口。」と言ったから、自分も鬼と分かっていたかは分からんが、「こんなに、おれが餅を食べようとしてもたべられないが、あれが餅をたべるものは、鬼喰う口があるからだ。私はこの口に喰われてしまう。」と驚いて、慌てて逃げようとしたら、崖から落ちた。そうして、上から湯をかけて、妹が殺したとのこと。それで、この餅の煮汁で鬼の足を焼くとか、餅の煮汁をかけるものだと、昔からの伝えになって、それで、これがヤナムン(悪い物)を払うために餅は初めて作って、軒下に十字に縛って吊るすことになったと、この話が昔からの伝えとして残っています。 |
| 全体の記録時間数 | 6:19 |
| 物語の時間数 | 6:19 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |