馬に鞍・栗・シーグ竹=これは首里の士族の按司の息子で、たぶん容姿のよい若者がいたんでしょう。その若者は勝連浜川真鍋樽に惚れていた。美しい真鍋樽は、髪の毛が背丈より長くて竿に下げて洗っていたそうで、真鍋樽が髪を洗った井戸は今もあるといわれている。それで、若者が惚れたものだから、美しい真鍋樽は嫁には行かず、婿とりをすることになった。真鍋樽は、「それなら、ここに来るときには、馬二つに鞍を一つ乗せて来るように。」と言って、難題を出した。若者は帰って行き、「馬二つに鞍一つは乗せられない。どうすれば良いのか。」と言って、すごく心労して、隣の年寄りに聞いたらしい。「こういうことなのだが、どうすればよいだろうか。」と聞いたら、「身重の馬に鞍一つを乗せなさい。馬が二頭になったでしょう。」と教えてくれた。若者はとても喜んで、その身重の馬に鞍を一つ乗せて行ったら、真鍋樽は、「ああ、こんなに知恵のある方は。」と言って喜んだ。そうして、「ここにお入りなさい。」と言って、家の中に入れた。すると、そこには粟飯が置かれ、また小刀も竹も置かれていた。そこに置かれてある粟飯は、「哀れして来て、すぐに抱け。」という意味だったらしいのだが、若者はその粟飯を、「食べるものだ。」と思って、小刀で竹を割ってお箸を作り、全部ほおばって食べてしまったって。「こいつは、馬鹿だ。」と。そうして、若者はそこから追い払われた。樽四郎金という人だがね。それから、そこのクバマーシで樽四郎金は切腹して死んだという。そのあとから、ガジュマルを二本植えて、それぞれの枝が伸びて届くと夫婦として出会うって話。
| レコード番号 | 47O420861 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C026 |
| 決定題名 | 難題聟(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | 勝連浜川マナンダルとタルーシラガニー |
| 話者名 | 安座間百才 |
| 話者名かな | あざまひゃくさい |
| 生年月日 | 18940515 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市川田 |
| 記録日 | 19800802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T24 A13 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻下123頁 通観113頁 |
| キーワード | 勝連浜川マナンダル,タルーシルガニー,按司,嫁乞い,馬二頭に倉一つ,粟ご飯,シーグ,竹 |
| 梗概(こうがい) | 馬に鞍・栗・シーグ竹=これは首里の士族の按司の息子で、たぶん容姿のよい若者がいたんでしょう。その若者は勝連浜川真鍋樽に惚れていた。美しい真鍋樽は、髪の毛が背丈より長くて竿に下げて洗っていたそうで、真鍋樽が髪を洗った井戸は今もあるといわれている。それで、若者が惚れたものだから、美しい真鍋樽は嫁には行かず、婿とりをすることになった。真鍋樽は、「それなら、ここに来るときには、馬二つに鞍を一つ乗せて来るように。」と言って、難題を出した。若者は帰って行き、「馬二つに鞍一つは乗せられない。どうすれば良いのか。」と言って、すごく心労して、隣の年寄りに聞いたらしい。「こういうことなのだが、どうすればよいだろうか。」と聞いたら、「身重の馬に鞍一つを乗せなさい。馬が二頭になったでしょう。」と教えてくれた。若者はとても喜んで、その身重の馬に鞍を一つ乗せて行ったら、真鍋樽は、「ああ、こんなに知恵のある方は。」と言って喜んだ。そうして、「ここにお入りなさい。」と言って、家の中に入れた。すると、そこには粟飯が置かれ、また小刀も竹も置かれていた。そこに置かれてある粟飯は、「哀れして来て、すぐに抱け。」という意味だったらしいのだが、若者はその粟飯を、「食べるものだ。」と思って、小刀で竹を割ってお箸を作り、全部ほおばって食べてしまったって。「こいつは、馬鹿だ。」と。そうして、若者はそこから追い払われた。樽四郎金という人だがね。それから、そこのクバマーシで樽四郎金は切腹して死んだという。そのあとから、ガジュマルを二本植えて、それぞれの枝が伸びて届くと夫婦として出会うって話。 |
| 全体の記録時間数 | 3:24 |
| 物語の時間数 | 3:24 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |