十八歳ぐらいのときだったよ。石川の東恩納と栄野比に橋が架かっている。その橋の方から、たいへんきれいな若い女が通って、「貴殿は、何処にいらっしゃるのですか。」と、言った。「私は東恩納に行くのだが。」と答えると、「私も東恩納にですので、道連れにしてください。」と。「それじゃあ、一緒に行こう。」と、話をしながら歩いていたが、ウフンガーラという川のところまで行くと、女はふっと居なくなってしまった。男は、「今まで、話をしながら歩いていたのに居なくなるとは。何だったんだろう。」と、目をきょろきょろさせた。「ああもう、しょうがない。」と、ウフンガーラを渡って行くと、女は向こう岸で立っていた。「君は、私を驚かして。今まで私と話しながら歩いていたのに、どうして君は、ここ居るのか。」と言うと、「実は、私は人間ではありません。」「君は、何なのか。」「私は、火玉。」と言った。火玉だから、水が怖くて、川の上からすっ飛んで行ったわけさ。「そうすると、君は、何の目的で東恩納に行くのか。」と、言うと、「私は、東恩納の当の家の米倉に潜みに。」と。「どうして。」「何月の何日には、私が当の家を火事にするからね。」「本当に君は、火玉なのか。」「私は、火玉なんですよ。」と、きれいな女は言ったわけさ。火玉が言ったとおり、その何月の何日には、当の家は全部燃えてしまったわけさ。 「本当だったんだなあ。」と、驚いたわけさ。
〔
| レコード番号 | 47O420623 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C019 |
| 決定題名 | 東恩納当と火の神の罰(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 金城仁徳 |
| 話者名かな | きんじょうじんとく |
| 生年月日 | 18981210 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 具志川市田場 |
| 記録日 | 19800504 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川市T16 A10 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 具志川市史第3巻上185頁 |
| キーワード | 東恩納,栄野比,橋,道連れ,ウフンガーラ,川,火玉,米倉, |
| 梗概(こうがい) | 十八歳ぐらいのときだったよ。石川の東恩納と栄野比に橋が架かっている。その橋の方から、たいへんきれいな若い女が通って、「貴殿は、何処にいらっしゃるのですか。」と、言った。「私は東恩納に行くのだが。」と答えると、「私も東恩納にですので、道連れにしてください。」と。「それじゃあ、一緒に行こう。」と、話をしながら歩いていたが、ウフンガーラという川のところまで行くと、女はふっと居なくなってしまった。男は、「今まで、話をしながら歩いていたのに居なくなるとは。何だったんだろう。」と、目をきょろきょろさせた。「ああもう、しょうがない。」と、ウフンガーラを渡って行くと、女は向こう岸で立っていた。「君は、私を驚かして。今まで私と話しながら歩いていたのに、どうして君は、ここ居るのか。」と言うと、「実は、私は人間ではありません。」「君は、何なのか。」「私は、火玉。」と言った。火玉だから、水が怖くて、川の上からすっ飛んで行ったわけさ。「そうすると、君は、何の目的で東恩納に行くのか。」と、言うと、「私は、東恩納の当の家の米倉に潜みに。」と。「どうして。」「何月の何日には、私が当の家を火事にするからね。」「本当に君は、火玉なのか。」「私は、火玉なんですよ。」と、きれいな女は言ったわけさ。火玉が言ったとおり、その何月の何日には、当の家は全部燃えてしまったわけさ。 「本当だったんだなあ。」と、驚いたわけさ。 〔 |
| 全体の記録時間数 | 3:47 |
| 物語の時間数 | 3:47 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |