昔、年寄の話だけど、歳の夜に金持ちの家へ年寄が来て、「寒くもあるし、泊めてくださらんか」と頼んだが、「いや、泊めることはできない」と言った。歳の夜でもあるし、夕飯を食べるようであったが、夕飯もあげなかった。金持ちはその年寄が神であることを知らずにいた。隣は貧乏者で正月の食べる物もなく、夫婦で火を温まっているところであった。その年寄はそこへ行って、泊めてくれるよう頼んだ。「もう正月ですが、ここは食べるものもありません。火で温まって火正月をしています、それでもいいなら、泊まってください」と言って、家の中へ入れた。この年寄は神様だったので、「あなたたちはシンメー鍋にいっぱい湯を沸かしなさい」と言ったので、湯を沸かすと、カニンビラグヮーをなでたら、肉がたかれ、もう一つの鍋に湯を沸かせ、ベラグヮーをふくと飯ができた。肉と飯をみんなで食べて寝た。翌朝、早く起きて、湯を沸かしなさいといったので、また、カネンビラグヮーをなでて、その年寄たちを浴びせた。そしたら、17、8歳の若さに生まれ変わった。隣の金持ちの家へ火を取りに行ったら、金持ちは「どうして、あなたたちは若くなっているか」と聞いたので、正直に答えた。そうして、金持ちもその神様が湯を沸かさせて浴びせたが、みんなカラスになったり、猿になったりしてその家から出ていった。神様は、「あなたたちは誠実であるから、この家はあなたたちのもの、この家の富はあなたたちがもらいなさい」と言った。そうして、その家に猿が来て、「わたしの家だよ」という。神様は、「それなら、庭にマーイサーを強く焼いておいておきなさい」と教えた。猿が来て、その石に座ったら、尻を焼いた。猿の尻が赤いのはそれからである。
| レコード番号 | 47O420110 |
|---|---|
| CD番号 | 47O42C004 |
| 決定題名 | 猿長者(シマグチ) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 平良マツ |
| 話者名かな | たいらまつ |
| 生年月日 | 18880504 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 石川市字東恩納 |
| 記録日 | 19800222 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸調査団 |
| 元テープ番号 | 具志川T3 B2 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | 昔、年寄りのはなしーやしが |
| 伝承事情 | 母親より聞いた |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 歳の夜,金持ち,貧乏者,火正月,猿,マーイサー,赤尻 |
| 梗概(こうがい) | 昔、年寄の話だけど、歳の夜に金持ちの家へ年寄が来て、「寒くもあるし、泊めてくださらんか」と頼んだが、「いや、泊めることはできない」と言った。歳の夜でもあるし、夕飯を食べるようであったが、夕飯もあげなかった。金持ちはその年寄が神であることを知らずにいた。隣は貧乏者で正月の食べる物もなく、夫婦で火を温まっているところであった。その年寄はそこへ行って、泊めてくれるよう頼んだ。「もう正月ですが、ここは食べるものもありません。火で温まって火正月をしています、それでもいいなら、泊まってください」と言って、家の中へ入れた。この年寄は神様だったので、「あなたたちはシンメー鍋にいっぱい湯を沸かしなさい」と言ったので、湯を沸かすと、カニンビラグヮーをなでたら、肉がたかれ、もう一つの鍋に湯を沸かせ、ベラグヮーをふくと飯ができた。肉と飯をみんなで食べて寝た。翌朝、早く起きて、湯を沸かしなさいといったので、また、カネンビラグヮーをなでて、その年寄たちを浴びせた。そしたら、17、8歳の若さに生まれ変わった。隣の金持ちの家へ火を取りに行ったら、金持ちは「どうして、あなたたちは若くなっているか」と聞いたので、正直に答えた。そうして、金持ちもその神様が湯を沸かさせて浴びせたが、みんなカラスになったり、猿になったりしてその家から出ていった。神様は、「あなたたちは誠実であるから、この家はあなたたちのもの、この家の富はあなたたちがもらいなさい」と言った。そうして、その家に猿が来て、「わたしの家だよ」という。神様は、「それなら、庭にマーイサーを強く焼いておいておきなさい」と教えた。猿が来て、その石に座ったら、尻を焼いた。猿の尻が赤いのはそれからである。 |
| 全体の記録時間数 | 4:31 |
| 物語の時間数 | 4:31 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |