大歳の亀(シマグチ)

もの言う亀

概要

母親はいなくて、男親と男の子が二人いた。親の孝行をするために、山へ薪を取りに行き、それを売って酒を買い親にささげていた。その子は毎日山へ通っていた。山で木を切っていると、斧を入れるたびに亀が、「親の孝カッパイ」と言った。人もいないのに声がすると言ってよくみると、山亀が首を出して、「親の孝カッパイ」と言っていた。それで、「親の孝カッパイと言っているのはおまえか」と聞くとそうだという。そして、「あんたは毎日難儀をして親の孝行をしているから、私を連れていって隣の金持ちに亀がものを言うといいなさい。向こうは言わないというはずだから、賭けをしなさい」と言う。男の子は亀を連れて行って金持ちに、「亀がものをいうよ」と言うと、「亀をものを言うか、もし、ものを言うならば財産を半分やろう」と言った。金持ちの人は賭けに負けたので仕方なく約束通り財産を半分やった。その金持ちは悪金持ちだったので亀を貸してくれと言って、別の金持ちのところへ行った。しかし、亀はものを言わなくなっていた。2、3回木を打ってもものを言わなかったので殺してしまった。男の子がその亀はどこに置いたかと聞くと、殺してしまったという。かわいそうにといって、行ってみると、亀は黄金になっていた。それで、7回売られても親孝行はすべきだという。

再生時間:4:12

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民話詳細DATA

レコード番号 47O420066
CD番号 47O42C002
決定題名 大歳の亀(シマグチ)
話者がつけた題名 親の孝カッパイ
話者名 安慶名カマド
話者名かな あげなかまど
生年月日 19091225
性別
出身地 具志川市宇堅
記録日 19800219
記録者の所属組織 沖縄口承文芸調査団
元テープ番号 具志川市T2 A5
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく)
伝承事情 義父 
文字化資料 具志川市史第3巻下 433頁 具志川市の民話ふるさとの昔ばなし 87頁149頁  
キーワード 親孝行,斧,薪,親の孝カッパイ,山亀,金持ち,賭け,黄金七回売られる
梗概(こうがい) 母親はいなくて、男親と男の子が二人いた。親の孝行をするために、山へ薪を取りに行き、それを売って酒を買い親にささげていた。その子は毎日山へ通っていた。山で木を切っていると、斧を入れるたびに亀が、「親の孝カッパイ」と言った。人もいないのに声がすると言ってよくみると、山亀が首を出して、「親の孝カッパイ」と言っていた。それで、「親の孝カッパイと言っているのはおまえか」と聞くとそうだという。そして、「あんたは毎日難儀をして親の孝行をしているから、私を連れていって隣の金持ちに亀がものを言うといいなさい。向こうは言わないというはずだから、賭けをしなさい」と言う。男の子は亀を連れて行って金持ちに、「亀がものをいうよ」と言うと、「亀をものを言うか、もし、ものを言うならば財産を半分やろう」と言った。金持ちの人は賭けに負けたので仕方なく約束通り財産を半分やった。その金持ちは悪金持ちだったので亀を貸してくれと言って、別の金持ちのところへ行った。しかし、亀はものを言わなくなっていた。2、3回木を打ってもものを言わなかったので殺してしまった。男の子がその亀はどこに置いたかと聞くと、殺してしまったという。かわいそうにといって、行ってみると、亀は黄金になっていた。それで、7回売られても親孝行はすべきだという。
全体の記録時間数 4:12
物語の時間数 4:12
言語識別 方言
音源の質
テープ番号
予備項目1

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