崎枝と川平とは兄弟村だったすよ。ところが、兄の崎枝は田んぼが良くて、弟の川平の田んぼは非常に悪い田んぼだった。それで、崎枝の田んぼを作ってる兄のお米が良くできた。弟の川平の田んぼは痩せているから米があまりできない。それで、川平の弟が崎枝の兄に、「兄さんはどうしてお米はあんなにできますか。一つ教えてください。」と言った。崎枝の兄は、「ああ、そうか。お米を作るのは、苗が第一だよ。種を蒔く前に一応種籾を鍋に入れてからからに火で炒(い)って、それから水に入れて準備するんだよ。」と言うから、川平の弟は、「ああ、そうですか。」言って、崎枝の兄に教えられた通り、鍋に種籾を入れてからからになるまで火で炒(い)ってから水に入れて、それをに詰めて苗代に行って種を蒔く種取(たにど)りをしたら、炒られてるから種はみな浮いてしまったんですよ。「これは大変だ。どうしよう。」と苗代の側で泣いておったらしい。そこに神様が現れて、「どうしたのか。」と聞くから、「こうこう崎枝の兄さんから教えてもらった通りやったけれども、種がみな浮いてしまって、種にする余分のお米も無いから困っています。」と泣いておったら、神様が、「心配するな。苗が無かったら、仕方ないから今度は、野菜の冬瓜を畑にいっぱい作りなさい。」とおっしゃったしい。だから弟は、神様に教えてもらった通り、冬瓜を作ったら見事にできた。そこにまた神様が来てね、「あの熟した冬瓜をみんな取って倉庫に積んで、そこに草を入れておけ。」と仰った。そしたら、その倉庫の中の冬瓜はみんな米俵に変わったらしいね。弟が驚いていたら、崎枝の兄が来て、「お前の米はどうか。」と聞くから、「兄さん、あなたの言ったとおり鍋に炒って蒔いたら、見てごらん、こんなに豊作になって、倉いっぱいの米できておるよ。」と言っていたらしい。兄は、「自分は失敗するように教えたがなあ。」と思ったが、「よし、今度は自分もそうしよう。」とやったらやっぱし、苗代に蒔いた種が浮いとったから米はできんでしょう。こんどは兄が泣いておると神様が、「どうしたか。」と言うから、「いや、こうこうで米かできない。」と言うと神様はまた、「よし、それじゃあ、お前も冬瓜を沢山作れ。できたらそこの倉に入れておけ。」とおっしゃったって。言われた通り、出来た冬瓜を倉に入れて置いたが、それから何度倉に行って見ても冬瓜は、俵にならなかった。後は冬瓜が腐れて蜂がよく来るようになったので、その蜂を追い払おうとしたら、また蜂に刺されて死んだらしいね。だからまず崎枝が兄さんが正直に教えてくれれば、そうじゃなかったけれども、あべこべのことを教えて、自分だけよくなれば、弟はどうでもいいというふうに思って意地悪をやったので、それから、崎枝と川平とは、仲が悪くなって縁組しないということになったのだそうだ。
| レコード番号 | 47O340345 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C024 |
| 決定題名 | 崎枝と川平の仲(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 崎枝と川平の結婚が許されない理由 |
| 話者名 | 喜舎場兼美 |
| 話者名かな | きしゃばけんび |
| 生年月日 | 18991210 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
| 記録日 | 19960321 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字川平 T60 B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話、 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 父親が酒を飲んだ時によく話してくれた。 |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 川平,崎枝,兄弟,田んぼ,種籾,炒る,冬瓜,神様,俵,蜂 |
| 梗概(こうがい) | 崎枝と川平とは兄弟村だったすよ。ところが、兄の崎枝は田んぼが良くて、弟の川平の田んぼは非常に悪い田んぼだった。それで、崎枝の田んぼを作ってる兄のお米が良くできた。弟の川平の田んぼは痩せているから米があまりできない。それで、川平の弟が崎枝の兄に、「兄さんはどうしてお米はあんなにできますか。一つ教えてください。」と言った。崎枝の兄は、「ああ、そうか。お米を作るのは、苗が第一だよ。種を蒔く前に一応種籾を鍋に入れてからからに火で炒(い)って、それから水に入れて準備するんだよ。」と言うから、川平の弟は、「ああ、そうですか。」言って、崎枝の兄に教えられた通り、鍋に種籾を入れてからからになるまで火で炒(い)ってから水に入れて、それをに詰めて苗代に行って種を蒔く種取(たにど)りをしたら、炒られてるから種はみな浮いてしまったんですよ。「これは大変だ。どうしよう。」と苗代の側で泣いておったらしい。そこに神様が現れて、「どうしたのか。」と聞くから、「こうこう崎枝の兄さんから教えてもらった通りやったけれども、種がみな浮いてしまって、種にする余分のお米も無いから困っています。」と泣いておったら、神様が、「心配するな。苗が無かったら、仕方ないから今度は、野菜の冬瓜を畑にいっぱい作りなさい。」とおっしゃったしい。だから弟は、神様に教えてもらった通り、冬瓜を作ったら見事にできた。そこにまた神様が来てね、「あの熟した冬瓜をみんな取って倉庫に積んで、そこに草を入れておけ。」と仰った。そしたら、その倉庫の中の冬瓜はみんな米俵に変わったらしいね。弟が驚いていたら、崎枝の兄が来て、「お前の米はどうか。」と聞くから、「兄さん、あなたの言ったとおり鍋に炒って蒔いたら、見てごらん、こんなに豊作になって、倉いっぱいの米できておるよ。」と言っていたらしい。兄は、「自分は失敗するように教えたがなあ。」と思ったが、「よし、今度は自分もそうしよう。」とやったらやっぱし、苗代に蒔いた種が浮いとったから米はできんでしょう。こんどは兄が泣いておると神様が、「どうしたか。」と言うから、「いや、こうこうで米かできない。」と言うと神様はまた、「よし、それじゃあ、お前も冬瓜を沢山作れ。できたらそこの倉に入れておけ。」とおっしゃったって。言われた通り、出来た冬瓜を倉に入れて置いたが、それから何度倉に行って見ても冬瓜は、俵にならなかった。後は冬瓜が腐れて蜂がよく来るようになったので、その蜂を追い払おうとしたら、また蜂に刺されて死んだらしいね。だからまず崎枝が兄さんが正直に教えてくれれば、そうじゃなかったけれども、あべこべのことを教えて、自分だけよくなれば、弟はどうでもいいというふうに思って意地悪をやったので、それから、崎枝と川平とは、仲が悪くなって縁組しないということになったのだそうだ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:31 |
| 物語の時間数 | 4:00 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |