鉄喰い虫と牛喰い銀蝿(共通語)

概要

川平のある村に仲の良い友達二人がいた。二人とも農家だった。昔は鉄があまりなかったので木や石で作った箆(へら)が多かった。一人の友達は、そのころとしては珍しく鉄の箆を持っていたので、もう一人の男が頼み込んで貸してもらった。鉄箆で畑仕事をしてみると、気持ちのいいほど仕事がはかどる。これは素晴らしいと何とか自分のものにならないかと悪知恵を働かせ、翌朝未明に友達をたたき起こして、大変なことになった。君の箆を畑のあぜ道に置いていたら、土の中におる石蚤(シロアリ)が、鉄箆を全部喰ってしまった、もう鉄もなくなって木の柄の所だけしか残っていない、弁償したいが、自分にはお金がない。虫けらが食うたんだから勘弁してくれと頼み込んだ。鉄箆の持ち主は、友達が嘘をついていると思ったが、仕方がないと許すことにした。男は喜んで家に帰り、鉄箆を隠しておいた。しばらくして鉄箆を奪われた男は敵討ちをしようと、友達のところに牛を借りに行った。友達は気が咎めているから牛を貸した。男は家に帰り、牛を隠して、翌朝未明、大変なことになった、牛を野につないでおいたら、八重山全体の馬蝿が集まってきて骨と皮だけ残して肉は全部食ってしまった、自分には弁償できないから、勘弁してほしいと言った。「そんあことがあるはずがない」と言った友達に、男は「だったら鉄箆をシロアリが食ったというのは通るか」と言うから、返した。また、付け加えて、裁判の話もある。二人の争いは裁判になり、裁判官に二人の理屈は通らないと叱られた。それでもう、「あんたの箆(へら)はここにある、持っていけ。」「そんなら、牛は裏に置いたから引いて行け。」ということになった。

再生時間:5:02

民話詳細DATA

レコード番号 47O340314
CD番号 47O34C022
決定題名 鉄喰い虫と牛喰い銀蝿(共通語)
話者がつけた題名
話者名 喜舎場兼次郎
話者名かな きしゃばけんじろう
生年月日 19040113
性別
出身地 沖縄県石垣市字川平
記録日 19960321
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字川平 T59 A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 笑話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 八重山諸島民話集 P126 石垣島の民話 P228
キーワード 川平,仲の良い友達,鉄箆,石蚤,弁償,嘘,牛,蝿,裁判
梗概(こうがい) 川平のある村に仲の良い友達二人がいた。二人とも農家だった。昔は鉄があまりなかったので木や石で作った箆(へら)が多かった。一人の友達は、そのころとしては珍しく鉄の箆を持っていたので、もう一人の男が頼み込んで貸してもらった。鉄箆で畑仕事をしてみると、気持ちのいいほど仕事がはかどる。これは素晴らしいと何とか自分のものにならないかと悪知恵を働かせ、翌朝未明に友達をたたき起こして、大変なことになった。君の箆を畑のあぜ道に置いていたら、土の中におる石蚤(シロアリ)が、鉄箆を全部喰ってしまった、もう鉄もなくなって木の柄の所だけしか残っていない、弁償したいが、自分にはお金がない。虫けらが食うたんだから勘弁してくれと頼み込んだ。鉄箆の持ち主は、友達が嘘をついていると思ったが、仕方がないと許すことにした。男は喜んで家に帰り、鉄箆を隠しておいた。しばらくして鉄箆を奪われた男は敵討ちをしようと、友達のところに牛を借りに行った。友達は気が咎めているから牛を貸した。男は家に帰り、牛を隠して、翌朝未明、大変なことになった、牛を野につないでおいたら、八重山全体の馬蝿が集まってきて骨と皮だけ残して肉は全部食ってしまった、自分には弁償できないから、勘弁してほしいと言った。「そんあことがあるはずがない」と言った友達に、男は「だったら鉄箆をシロアリが食ったというのは通るか」と言うから、返した。また、付け加えて、裁判の話もある。二人の争いは裁判になり、裁判官に二人の理屈は通らないと叱られた。それでもう、「あんたの箆(へら)はここにある、持っていけ。」「そんなら、牛は裏に置いたから引いて行け。」ということになった。
全体の記録時間数 7:25
物語の時間数 5:02
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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