フヮコー鳥の子売り(共通語)

概要

親子のファー鳥がおったらしいね。だけど大晦日になってあっちこっち探しても何も食べ物がない。親子は、「どうして年越しをするか。何もないのにどうしよう。」とさんざん探しても探されなかったらしいね。後は疲れて、「もう歩く力もない。」と子供は言うて座っておった。すると目の前によ、なにか籾殻が落ちてくるらしいね。「ありゃ、これは神様が授けたかな。」と上を見たら烏がよ、籾を食べておるさ。ひもじいでしょ。「ほう、うらやましい。」とうらやましくなってしまって、「ああ、烏さん分けてくれないか。私は食べ物探しておるけれども朝からなにも食べていない。」と頼んだら烏はこすいでしょ。「分けてやってもいいが条件がある。お前の子供となら交換する。」「いや、子供と交換はできない。」と言ったけどひもじいでしょ。親鳥は「しかたがない。自分の所におったら子供はひもじい思いしておる。烏さんにくれたら年越しの食べ物を沢山食わせてくれるだろう。」と浅はかな考えで、自分の子供一羽と烏のお米の籾と交換したらしい。親鳥も腹一杯食べて「あの子は年越し御馳走を烏さんと食べておるでしょう。」と思っておったがところがそうではなかった。そしたら、お母さんファー鳥は、その晩に夢を見たそうだ。子どもの鳥が「お母さん、僕は烏の餌食になったんだよ。」と言っている夢だから、お母さんファー鳥は、「これはほんとかもしらん。」と思って、子供のファー鳥を探したが探せなかった。この鳥はよ、旧のお正月前になると必ずファーコー、ファーコーと鳴くよ。ファーは子供でコーは来いだから、親がね、「母はここだよ。子供よ来い。子供よ来い。」と鳴くんだね。兼次郎さんは、戦争中に子を失い、家もなかったときこの鳴き声を聞いて、自分の身の上と一緒だと思ったこともあった。ただ、実際に鳴いているのは、母鳥ではなく、トサカのある雄で、雌への恋の鳴き声。鳴くのは旧のお正月の前だけ。季節の鳥ではないはずだが、最近は見かけなくなった。

再生時間:3:37

民話詳細DATA

レコード番号 47O340300
CD番号 47O34C021
決定題名 フヮコー鳥の子売り(共通語)
話者がつけた題名 子売りファー鳥
話者名 喜舎場兼次郎
話者名かな きしゃばけんじろう
生年月日 19040113
性別
出身地 沖縄県石垣市字川平
記録日 19950913
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字川平 T58 A03
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 動物昔話
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 石垣島の民話 P170
キーワード ファー鳥,大晦日,親子,籾殻,神様,条件,交換,年越し,烏,ファーコー
梗概(こうがい) 親子のファー鳥がおったらしいね。だけど大晦日になってあっちこっち探しても何も食べ物がない。親子は、「どうして年越しをするか。何もないのにどうしよう。」とさんざん探しても探されなかったらしいね。後は疲れて、「もう歩く力もない。」と子供は言うて座っておった。すると目の前によ、なにか籾殻が落ちてくるらしいね。「ありゃ、これは神様が授けたかな。」と上を見たら烏がよ、籾を食べておるさ。ひもじいでしょ。「ほう、うらやましい。」とうらやましくなってしまって、「ああ、烏さん分けてくれないか。私は食べ物探しておるけれども朝からなにも食べていない。」と頼んだら烏はこすいでしょ。「分けてやってもいいが条件がある。お前の子供となら交換する。」「いや、子供と交換はできない。」と言ったけどひもじいでしょ。親鳥は「しかたがない。自分の所におったら子供はひもじい思いしておる。烏さんにくれたら年越しの食べ物を沢山食わせてくれるだろう。」と浅はかな考えで、自分の子供一羽と烏のお米の籾と交換したらしい。親鳥も腹一杯食べて「あの子は年越し御馳走を烏さんと食べておるでしょう。」と思っておったがところがそうではなかった。そしたら、お母さんファー鳥は、その晩に夢を見たそうだ。子どもの鳥が「お母さん、僕は烏の餌食になったんだよ。」と言っている夢だから、お母さんファー鳥は、「これはほんとかもしらん。」と思って、子供のファー鳥を探したが探せなかった。この鳥はよ、旧のお正月前になると必ずファーコー、ファーコーと鳴くよ。ファーは子供でコーは来いだから、親がね、「母はここだよ。子供よ来い。子供よ来い。」と鳴くんだね。兼次郎さんは、戦争中に子を失い、家もなかったときこの鳴き声を聞いて、自分の身の上と一緒だと思ったこともあった。ただ、実際に鳴いているのは、母鳥ではなく、トサカのある雄で、雌への恋の鳴き声。鳴くのは旧のお正月の前だけ。季節の鳥ではないはずだが、最近は見かけなくなった。
全体の記録時間数 7:04
物語の時間数 3:37
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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