昔のことある家で長男が生まれ、主人が満産祝いの席で三味線弾いてもらう人を頼みに遠い町まで行くことになった。その途中で三味線を抱えた女の人に出会い主人が事情を話すと、「そんなら私が行きましょう。私は歌も踊りも上手ですから。」と言って満産祝いの日に三味線を弾くのを進んで引き受けてくれた。満産祝いの日になると、その家の親戚の人や近所の人がにぎやかに集まってきた。約束していた女の人もきて上手に三味線を弾き、歌を唄ったので、とても楽しい祝いの席になった。そのうちに、みんなに踊りを踊ってくれとはやしたてられて、女の人が踊りだした。そのときちょうど、用事があって遅れてきた人がやってきて、家の外からのぞいて見ると踊っている女の人は胴から上は見えるが足が見えなかった。そのことをこっそり主人に話たので、主人はあわてて祝いをやめて、女の人にはたくさんの土産を持たせて帰してやった。それでも安心できないので、主人が後をつけて行くと三味線弾きの女は、どんどん山の中に入って行き、山の奥の岩の洞窟に入って行った。外で主人が聞いていると、その三味線弾きの女は、「今日は失敗したけど、次は人間の子供を連れてきて食べさせよう。」と仲間たちに話していた。すると、「人間は賢いから、たぶん俺たちを見つけると、蜘蛛(く も)がいるぞと言ってたくさん箒を作っておいて箒でたたき殺すよ。」と仲間が話す声がした。これを聞いた主人は、たくさん箒を作っておき、わざと一度お祝いをするからと三味線弾きの女を呼び、その女が家にやってくるとみんなで箒でたたいた。すると女は、蜘蛛(く も)の姿になり殺されてしまった。それから、家に入ってきた蜘蛛(く も)を殺すときは、箒を使うようになった。
| レコード番号 | 47O340244 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C016 |
| 決定題名 | くもの三味線弾き(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 大底米 |
| 話者名かな | おおそこよね |
| 生年月日 | 19041115 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
| 記録日 | 19760802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字川平 T24 B14 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | まえむかし |
| 伝承事情 | 父母が教訓を織り交ぜ意識して聞かされた。また自分自身昔話を聞くのが好きで父が他人に話すのをじっと聞いていた。 |
| 文字化資料 | 日本昔話通観第26巻 P598 石垣島の民話 P147 八重山諸島民話集 P115 |
| キーワード | 長男,満産祝い,三味線,洞窟,蜘蛛,箒 |
| 梗概(こうがい) | 昔のことある家で長男が生まれ、主人が満産祝いの席で三味線弾いてもらう人を頼みに遠い町まで行くことになった。その途中で三味線を抱えた女の人に出会い主人が事情を話すと、「そんなら私が行きましょう。私は歌も踊りも上手ですから。」と言って満産祝いの日に三味線を弾くのを進んで引き受けてくれた。満産祝いの日になると、その家の親戚の人や近所の人がにぎやかに集まってきた。約束していた女の人もきて上手に三味線を弾き、歌を唄ったので、とても楽しい祝いの席になった。そのうちに、みんなに踊りを踊ってくれとはやしたてられて、女の人が踊りだした。そのときちょうど、用事があって遅れてきた人がやってきて、家の外からのぞいて見ると踊っている女の人は胴から上は見えるが足が見えなかった。そのことをこっそり主人に話たので、主人はあわてて祝いをやめて、女の人にはたくさんの土産を持たせて帰してやった。それでも安心できないので、主人が後をつけて行くと三味線弾きの女は、どんどん山の中に入って行き、山の奥の岩の洞窟に入って行った。外で主人が聞いていると、その三味線弾きの女は、「今日は失敗したけど、次は人間の子供を連れてきて食べさせよう。」と仲間たちに話していた。すると、「人間は賢いから、たぶん俺たちを見つけると、蜘蛛(く も)がいるぞと言ってたくさん箒を作っておいて箒でたたき殺すよ。」と仲間が話す声がした。これを聞いた主人は、たくさん箒を作っておき、わざと一度お祝いをするからと三味線弾きの女を呼び、その女が家にやってくるとみんなで箒でたたいた。すると女は、蜘蛛(く も)の姿になり殺されてしまった。それから、家に入ってきた蜘蛛(く も)を殺すときは、箒を使うようになった。 |
| 全体の記録時間数 | 5:03 |
| 物語の時間数 | 4:48 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | ◎ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |