昔の制度では、男は人頭税として一人当たりお米を十二俵づつ出す。また、女は一人当たり一反の御用布を蔵元(役所)に出した。機を織る女の人を上中下に分けて、布織りの上手な人は上の絣型、それから中は縦横碁盤型、下は縞縦(どうじまたて)だけ織るという具合いに割り当てていた。川平の番所(ばんじゅー 事務所)の前に長屋を作って三、四十名の婦人達が集まって御用布の機織をし、その奥の小さい小屋で布を染めていた。それが終わると、川平のすぐ北海岸でハマサヤーという浜の西側の小高いところにある小屋で、寝泊りしながら織った布を海で晒した。余分な染料を溶ける分はみんな溶かし、残ったものがよい。それから形を整えて御用布を番所(ばんじゅー)で検査を済ませ、一まとめにして石垣四箇の蔵元に持って行く。そこでは係員が、蔵元で決めている基準どおりなのか、幅や長さや型も検査する。基準に合っていれば合格する。蔵元に行く時は、みんな石垣の四箇の町に四、五日滞在する。男の人は川平から食料を運ぶ。検査が済んだらみんな一緒に帰って来るが、その時は、指導的立場の女の人が二人先頭で太鼓を持ち、他の皆は後ろに並んで「マリヤテキドン、ワダチヤナカマ」と歌いながら街道を戻ってくる。それを海岸線に近い部落の入り口で、ばあさんたちが待っていて、「よくやってくれた、ありがとう」と涙を流し、手を握って迎え入れる。そのあと村を練り歩く。それは子どもながらに胸に残る光景だった。
| レコード番号 | 47O340203 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C013 |
| 決定題名 | 人頭税と御用布(方言) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 南風野英助 |
| 話者名かな | はえのえいすけ |
| 生年月日 | 18931206 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字川平 |
| 記録日 | 19760802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字川平 T23 B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 民俗 |
| 発句(ほっく) | むかす |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 御用布,機織,上の絣型,縦横碁盤型,縞縦,番所,ハマサヤー,石垣四箇,蔵元,検査,歌 |
| 梗概(こうがい) | 昔の制度では、男は人頭税として一人当たりお米を十二俵づつ出す。また、女は一人当たり一反の御用布を蔵元(役所)に出した。機を織る女の人を上中下に分けて、布織りの上手な人は上の絣型、それから中は縦横碁盤型、下は縞縦(どうじまたて)だけ織るという具合いに割り当てていた。川平の番所(ばんじゅー 事務所)の前に長屋を作って三、四十名の婦人達が集まって御用布の機織をし、その奥の小さい小屋で布を染めていた。それが終わると、川平のすぐ北海岸でハマサヤーという浜の西側の小高いところにある小屋で、寝泊りしながら織った布を海で晒した。余分な染料を溶ける分はみんな溶かし、残ったものがよい。それから形を整えて御用布を番所(ばんじゅー)で検査を済ませ、一まとめにして石垣四箇の蔵元に持って行く。そこでは係員が、蔵元で決めている基準どおりなのか、幅や長さや型も検査する。基準に合っていれば合格する。蔵元に行く時は、みんな石垣の四箇の町に四、五日滞在する。男の人は川平から食料を運ぶ。検査が済んだらみんな一緒に帰って来るが、その時は、指導的立場の女の人が二人先頭で太鼓を持ち、他の皆は後ろに並んで「マリヤテキドン、ワダチヤナカマ」と歌いながら街道を戻ってくる。それを海岸線に近い部落の入り口で、ばあさんたちが待っていて、「よくやってくれた、ありがとう」と涙を流し、手を握って迎え入れる。そのあと村を練り歩く。それは子どもながらに胸に残る光景だった。 |
| 全体の記録時間数 | 5:13 |
| 物語の時間数 | 4:54 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |