昔、ヨーラサー、つまりこの烏が夜鳴いて通る時には、いろいろな事件が起こると忌み嫌われていました
。ヨーラサーが鳴くと「ナーマヤード」といって唱えて、普通杵でコーンコーンと叩いて魔除けをしたので
あります。ヨーラサーが鳴く夜(よ)は、あちらこちらで木臼を叩く音が聞こえたのであった。この起こり
は、昔沖縄本島から来た易者(むぬすー)、つまり易者がこの世の中を惑わすものだということで、この地
の役人に捕らわれて、ユーナマヤーというまではこの牢屋をユーナマヤーといいます。これに入れられて、
非常に苦しんで、食べ物も食べないよりも食べてないふりをしてね、苦しんでいました。ちょうどその時、
長間(なーま)筑登之(ちくどぅん)という人が、この牢屋の番人であられましたので、この易者を見て気
の毒に思い、密かに食物や水を差し入れていました。それを感謝していた易者がいつも世話になった長間筑
登之に話したそうであります。「私が死んだら必ず烏に化けて風を起こしてから火事にするから、烏が鳴い
たら、あなたと親類は、臼を叩いて、上を飛んでいる私に、その所在を明らかに知らせてください。きっと
風を流されますから。」といって死んだというわけね。それで、長間筑登之は、すぐ家族及びこの親類を集
めて、「易者が死ぬときこう言ったから、烏がこうこう言うたら、必ずヨーラサーの鳴くときには臼を叩く
ように。」と言って、その後、火事が起こってこの牢屋も火事になり、また村中がほとんど灰になったので
ありますが、ナーマヤーと言う家は、この時はこの臼を叩いたおかげで、難から免れたということで、それ
以来ヨーラサーが鳴くときは、村中の人が「ナーマヤードー」と言って、この長間筑登之の名前を言うて、
臼を叩くようになったと伝えられています。
| レコード番号 | 47O150160 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C010 |
| 決定題名 | 火の神報恩(方言) |
| 話者がつけた題名 | 夜烏の話 |
| 話者名 | 上間金蔵 |
| 話者名かな | うえまきんぞう |
| 生年月日 | 18980508 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 石垣市大浜 |
| 記録日 | 19760802 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T56A01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 烏,火事,ナーマヤー,恩返し, |
| 梗概(こうがい) | 昔、ヨーラサー、つまりこの烏が夜鳴いて通る時には、いろいろな事件が起こると忌み嫌われていました 。ヨーラサーが鳴くと「ナーマヤード」といって唱えて、普通杵でコーンコーンと叩いて魔除けをしたので あります。ヨーラサーが鳴く夜(よ)は、あちらこちらで木臼を叩く音が聞こえたのであった。この起こり は、昔沖縄本島から来た易者(むぬすー)、つまり易者がこの世の中を惑わすものだということで、この地 の役人に捕らわれて、ユーナマヤーというまではこの牢屋をユーナマヤーといいます。これに入れられて、 非常に苦しんで、食べ物も食べないよりも食べてないふりをしてね、苦しんでいました。ちょうどその時、 長間(なーま)筑登之(ちくどぅん)という人が、この牢屋の番人であられましたので、この易者を見て気 の毒に思い、密かに食物や水を差し入れていました。それを感謝していた易者がいつも世話になった長間筑 登之に話したそうであります。「私が死んだら必ず烏に化けて風を起こしてから火事にするから、烏が鳴い たら、あなたと親類は、臼を叩いて、上を飛んでいる私に、その所在を明らかに知らせてください。きっと 風を流されますから。」といって死んだというわけね。それで、長間筑登之は、すぐ家族及びこの親類を集 めて、「易者が死ぬときこう言ったから、烏がこうこう言うたら、必ずヨーラサーの鳴くときには臼を叩く ように。」と言って、その後、火事が起こってこの牢屋も火事になり、また村中がほとんど灰になったので ありますが、ナーマヤーと言う家は、この時はこの臼を叩いたおかげで、難から免れたということで、それ 以来ヨーラサーが鳴くときは、村中の人が「ナーマヤードー」と言って、この長間筑登之の名前を言うて、 臼を叩くようになったと伝えられています。 |
| 全体の記録時間数 | 5:34 |
| 物語の時間数 | 4:20 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |