昔ですね、非常によく世間(しけん)のこともやるし、あるいは友人とか親戚のこともよくやって歩く人
がいました。そして、自分の真心で働くことも一生懸命でで、やっておりましたが、おしいことに子どもが
多いせいか、貧乏人でですね、毎日の日々の暮らしも楽じゃなかったと。そういうことで、昔の人はもう、
夕暮れまで一生懸命働くんですから、もう夕ぐれなって、真っ暗なる迄、自分の野良仕事をして、星を頂い
て帰るというような調子ですからね、昔はもう馬でも野良につないで来たんですから、帰る途中には、この
自分の牛を道端につないで、家へ帰るのも、四キロくらいですね、一里位の道であったりもうただ徒歩で来
たと。ところが、この畑の一間近くに、黄金の花がですね、コガニといわれていますが、黄金といったら金
の花ですね。その金の花があったと。これを見たんですが、この人は、あんまり欲は無い人ですからね。取
るということは知らないですよ。で、「これは自分の徳であるか、他人の徳であるか分からないから、今は
取らないでおこう。」と、で、一応帰ってきて自分の妻子にこの事を話したら、妻子は怒ってですね、「何
でこんな宝を見たときに、すぐに取ってこないか。」ということを叱られた。ところがこの主人はですね、
「この徳はですね、我々の徳であったら、翌日の朝は必ず自分の家に現れるでしょう。」と話したというこ
とです。ところがこの話をですね、隣のですね、あんまりよくないと申し上げてもよいでしょう。もう不正
直で、人に迷惑をかけるとか、いろんなもう世間ではもういてはならないような人ですね。そういう人がこ
れを聞いてですね、「それじゃ僕も、明日の晩は行って、この畑の側の黄金を拾ってきよう。」とこの欲望
から考えてですね、その時刻に行ったところが、その黄金というのは、大きいハブに変わってですね、うろ
うろして自分に向かってきたということでございます。そいでこれは、教訓的な話で、母からそういう話を
聞かされましたが、昔の人は教育は、あまりないですから、いろんなこういうふうな迷信とかいろんな神話
とか、いろんなことをほんとに信じてですね、ほんと、一筋に生きてきたんじゃないかと考えられる時代で
あります。
| レコード番号 | 47O150100 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C006 |
| 決定題名 | 天福地副(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 徳のある人は自ら幸福になる |
| 話者名 | 大立真津 |
| 話者名かな | おおたてまつ |
| 生年月日 | 19030505 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T11A08 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | むかしですね |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P79 |
| キーワード | 黄金の花,ハブ |
| 梗概(こうがい) | 昔ですね、非常によく世間(しけん)のこともやるし、あるいは友人とか親戚のこともよくやって歩く人 がいました。そして、自分の真心で働くことも一生懸命でで、やっておりましたが、おしいことに子どもが 多いせいか、貧乏人でですね、毎日の日々の暮らしも楽じゃなかったと。そういうことで、昔の人はもう、 夕暮れまで一生懸命働くんですから、もう夕ぐれなって、真っ暗なる迄、自分の野良仕事をして、星を頂い て帰るというような調子ですからね、昔はもう馬でも野良につないで来たんですから、帰る途中には、この 自分の牛を道端につないで、家へ帰るのも、四キロくらいですね、一里位の道であったりもうただ徒歩で来 たと。ところが、この畑の一間近くに、黄金の花がですね、コガニといわれていますが、黄金といったら金 の花ですね。その金の花があったと。これを見たんですが、この人は、あんまり欲は無い人ですからね。取 るということは知らないですよ。で、「これは自分の徳であるか、他人の徳であるか分からないから、今は 取らないでおこう。」と、で、一応帰ってきて自分の妻子にこの事を話したら、妻子は怒ってですね、「何 でこんな宝を見たときに、すぐに取ってこないか。」ということを叱られた。ところがこの主人はですね、 「この徳はですね、我々の徳であったら、翌日の朝は必ず自分の家に現れるでしょう。」と話したというこ とです。ところがこの話をですね、隣のですね、あんまりよくないと申し上げてもよいでしょう。もう不正 直で、人に迷惑をかけるとか、いろんなもう世間ではもういてはならないような人ですね。そういう人がこ れを聞いてですね、「それじゃ僕も、明日の晩は行って、この畑の側の黄金を拾ってきよう。」とこの欲望 から考えてですね、その時刻に行ったところが、その黄金というのは、大きいハブに変わってですね、うろ うろして自分に向かってきたということでございます。そいでこれは、教訓的な話で、母からそういう話を 聞かされましたが、昔の人は教育は、あまりないですから、いろんなこういうふうな迷信とかいろんな神話 とか、いろんなことをほんとに信じてですね、ほんと、一筋に生きてきたんじゃないかと考えられる時代で あります。 |
| 全体の記録時間数 | 2:57 |
| 物語の時間数 | 2:48 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |