兄妹二人、男の兄は、幸地玉金(こうちたんまがに)で、女の妹はあのビルマクイ。この二人のお話でご
ざいます。それがあの大浜部落建てるには子も孫もできたし、部落民も広がってくるし、これに昔はやっぱ
しあの作物を作るにしても金物がないし、これを金物を求めるためには、あの幸地玉金という人が、「旅に
出て、ぜひともこの金物を探してきて、この部落民を栄えさせんといけない。」ということで、この幸地玉
金という人は,あのフネブス山から松の木を切ってきて、これを自分で船をこしらえて、旅に出た所が、あ
る知らない国に出て、これがもう着いた所が本土になってしまって、あるところの浜に着いたら、あの髭が
ぼうぼう生えたお爺さんが見えて、「あなたは、何のために来たか。どこから来たか。」と尋ねたら、「う
ちはこういうふうに部落住民は広がっておるんだけれども、あの作物作ろうとしても、この金物がなくって
、ぜひとも金物で作物を作って、この住民を栄えさせんといかんからという気持ちで来たんですが、金物を
注文しに来ました。」と話されたところが、「そうか、なるほど、それじゃあ、うちが考えてくるから。」
とこの白髪の生えたお爺ちゃんは、「あんたは、部落のあるところ分からんから、こっちに待っていなさい
。うちが考えてくるから。」と言って、あの話のとおり金物を十分考えてくださったもんで、「これは、あ
んたはあの作物を作ったら、作物の初(はち)は、一番作った作物の初(はち)を供える神も仏もいらっし
ゃるか。」「いや、そんなこと分かりません。」「それであったら、この金物を持っていって、桑やへらや
鎌やいろんな金物を作って、これを作って作物が出来た場合には、この初(はち)、作り物の初(はち)は
、神に捧げんといけんから、この神も一緒にお供してあげて行きなさいよ。」とおっしゃったところが、こ
の幸地玉金は、「はい。」と言ってこのお爺さんのおっしゃることを守って、このちょうど浦島太郎みたい
にね、箱を作って神をお祈りして行かしたところが、金物も船に乗せて行かしたところが、このまたお爺さ
んが、「自分の行き路はどこの方か分かるか。」と言ったら、「分からん。」と幸地玉金が言ったら、「そ
れじゃあ、こっちからこの石を船の前に置くから、この石の歩くとおり、船を走らせなさい。だが、この箱
の中に神がお供されてるから、この箱は開けていかんよ。」とおっしゃったらしい。
それが、途中であんまり音が恐いもんで、もう仕方なくこの幸地玉金は開けてみたら、また逆に戻ってし
まったもんで、「やっぱしもう逆に戻ったねえ。」と思って着いた所が、やっぱしこのおじさんが、白髪の
おじさんが見えて、このおじさんが、「ねえ、うちが言うたとおりでしょう。逆に戻るからこれは開けるな
よう。」と話したところが、「あんたは、もう仕方がないから、それじゃあもういっぺんお祈りしてやるか
ら、恐がらないでお供しなさいよー。」と言ったところ、「はい。」と言って、「これをまたもういっぺん
お祈りして、お供したら、今度は恐がらないで、あなたの島の方向はどこどこに着くから、あのその石のと
おりこの石を水に浮かべてですよ、この石の歩くとおり船をよこしなさいよ。」と言ったら、「はい。」と
言って、その石の案内の通りそのまま来たら、自分の部落のトゥルンナヤーのちょうど東の方ですね、その
東の方に着いたもんで、それをお供したら立派にお宮も建てて、「これを信じてあの守りなさいよー。」と
おっしゃったもんで、「あんたなんかの作り物の初(はち)も十分あげてやりなさいよー。」と言ったとこ
ろが、「はい。」と守ってきた。
それから、この幸地玉金という人は、毎日毎日、この朝も晩も海に出て魚とりしてこの魚を昔はクバンと
いったがこれ何というかね、神様に供え物をして、妹ね、娘ビルマクイという人はこれをもう朝晩信じてお
ったところが、もう話のとおり、自分の部落に主もない名前もない船が着いてきた。これがあの何、幸地玉
金という人とビロマクイと人は、「これを自分のあの神の信仰である。」ということを信じて、もううちの
東の部落の東の方に、一週間でね、茅を刈ってきて、こっちに茅を敷いてから米俵、粟俵をこの船から下ろ
したから、カヤスキ浜という名前が付いておる。こっちでね、節(しち)には、世(ゆー)願いといってね
、もう作物(さくぶつ)を今度もでかしてくださいと神にお祈りしてる時にね、カヤスキ浜まで行ってハー
リーがあるわけ。こっちでハーリーをするわけさ。
| レコード番号 | 47O150072 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C005 |
| 決定題名 | 幸地玉金と崎原御嶽(共通語) |
| 話者がつけた題名 | 大浜の兄弟の話 |
| 話者名 | 平田トミ |
| 話者名かな | ひらたとみ |
| 生年月日 | 19100208 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T09A04 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 民俗 |
| 発句(ほっく) | |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P9 |
| キーワード | 幸地玉金,鍬, |
| 梗概(こうがい) | 兄妹二人、男の兄は、幸地玉金(こうちたんまがに)で、女の妹はあのビルマクイ。この二人のお話でご ざいます。それがあの大浜部落建てるには子も孫もできたし、部落民も広がってくるし、これに昔はやっぱ しあの作物を作るにしても金物がないし、これを金物を求めるためには、あの幸地玉金という人が、「旅に 出て、ぜひともこの金物を探してきて、この部落民を栄えさせんといけない。」ということで、この幸地玉 金という人は,あのフネブス山から松の木を切ってきて、これを自分で船をこしらえて、旅に出た所が、あ る知らない国に出て、これがもう着いた所が本土になってしまって、あるところの浜に着いたら、あの髭が ぼうぼう生えたお爺さんが見えて、「あなたは、何のために来たか。どこから来たか。」と尋ねたら、「う ちはこういうふうに部落住民は広がっておるんだけれども、あの作物作ろうとしても、この金物がなくって 、ぜひとも金物で作物を作って、この住民を栄えさせんといかんからという気持ちで来たんですが、金物を 注文しに来ました。」と話されたところが、「そうか、なるほど、それじゃあ、うちが考えてくるから。」 とこの白髪の生えたお爺ちゃんは、「あんたは、部落のあるところ分からんから、こっちに待っていなさい 。うちが考えてくるから。」と言って、あの話のとおり金物を十分考えてくださったもんで、「これは、あ んたはあの作物を作ったら、作物の初(はち)は、一番作った作物の初(はち)を供える神も仏もいらっし ゃるか。」「いや、そんなこと分かりません。」「それであったら、この金物を持っていって、桑やへらや 鎌やいろんな金物を作って、これを作って作物が出来た場合には、この初(はち)、作り物の初(はち)は 、神に捧げんといけんから、この神も一緒にお供してあげて行きなさいよ。」とおっしゃったところが、こ の幸地玉金は、「はい。」と言ってこのお爺さんのおっしゃることを守って、このちょうど浦島太郎みたい にね、箱を作って神をお祈りして行かしたところが、金物も船に乗せて行かしたところが、このまたお爺さ んが、「自分の行き路はどこの方か分かるか。」と言ったら、「分からん。」と幸地玉金が言ったら、「そ れじゃあ、こっちからこの石を船の前に置くから、この石の歩くとおり、船を走らせなさい。だが、この箱 の中に神がお供されてるから、この箱は開けていかんよ。」とおっしゃったらしい。 それが、途中であんまり音が恐いもんで、もう仕方なくこの幸地玉金は開けてみたら、また逆に戻ってし まったもんで、「やっぱしもう逆に戻ったねえ。」と思って着いた所が、やっぱしこのおじさんが、白髪の おじさんが見えて、このおじさんが、「ねえ、うちが言うたとおりでしょう。逆に戻るからこれは開けるな よう。」と話したところが、「あんたは、もう仕方がないから、それじゃあもういっぺんお祈りしてやるか ら、恐がらないでお供しなさいよー。」と言ったところ、「はい。」と言って、「これをまたもういっぺん お祈りして、お供したら、今度は恐がらないで、あなたの島の方向はどこどこに着くから、あのその石のと おりこの石を水に浮かべてですよ、この石の歩くとおり船をよこしなさいよ。」と言ったら、「はい。」と 言って、その石の案内の通りそのまま来たら、自分の部落のトゥルンナヤーのちょうど東の方ですね、その 東の方に着いたもんで、それをお供したら立派にお宮も建てて、「これを信じてあの守りなさいよー。」と おっしゃったもんで、「あんたなんかの作り物の初(はち)も十分あげてやりなさいよー。」と言ったとこ ろが、「はい。」と守ってきた。 それから、この幸地玉金という人は、毎日毎日、この朝も晩も海に出て魚とりしてこの魚を昔はクバンと いったがこれ何というかね、神様に供え物をして、妹ね、娘ビルマクイという人はこれをもう朝晩信じてお ったところが、もう話のとおり、自分の部落に主もない名前もない船が着いてきた。これがあの何、幸地玉 金という人とビロマクイと人は、「これを自分のあの神の信仰である。」ということを信じて、もううちの 東の部落の東の方に、一週間でね、茅を刈ってきて、こっちに茅を敷いてから米俵、粟俵をこの船から下ろ したから、カヤスキ浜という名前が付いておる。こっちでね、節(しち)には、世(ゆー)願いといってね 、もう作物(さくぶつ)を今度もでかしてくださいと神にお祈りしてる時にね、カヤスキ浜まで行ってハー リーがあるわけ。こっちでハーリーをするわけさ。 |
| 全体の記録時間数 | 8:38 |
| 物語の時間数 | 7:24 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |