大昔、今の塾みたようなところがあって、男女共学で勉強しておったそうであるが、そのうちの男一人が
、おなし塾に来ている女を見初めて、「この女を是非妻にしなければいかない。」と思って、女の家(うち
)に行って、親に相談したら、「あんたが望んでおったら、あげますから、授けますから。」ということで
、日取りをして、「いついつの日に、それじゃ来るように。」ということをいうて、この男は、帰されたそ
うであります。その日になって、女のお宅にお願いに行こうと思ったら、途中で、川から、木の葉に乗った
濡れた蚊が流れてきたそうで、この男は、「この蚊は可哀相だから。」と言って、これを助けてやったそう
です。それで、それから親のお宅に行ったら、ちょうど形もおんなし形をして、年頃もおんなし年頃みたよ
うな、女が二人いて、一人は酒瓶を持ち、一人は盃を持って、この男と酒盛りをしようということで座って
おったので、この男は、初め自分が思っておった女は誰であったか、そこに戸惑いして、どう決めたらいい
だろうと思っている時に、その時ちょうど、この男が川で助けてやった蚊が来て、耳の側に来て、「ビンビ
ンビンビン」といって鳴いたので、その男はそれに気付いて、「瓶を持った女が、自分が望んだ女である。
」ということを思いついて、「この瓶を持った女にしてください。」と言ったら、本当に自分が思った女に
当たったそうです。人間は、生き物というものを何でも無残に殺さずに、大切にしなければいかないという
教訓話であるそうです。
| レコード番号 | 47O150013 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C001 |
| 決定題名 | 蚊の恩返し(方言) |
| 話者がつけた題名 | 蚊の鳴き声 |
| 話者名 | 上間金蔵 |
| 話者名かな | うえまきんぞう |
| 生年月日 | 1898508 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19750804 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜T02A02 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | むかすむかす |
| 伝承事情 | 祖父から聞いた。 |
| 文字化資料 | 大浜の民話(平成7年度卒業論文)P87 |
| キーワード | 嫁取り,蚊,二人の娘,瓶 |
| 梗概(こうがい) | 大昔、今の塾みたようなところがあって、男女共学で勉強しておったそうであるが、そのうちの男一人が 、おなし塾に来ている女を見初めて、「この女を是非妻にしなければいかない。」と思って、女の家(うち )に行って、親に相談したら、「あんたが望んでおったら、あげますから、授けますから。」ということで 、日取りをして、「いついつの日に、それじゃ来るように。」ということをいうて、この男は、帰されたそ うであります。その日になって、女のお宅にお願いに行こうと思ったら、途中で、川から、木の葉に乗った 濡れた蚊が流れてきたそうで、この男は、「この蚊は可哀相だから。」と言って、これを助けてやったそう です。それで、それから親のお宅に行ったら、ちょうど形もおんなし形をして、年頃もおんなし年頃みたよ うな、女が二人いて、一人は酒瓶を持ち、一人は盃を持って、この男と酒盛りをしようということで座って おったので、この男は、初め自分が思っておった女は誰であったか、そこに戸惑いして、どう決めたらいい だろうと思っている時に、その時ちょうど、この男が川で助けてやった蚊が来て、耳の側に来て、「ビンビ ンビンビン」といって鳴いたので、その男はそれに気付いて、「瓶を持った女が、自分が望んだ女である。 」ということを思いついて、「この瓶を持った女にしてください。」と言ったら、本当に自分が思った女に 当たったそうです。人間は、生き物というものを何でも無残に殺さずに、大切にしなければいかないという 教訓話であるそうです。 |
| 全体の記録時間数 | 2:34 |
| 物語の時間数 | 2:09 |
| 言語識別 | 方言 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |