旧の三月三日は大潮で潮引くでしょ。だから特に女は全部浜下りというのがあるさ。浜下りをしてハブの子を妊娠しておるんだから、これをおろしなさいという意味もあるんだな。ハブの子を妊娠したというのは、日本にもあるし世界各国もあるよ。一人の一人の娘がね、絶世の美人さ。昔はこの年頃になるとね、男も女も裏座といって裏側に自分の部屋を与えられたんだよ。裏座の右側は男が、中の方は女が。家(いえ)は、こうして裏座というのは小さくしてたくさん仕切って作ったんだよな。年頃になると男女が遊び友達を連れてきて寝なさいという意味だろうな。そうせんと何十なっても結婚できないよという意味でないか。 女がこう寝てると、夜に夜中になると美しい美男子が来てね、女に寄り添うて寝るわけさ。そしてあまり綺麗な男であるし、娘は絶世の美人でしょ。で、幾月か一緒に寝たんだな。ところがこの年頃になったもんだから母親に言うたわけさ。「夜な夜ないい男が来て自分の所に寝て帰るんだが、名前も聞いて一緒になっていいか。」という話をしたわけさ。で、この男っていうのはどういう男か分からんから、昔はぶー、麻よ。あれをこう紡いだでしょ。今でも紡ぐでしょ。「麻を紡いでね、その上に針の目に通してからね、今晩来
たら知らない、気づかれないようにこれをこの針を付けて、男に刺しなさい。」ということをお母さんが教えたわけだな。その晩、この娘さんはその針を刺したわけだ。そして翌朝、このこの男は、家(うち)に帰る途中、このぶーがもう何百メートルと紡がれてるでしょ。これを引っ張っていってね、行くと海の側の洞窟の中にこのぶーが入っておったって。そこまで、このぶーが続いてるわけさ。それで、「これは大蛇であったんだな。大蛇の化身から化けたものだな。」ということが分かってね、その時は既にこの女は妊娠しておったわけさ。それで、「これはハブの子どもだ。」ということで、その後、女は三月三日になると海に浜に下りていって、潮干狩りをしながら身を清めなさいということが始まったというわけさーな。これの一番大元となっている話はね、宮古島の漲水神社の話、あれが大元ですよ。
| レコード番号 | 47O150382 |
|---|---|
| CD番号 | 47O15C024 |
| 決定題名 | 蛇婿入り(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 慶田正介 |
| 話者名かな | けいだせいすけ |
| 生年月日 | 19181129 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市大浜 |
| 記録日 | 19940824 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市大浜 T101 A11 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 本格昔話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | 大浜の民話 P66 |
| キーワード | 旧三月三日,大潮,浜下り,ハブ,妊娠,裏座,美男子,麻,針,洞窟,大蛇,化身,宮古島,漲水神社 |
| 梗概(こうがい) | 旧の三月三日は大潮で潮引くでしょ。だから特に女は全部浜下りというのがあるさ。浜下りをしてハブの子を妊娠しておるんだから、これをおろしなさいという意味もあるんだな。ハブの子を妊娠したというのは、日本にもあるし世界各国もあるよ。一人の一人の娘がね、絶世の美人さ。昔はこの年頃になるとね、男も女も裏座といって裏側に自分の部屋を与えられたんだよ。裏座の右側は男が、中の方は女が。家(いえ)は、こうして裏座というのは小さくしてたくさん仕切って作ったんだよな。年頃になると男女が遊び友達を連れてきて寝なさいという意味だろうな。そうせんと何十なっても結婚できないよという意味でないか。 女がこう寝てると、夜に夜中になると美しい美男子が来てね、女に寄り添うて寝るわけさ。そしてあまり綺麗な男であるし、娘は絶世の美人でしょ。で、幾月か一緒に寝たんだな。ところがこの年頃になったもんだから母親に言うたわけさ。「夜な夜ないい男が来て自分の所に寝て帰るんだが、名前も聞いて一緒になっていいか。」という話をしたわけさ。で、この男っていうのはどういう男か分からんから、昔はぶー、麻よ。あれをこう紡いだでしょ。今でも紡ぐでしょ。「麻を紡いでね、その上に針の目に通してからね、今晩来 たら知らない、気づかれないようにこれをこの針を付けて、男に刺しなさい。」ということをお母さんが教えたわけだな。その晩、この娘さんはその針を刺したわけだ。そして翌朝、このこの男は、家(うち)に帰る途中、このぶーがもう何百メートルと紡がれてるでしょ。これを引っ張っていってね、行くと海の側の洞窟の中にこのぶーが入っておったって。そこまで、このぶーが続いてるわけさ。それで、「これは大蛇であったんだな。大蛇の化身から化けたものだな。」ということが分かってね、その時は既にこの女は妊娠しておったわけさ。それで、「これはハブの子どもだ。」ということで、その後、女は三月三日になると海に浜に下りていって、潮干狩りをしながら身を清めなさいということが始まったというわけさーな。これの一番大元となっている話はね、宮古島の漲水神社の話、あれが大元ですよ。 |
| 全体の記録時間数 | 4:42 |
| 物語の時間数 | 3:50 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | ○ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |