黒島に田んぼなくて石垣には田んぼがあるから、無理矢理に黒島から道分けをしてね、石垣の野底に黒島の人を移すことになった。そのとき、マーペは結婚すると相談する仲になっているカニムイという男がいて愛し合っていたが、道で分けられてマーペは石垣に行くことなり、カニムイは黒島に残ることになったから、二人は、「二人は恋仲なって結婚することになってるからどうぞ二人は黒島におくなら黒島に、石垣に行くなら石垣に二人一緒に行かせてちょうだい。」と役人に願ってたんだけど、役人は聞いてくれない。
マーペは泣く泣く恋仲を割かれて野底に移民として行ったわけね。野底に行っても、いつもカニムイ思うから、「野底岳に登ったら黒島のカニムイを見られるかな。」と思って登っても見られないさあね。「今日も見られないが、明日は見られるかな。」と次の日も登ったけど、やはり全然見られない。こうやっている間にもマーペはどんどん痩せこけてしまったから、伊原間の人も野底の人もみんなマーペをいたわって、「かわいそうだ。みんなで何とかしてあげよう。」と思ってもどうしようもないわけよ。こうやってる間に野底の住民と伊原間の住民が一つになって全部伊原間に集まって何かのお祭をしていたら、マーペの姿が見えなくなった。だから、「マーペは今日はどうしたかな。」とよくマーペが上がる森があるからみんなでマーペを探しに行ったら、マーペは石になっていたと。マーペはいくら黒島を思っても、カニムイを思っても、於茂登山に遮られて見えるわけないよね。だから、マーペが健在の時にいくら上がっても黒島が見えなかった。於茂登からずっと来ると名蔵の後ろに別のまた山があるんだよ。だから、こういう思いを叶えさせるためにね、「ここに松の木を植えるからね、これをカニムイと思って見なさい。」とその山にマーペの兄弟が植えた殿原松(とぅなばるまつ)という松の木が三本あったよ。あの松は、こんな山の頂上になんでまたこんな松が生えたのかなあとこの不思議に思うぐらいすごい岩盤のところにごく最近まであったんだよ。今はあれも松喰い虫にやられて枯れてなくなってる。あったけどね、今あの松もかれてなくなっている。
| レコード番号 | 47O341257 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C097 |
| 決定題名 | 野底マーペ(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 田本浩 |
| 話者名かな | たもとひろし |
| 生年月日 | 19240726 |
| 性別 | 男 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字平得 |
| 記録日 | 19980314 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市平得 T75 B09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 黒島,田んぼ,石垣,無理矢理,道分け,野底,マーペ,結婚,カニムイ,愛し合っていた,移民,野底岳,伊原間,お祭,石,於茂登山,松の木,殿原松 |
| 梗概(こうがい) | 黒島に田んぼなくて石垣には田んぼがあるから、無理矢理に黒島から道分けをしてね、石垣の野底に黒島の人を移すことになった。そのとき、マーペは結婚すると相談する仲になっているカニムイという男がいて愛し合っていたが、道で分けられてマーペは石垣に行くことなり、カニムイは黒島に残ることになったから、二人は、「二人は恋仲なって結婚することになってるからどうぞ二人は黒島におくなら黒島に、石垣に行くなら石垣に二人一緒に行かせてちょうだい。」と役人に願ってたんだけど、役人は聞いてくれない。 マーペは泣く泣く恋仲を割かれて野底に移民として行ったわけね。野底に行っても、いつもカニムイ思うから、「野底岳に登ったら黒島のカニムイを見られるかな。」と思って登っても見られないさあね。「今日も見られないが、明日は見られるかな。」と次の日も登ったけど、やはり全然見られない。こうやっている間にもマーペはどんどん痩せこけてしまったから、伊原間の人も野底の人もみんなマーペをいたわって、「かわいそうだ。みんなで何とかしてあげよう。」と思ってもどうしようもないわけよ。こうやってる間に野底の住民と伊原間の住民が一つになって全部伊原間に集まって何かのお祭をしていたら、マーペの姿が見えなくなった。だから、「マーペは今日はどうしたかな。」とよくマーペが上がる森があるからみんなでマーペを探しに行ったら、マーペは石になっていたと。マーペはいくら黒島を思っても、カニムイを思っても、於茂登山に遮られて見えるわけないよね。だから、マーペが健在の時にいくら上がっても黒島が見えなかった。於茂登からずっと来ると名蔵の後ろに別のまた山があるんだよ。だから、こういう思いを叶えさせるためにね、「ここに松の木を植えるからね、これをカニムイと思って見なさい。」とその山にマーペの兄弟が植えた殿原松(とぅなばるまつ)という松の木が三本あったよ。あの松は、こんな山の頂上になんでまたこんな松が生えたのかなあとこの不思議に思うぐらいすごい岩盤のところにごく最近まであったんだよ。今はあれも松喰い虫にやられて枯れてなくなってる。あったけどね、今あの松もかれてなくなっている。 |
| 全体の記録時間数 | 5:13 |
| 物語の時間数 | 2:37 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |