御願崎の石(共通語)

概要

昔、御願崎の周辺にね、大きな蛸が住んでいて、昔から向こうは沖縄本島とか宮古とかという所から交易する船が来て通り、台湾からのいろんな船が入る所だから、その船が来たらこの大蛸がね、これをみんな巻き込んで、人を食べたりいろんな悪さをしていた。「何とかしてこの蛸を退治しないといけない。」ということから、話がまとまったのは、「茅を刈って積んだ船を何十隻も出して、蛸が来たら茅は浮くから茅を流そう。そしたら蛸は茅を抱くから、その時にみんなであの蛸を退治しよう。」と相談して、相談の通り何十隻の船に茅を沢山積んで、御願崎の海に出ると思った通り蛸が現れた。すぐ、「今だ。」と言って、みんな茅を流したから、蛸は八本の足であの茅も抱く、この茅も抱く。そうすると茅は浮くから、あれだけの茅を抱いていては、沈もうと思っても浮かざるをえないさあね。こんなに頭だけぽつんと出していたもんだから、「今だ。」とみんなで弓の矢であの蛸を退治して蛸は海の藻屑となり、その蛸の頭は、大きな石になって海の底に転がっていたわけ。さあ、これからが大変だ。これだけの悪さをしたこの蛸はこの辺の海を治める海の神の権力者だったから、その祟りでそれからは蛸も魚も取れなくなった。だから、「これをなんとかしてお祀りしてあげないどうもならん。」ということになったもんだから、「じゃあどうするか。」ということになって、この辺を治める海の神様のイナシノの神様が、「海の底のあの石は蛸の魂だから、あの石を岩の上に上げて弔って慰めてあげよう。」ということで、剛力のイナシノの神様が蛸の頭が沈んだ海の底からね、この石を持ち上げて、御願崎の岩の上に載せた。それが御願崎にある石で、だから、この石の名前はイナシノの石とも言われる。もう一つの話は、長田大主に追われたオヤケ赤蜂が、この石の上から伊原間に跳んだために、石が二つに割れているという説もある。

再生時間:3:51

民話詳細DATA

レコード番号 47O341255
CD番号 47O34C097
決定題名 御願崎の石(共通語)
話者がつけた題名
話者名 田本浩
話者名かな たもとひろし
生年月日 19240726
性別
出身地 沖縄県石垣市字平得
記録日 19980314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市平得 T75 B07
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話、 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 御願崎,大きな蛸,沖縄本島,宮古,交易,船,台湾,退治,茅,弓の矢,海の神様,イナシノの神様,剛力,オヤケ赤蜂,伊原間,跳んだ,二つに割れている
梗概(こうがい) 昔、御願崎の周辺にね、大きな蛸が住んでいて、昔から向こうは沖縄本島とか宮古とかという所から交易する船が来て通り、台湾からのいろんな船が入る所だから、その船が来たらこの大蛸がね、これをみんな巻き込んで、人を食べたりいろんな悪さをしていた。「何とかしてこの蛸を退治しないといけない。」ということから、話がまとまったのは、「茅を刈って積んだ船を何十隻も出して、蛸が来たら茅は浮くから茅を流そう。そしたら蛸は茅を抱くから、その時にみんなであの蛸を退治しよう。」と相談して、相談の通り何十隻の船に茅を沢山積んで、御願崎の海に出ると思った通り蛸が現れた。すぐ、「今だ。」と言って、みんな茅を流したから、蛸は八本の足であの茅も抱く、この茅も抱く。そうすると茅は浮くから、あれだけの茅を抱いていては、沈もうと思っても浮かざるをえないさあね。こんなに頭だけぽつんと出していたもんだから、「今だ。」とみんなで弓の矢であの蛸を退治して蛸は海の藻屑となり、その蛸の頭は、大きな石になって海の底に転がっていたわけ。さあ、これからが大変だ。これだけの悪さをしたこの蛸はこの辺の海を治める海の神の権力者だったから、その祟りでそれからは蛸も魚も取れなくなった。だから、「これをなんとかしてお祀りしてあげないどうもならん。」ということになったもんだから、「じゃあどうするか。」ということになって、この辺を治める海の神様のイナシノの神様が、「海の底のあの石は蛸の魂だから、あの石を岩の上に上げて弔って慰めてあげよう。」ということで、剛力のイナシノの神様が蛸の頭が沈んだ海の底からね、この石を持ち上げて、御願崎の岩の上に載せた。それが御願崎にある石で、だから、この石の名前はイナシノの石とも言われる。もう一つの話は、長田大主に追われたオヤケ赤蜂が、この石の上から伊原間に跳んだために、石が二つに割れているという説もある。
全体の記録時間数 7:02
物語の時間数 3:51
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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