金の蟹(共通語)

概要

昔、財産がない貧しい漁師がいた。その男は毎日釣りに行って魚を釣って、それを食べたり、売ったりしてようやくその日その日の暮らしをしていた。真面目な人だったので、みんなから慕われていたけれども、生活が苦しいから金持ちからお金を借りていたので金持ちからはいつも、「借りたお金はいつ持ってくるんだ。」と請求されてもない袖はふれないから、困っていた。そして、毎日漁に行って一生懸命働いていると、ぴかぴかと光る金の蟹が現れて、「大変真面目に働いているね。私の背中にのりなさい。」と言うから、「何事かね。」と思って蟹に乗るとその蟹はいつの間にか鳥になって飛びお月様に着くとまた金の蟹になった。お月様には大きな金の木が生えていた。その蟹が言うには、「私が三回廻る間に、あんたはあの枝を折って遅れないように帰って来なさいよ。」と言ったので、その漁師は、金の蟹が三回廻る間に折りやすい枝を折って、また蟹に乗って下界に降りて来た。その枝を振ると大判小判が出て来るので、その人は借金も返して金持ちになった。漁師が急に金持ちになったので、隣のお金持ちは、漁師の家に来て、「お前はどうしてこんなに金持ちになったか。」と聞いたので、漁師は、「こういうわけで金の蟹にお月様に連れて行ってもらって金持ちになった。」と話をすると、その金持ちは、「よし、僕もやろう。」と海に行って、「金色の蟹よ、出てこい。出てこい。」と呼ぶと、金色の蟹が出てきてから、その蟹に乗せてもらってお月様に行った。お月様には金の木があって、蟹が前と同じように、「私が三回廻る間に、あんたはあの枝を折ってきなさい。遅れないようにしなさいよ。」と言ったが、その金持ちの男は欲張りだから、「大きな枝を折って持って帰ったら、もっと沢山お金が出るだろう。」と思って折ろうとしたけれども、大きな枝だから簡単に折れないので、蟹が三回廻る間に折れないまま木の枝にぶらさがっているうちに、蟹は降りて行ってしまったので、この男は今でもお月様の木の枝にぶら下がっている。だから、月の中の黒い陰は、この男がぶら下がっている姿だという。

再生時間:4:00

民話詳細DATA

レコード番号 47O341250
CD番号 47O34C096
決定題名 金の蟹(共通語)
話者がつけた題名
話者名 田本浩
話者名かな たもとひろし
生年月日 19240726
性別
出身地 沖縄県石垣市字平得
記録日 19980314
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市平得 T75 B02
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話、 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 八重山諸島民話集 P59 石垣島の民話 P58
キーワード 貧しい漁師,真面目な人,慕われていた,お金を借りていた,一生懸命,光る,金の蟹,背中,鳥になって,お月様,金の木,三回廻る,枝,下界,大判小判,金持ち,隣のお金持ちは,欲張り,大きな枝,木の枝にぶら下がっている,
梗概(こうがい) 昔、財産がない貧しい漁師がいた。その男は毎日釣りに行って魚を釣って、それを食べたり、売ったりしてようやくその日その日の暮らしをしていた。真面目な人だったので、みんなから慕われていたけれども、生活が苦しいから金持ちからお金を借りていたので金持ちからはいつも、「借りたお金はいつ持ってくるんだ。」と請求されてもない袖はふれないから、困っていた。そして、毎日漁に行って一生懸命働いていると、ぴかぴかと光る金の蟹が現れて、「大変真面目に働いているね。私の背中にのりなさい。」と言うから、「何事かね。」と思って蟹に乗るとその蟹はいつの間にか鳥になって飛びお月様に着くとまた金の蟹になった。お月様には大きな金の木が生えていた。その蟹が言うには、「私が三回廻る間に、あんたはあの枝を折って遅れないように帰って来なさいよ。」と言ったので、その漁師は、金の蟹が三回廻る間に折りやすい枝を折って、また蟹に乗って下界に降りて来た。その枝を振ると大判小判が出て来るので、その人は借金も返して金持ちになった。漁師が急に金持ちになったので、隣のお金持ちは、漁師の家に来て、「お前はどうしてこんなに金持ちになったか。」と聞いたので、漁師は、「こういうわけで金の蟹にお月様に連れて行ってもらって金持ちになった。」と話をすると、その金持ちは、「よし、僕もやろう。」と海に行って、「金色の蟹よ、出てこい。出てこい。」と呼ぶと、金色の蟹が出てきてから、その蟹に乗せてもらってお月様に行った。お月様には金の木があって、蟹が前と同じように、「私が三回廻る間に、あんたはあの枝を折ってきなさい。遅れないようにしなさいよ。」と言ったが、その金持ちの男は欲張りだから、「大きな枝を折って持って帰ったら、もっと沢山お金が出るだろう。」と思って折ろうとしたけれども、大きな枝だから簡単に折れないので、蟹が三回廻る間に折れないまま木の枝にぶらさがっているうちに、蟹は降りて行ってしまったので、この男は今でもお月様の木の枝にぶら下がっている。だから、月の中の黒い陰は、この男がぶら下がっている姿だという。
全体の記録時間数 4:10
物語の時間数 4:00
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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