真栄里のトゥバラーマ(共通語)

概要

七代前の祖先の爺ちゃんの屋敷を仲筋家(なかすじやー)と言うたらしいですね。その仲筋家には、両親と娘が一人おったらしいです。この娘は今の歌にあるような仲筋カナシーと言うきれいな娘だったそうです。この美人の娘が年ごろになったもんだから、美人だという噂が八重山中に広まって、石垣の青年(にーせー)も、また東方面の男性も、この美人のカナシーに会いに毎夜通ったらしいですよ。そのころの歌に、この仲堂道を七キロ通ってもカナシヤマには会えないって言う歌がありますよね。今カナシヤマは、歌では美人と書いてね、カヌシャーマと読んでるらしいですよ。この歌のとうり毎日、東からも西からも青年達が通ったらしいですが、このカナシヤマは絶対外には出ないし、誰一人にも会ったことなかったそうです。ある晩すごい台風で、その台風のとき男性は同じ気持ちで、「こういうときには誰も来ないだろう。俺が行って会ってやろう。」と言うような考えで、みんな石垣方面の男性も、東方面の男性も、蓑笠を着けて会いに来たから、その晩は特別多く青年達が来たらしいですよ。このカナシヤマも、同し思いで、「こんな台風では誰も来ないだろう。」と言うことで、昔のトイレは家の外にあって、それを囲っているのは昔は雨戸じゃなくって萱で作った戸があったらしいですよ。この萱の戸を開けて用を足しているときに、道ではいつもより多い男性が集まってね、夏はちょうど福木の実が落ちる時期ですから、台風の時期にはこの福木の実が大変落ちとったから、男性はみんなこの福木の実を投げて、このカナシヤマに合図したらしいですよ。そしたら、このカナシヤマは、この福木の実をとっても恨んで、「この屋敷には福木軒を生えないでください。」と言うことをいうて思いつめたからこの家の屋敷には祖先代々福木は生えないと今でも言い伝えられています。この部落の各家庭の防風林には、福木のある家がたくさんあるんですけど、私のお家だけには、植えても植えても生えないから福木はないですよ。私の家の主人は五代目、六代目ぐらいになるんですけどやはり植えても生えないらしいですよ。今でも桑ノ木とかね、マキありますがね、福木生えてきて育ってても枯れてしまうんです。今ようやく、一本こんくらいで生えてるんですよね、大事に育ててますよ。この七代前の祖先のカナシヤマは、宮良(まりや)タカシの何代目かの祖先の男性とね、再婚してこの屋敷を買われたので、このカナシヤマには宮良(まりや)グウってありますよね。だけど再婚しても子供もいなかったらしいですね。子供がないから、今はバスターミナルのちょっと西斜めにある若松書店の宮良タカシさんは三年か、四年前になくなったんですけれども、カナシヤマの血を引いた家だからね、自分たちが新しくカナシヤマの墓も宮良の墓も作ってカナシヤマの墓を見てるそうです。

再生時間:10:48

民話詳細DATA

レコード番号 47O341420
CD番号 47O34C108
決定題名 真栄里のトゥバラーマ(共通語)
話者がつけた題名
話者名 仲大盛トヨ
話者名かな なかおおもりとよ
生年月日 19211010
性別
出身地 沖縄県石垣市字真栄里
記録日 19980313
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市真栄里 T87 A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 仲筋家,娘,歌,仲筋カナシー,美人,八重山,石垣,にーせー,毎夜,仲堂道,カナシヤマ,台風,蓑笠,福木の実,合図,宮良,墓
梗概(こうがい) 七代前の祖先の爺ちゃんの屋敷を仲筋家(なかすじやー)と言うたらしいですね。その仲筋家には、両親と娘が一人おったらしいです。この娘は今の歌にあるような仲筋カナシーと言うきれいな娘だったそうです。この美人の娘が年ごろになったもんだから、美人だという噂が八重山中に広まって、石垣の青年(にーせー)も、また東方面の男性も、この美人のカナシーに会いに毎夜通ったらしいですよ。そのころの歌に、この仲堂道を七キロ通ってもカナシヤマには会えないって言う歌がありますよね。今カナシヤマは、歌では美人と書いてね、カヌシャーマと読んでるらしいですよ。この歌のとうり毎日、東からも西からも青年達が通ったらしいですが、このカナシヤマは絶対外には出ないし、誰一人にも会ったことなかったそうです。ある晩すごい台風で、その台風のとき男性は同じ気持ちで、「こういうときには誰も来ないだろう。俺が行って会ってやろう。」と言うような考えで、みんな石垣方面の男性も、東方面の男性も、蓑笠を着けて会いに来たから、その晩は特別多く青年達が来たらしいですよ。このカナシヤマも、同し思いで、「こんな台風では誰も来ないだろう。」と言うことで、昔のトイレは家の外にあって、それを囲っているのは昔は雨戸じゃなくって萱で作った戸があったらしいですよ。この萱の戸を開けて用を足しているときに、道ではいつもより多い男性が集まってね、夏はちょうど福木の実が落ちる時期ですから、台風の時期にはこの福木の実が大変落ちとったから、男性はみんなこの福木の実を投げて、このカナシヤマに合図したらしいですよ。そしたら、このカナシヤマは、この福木の実をとっても恨んで、「この屋敷には福木軒を生えないでください。」と言うことをいうて思いつめたからこの家の屋敷には祖先代々福木は生えないと今でも言い伝えられています。この部落の各家庭の防風林には、福木のある家がたくさんあるんですけど、私のお家だけには、植えても植えても生えないから福木はないですよ。私の家の主人は五代目、六代目ぐらいになるんですけどやはり植えても生えないらしいですよ。今でも桑ノ木とかね、マキありますがね、福木生えてきて育ってても枯れてしまうんです。今ようやく、一本こんくらいで生えてるんですよね、大事に育ててますよ。この七代前の祖先のカナシヤマは、宮良(まりや)タカシの何代目かの祖先の男性とね、再婚してこの屋敷を買われたので、このカナシヤマには宮良(まりや)グウってありますよね。だけど再婚しても子供もいなかったらしいですね。子供がないから、今はバスターミナルのちょっと西斜めにある若松書店の宮良タカシさんは三年か、四年前になくなったんですけれども、カナシヤマの血を引いた家だからね、自分たちが新しくカナシヤマの墓も宮良の墓も作ってカナシヤマの墓を見てるそうです。
全体の記録時間数 11:11
物語の時間数 10:48
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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