つい最近だけど私の同級生の友達がいるんですよ。その旦那がね、五、六年前になるかね。なんか夜の会合があって帰るときにね、新栄公園(しんえいこうえん)の下の方に行ったらその東側に黒い異臭プンプンの汚いどぶ川があるんですよ。この辺りを通って酔っぱらっているときにね、何か川の方からね、招き寄せられるような感じがして、その旦那さんは、「いや、いや、あっち行ったら大変だ。落ちる。落ちる。」と思っておるのに、身体がグイグイ引っ張られいってね、ついにそこに落ちたんですよ。それで、酒は飲んでるし、酔っぱらって身体の自由はちょっときかんでしょ。大声で、「助けて。助けて。」と言っていたら、ちょうどうまい具合に、その近くに消防署があって、消防署の人がここ通り掛かったのか、「あい、人の声が聞こえる。」と言って、この人を助けてね。すぐ救急車で八重山病院に運んだんですよ。それで水は飲んでるし、冬のことだから冷えてからね。おそらくだめじゃないかなと言われて、「この妻も息子や娘達も遠くにいるの皆呼べ。」って言うから、家族の人達は、「お父さん時間の問題らしいよ。」と言って心配して行ったんですね。身体も冷えきっていて、汚物を飲み込んでるから、みんな出させたりしてね、妻は付きっ切りで湯たんぽで全部身体を一生懸命温めたりしているうちにようやく命を取り留めたんです。 この人は無神論者だったの。「世の中に神様も仏様のない、信ずるのは自分だけだ」とそう言っていた人だけれども、この人は元気なってはいるんですけどね、この人が臨死体験をして、三途の川まで行ったわけでしょ。そしたら自分の亡くなったお父さん、お母さんといろいろな親類縁者の人がずらっと正装して並んでいたんですって。そして、「来たか。来たか。」と言って迎える表情をしているんだったら、この人は三途の川を渡ってあの世に行ったでしょうね。ところが、その並んでいる人達が、「お前は、まだこっちに来るべきじゃない。帰れ。帰れ。」とおっしゃったって。それで息を吹き替えしたと言うんですよ。それをこの妻が聞いてね、「やっぱりあの世というのはあるんだね。」と言って、それから仏様も神も何もないと言っていた人だったが、床の間に神様を飾って拝むしね、火(ひ)の神(かん)を祀ったりね、また香炉を床の間に飾って自分の一家の安全を願うようになりましたよ。だから、その友達は、私にね、「自分の主人は命は九死に一生を得てね、神様を持たされているからそれを信じて一生懸命ありがとうございますと言うてお願いをしてるよ。」と聞いたんです。
| レコード番号 | 47O340640 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C045 |
| 決定題名 | 後生戻り(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 糸洲マサ |
| 話者名かな | いとすまさ |
| 生年月日 | 19250413 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字新川 |
| 記録日 | 19980908 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字新川 T53 A09 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 世間話 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | - |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 同級生の友達,旦那,夜の会合,どぶ川,招き寄せられる,落ちた,消防署の人,助けて,無神論者,臨死体験,三途の川,親類縁者,仏様,神様,火(ひ)の神(かん),香炉 |
| 梗概(こうがい) | つい最近だけど私の同級生の友達がいるんですよ。その旦那がね、五、六年前になるかね。なんか夜の会合があって帰るときにね、新栄公園(しんえいこうえん)の下の方に行ったらその東側に黒い異臭プンプンの汚いどぶ川があるんですよ。この辺りを通って酔っぱらっているときにね、何か川の方からね、招き寄せられるような感じがして、その旦那さんは、「いや、いや、あっち行ったら大変だ。落ちる。落ちる。」と思っておるのに、身体がグイグイ引っ張られいってね、ついにそこに落ちたんですよ。それで、酒は飲んでるし、酔っぱらって身体の自由はちょっときかんでしょ。大声で、「助けて。助けて。」と言っていたら、ちょうどうまい具合に、その近くに消防署があって、消防署の人がここ通り掛かったのか、「あい、人の声が聞こえる。」と言って、この人を助けてね。すぐ救急車で八重山病院に運んだんですよ。それで水は飲んでるし、冬のことだから冷えてからね。おそらくだめじゃないかなと言われて、「この妻も息子や娘達も遠くにいるの皆呼べ。」って言うから、家族の人達は、「お父さん時間の問題らしいよ。」と言って心配して行ったんですね。身体も冷えきっていて、汚物を飲み込んでるから、みんな出させたりしてね、妻は付きっ切りで湯たんぽで全部身体を一生懸命温めたりしているうちにようやく命を取り留めたんです。 この人は無神論者だったの。「世の中に神様も仏様のない、信ずるのは自分だけだ」とそう言っていた人だけれども、この人は元気なってはいるんですけどね、この人が臨死体験をして、三途の川まで行ったわけでしょ。そしたら自分の亡くなったお父さん、お母さんといろいろな親類縁者の人がずらっと正装して並んでいたんですって。そして、「来たか。来たか。」と言って迎える表情をしているんだったら、この人は三途の川を渡ってあの世に行ったでしょうね。ところが、その並んでいる人達が、「お前は、まだこっちに来るべきじゃない。帰れ。帰れ。」とおっしゃったって。それで息を吹き替えしたと言うんですよ。それをこの妻が聞いてね、「やっぱりあの世というのはあるんだね。」と言って、それから仏様も神も何もないと言っていた人だったが、床の間に神様を飾って拝むしね、火(ひ)の神(かん)を祀ったりね、また香炉を床の間に飾って自分の一家の安全を願うようになりましたよ。だから、その友達は、私にね、「自分の主人は命は九死に一生を得てね、神様を持たされているからそれを信じて一生懸命ありがとうございますと言うてお願いをしてるよ。」と聞いたんです。 |
| 全体の記録時間数 | 4:31 |
| 物語の時間数 | 4:30 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |