天人墓(共通語)

概要

天人墓は自然の家の前にあってきれいな墓だったけれどよ、草木に覆われて山のようになっていたのを払ったらまたきれいになったよ、東京やあっちこっちから何十人の方が見にいらっしゃるわけよね。それでして、見せておったのに、土地改良のときに個人に売ったら、みんな潰してして捨ててよ、今畑のなかにいらっしゃるわけさ。40年前、七月(ななつき)日照りしたことがあったときに、あるとき神様が、「自分のことは行事にミルクの神といってやっているけど、自分を知ったものはいない。何百人ものカミングヮーに教えるけどわからないから、あんたに教える。」って言ってよ、そこは墓の近くで、田んぼの水に放されたのは小さな亀(かみ)だったけど、それからこんな大きな亀になってパッと見えたけどガッて金光りしてよ、ゆっくりゆっくりして泣いてよ、涙をぽろぽろぽろ流してよ、「必ず線香立ててくれ。」とおっしゃったもんだからよ、私は、「どなたさんですか。」と言ったらよ、「ミルクの神の墓と言ったら知った人いないけど、天人(てんぴとぅ)の墓と言ったら皆分かる。」とおっしゃったさ。翌日になってこんな夢みたいなのが見えたから驚いて、私は今は亡くなった祖母さんなんかに聞いたら、「あったよ、あったよ。天人の墓と言ったらよ、新川の人皆わかるよ。」とおっしゃったもんで、訪ねて行ったらよ、「ここだったかな。あっちだったかな。」とおっしゃるけどよ、山かぶって分からんさあね。それで、三時、四時まで探しても探しきれないでいたら、うちの人がよ、線香立てたら「あそこだよ。湧く水が見えるよ」と言ってさ、そこは山だのに、といいつつ草木を払ったら周囲が田んぼだった森の上によ、平久保加那按司(ひらくぼかなあじ)って大きな墓があったのさ。それがこのあたりの墓は、真乙姥墓(まいつばばか)でも、皆四角さあね。ところがこの墓は、こんな大きい石が丸く積まれているわけ。そして威部(いび)も建っておったさ。だけどその威部を崩して捨てるって話が聞こえたもんだから心配してよ、その係であるっていう人が職場から帰ってくるのを五時まで待ってよ、「あれはミルク神という天人の墓で、新川の長崎御嶽(ながさきおたけ)の子(にー)ぬ方(ふぁん)の新生井戸(あらまりなー)から、香炉が亀の背中に乗ってきた威部(いび)だから、どうぞ捨ててくれるな。」とお願いして残してもらったんです。それから、そこから、旧の一月の壬(みずのえ)の新水(あらみず)にはきっと水を拝みに行くさ。

再生時間:8:48

民話詳細DATA

レコード番号 47O340618
CD番号 47O34C043
決定題名 天人墓(共通語)
話者がつけた題名 天人墓(てんぴとぅぱか)
話者名 崎枝キヨ
話者名かな さきえだきよ
生年月日 19160711
性別
出身地 沖縄県石垣市字新川
記録日 19980908
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字新川 T51 A01
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料
キーワード 天人墓,草木に覆われて,土地改良,潰して,四〇年前,七月日照り,神々,田んぼ,小さな亀,金光り,涙を,線香,ミルクの神,天人,夢,平久保加那按司,大きい石,丸く積まれている,威部,新川,長崎御嶽,子ぬ方,新生井戸,香炉,旧の一月,壬,新水,拝み
梗概(こうがい) 天人墓は自然の家の前にあってきれいな墓だったけれどよ、草木に覆われて山のようになっていたのを払ったらまたきれいになったよ、東京やあっちこっちから何十人の方が見にいらっしゃるわけよね。それでして、見せておったのに、土地改良のときに個人に売ったら、みんな潰してして捨ててよ、今畑のなかにいらっしゃるわけさ。40年前、七月(ななつき)日照りしたことがあったときに、あるとき神様が、「自分のことは行事にミルクの神といってやっているけど、自分を知ったものはいない。何百人ものカミングヮーに教えるけどわからないから、あんたに教える。」って言ってよ、そこは墓の近くで、田んぼの水に放されたのは小さな亀(かみ)だったけど、それからこんな大きな亀になってパッと見えたけどガッて金光りしてよ、ゆっくりゆっくりして泣いてよ、涙をぽろぽろぽろ流してよ、「必ず線香立ててくれ。」とおっしゃったもんだからよ、私は、「どなたさんですか。」と言ったらよ、「ミルクの神の墓と言ったら知った人いないけど、天人(てんぴとぅ)の墓と言ったら皆分かる。」とおっしゃったさ。翌日になってこんな夢みたいなのが見えたから驚いて、私は今は亡くなった祖母さんなんかに聞いたら、「あったよ、あったよ。天人の墓と言ったらよ、新川の人皆わかるよ。」とおっしゃったもんで、訪ねて行ったらよ、「ここだったかな。あっちだったかな。」とおっしゃるけどよ、山かぶって分からんさあね。それで、三時、四時まで探しても探しきれないでいたら、うちの人がよ、線香立てたら「あそこだよ。湧く水が見えるよ」と言ってさ、そこは山だのに、といいつつ草木を払ったら周囲が田んぼだった森の上によ、平久保加那按司(ひらくぼかなあじ)って大きな墓があったのさ。それがこのあたりの墓は、真乙姥墓(まいつばばか)でも、皆四角さあね。ところがこの墓は、こんな大きい石が丸く積まれているわけ。そして威部(いび)も建っておったさ。だけどその威部を崩して捨てるって話が聞こえたもんだから心配してよ、その係であるっていう人が職場から帰ってくるのを五時まで待ってよ、「あれはミルク神という天人の墓で、新川の長崎御嶽(ながさきおたけ)の子(にー)ぬ方(ふぁん)の新生井戸(あらまりなー)から、香炉が亀の背中に乗ってきた威部(いび)だから、どうぞ捨ててくれるな。」とお願いして残してもらったんです。それから、そこから、旧の一月の壬(みずのえ)の新水(あらみず)にはきっと水を拝みに行くさ。
全体の記録時間数 9:38
物語の時間数 8:48
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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