真乙姥御嶽の近くに、宇根家(うねけ)がある。この宇根家の人は船頭さんで、昔、首里に上るときは、いつも船頭役を勤めておられた。その家の本妻は目が見えなくってしまった。だから第二婦人のお妾さんがその面倒を見ていた。お妾さんは真乙姥御嶽で「どうぞ、夫が無事に帰ってくるように。そうして下さればきっとこういう綱を引いて感謝の奉納をします。」と祈願した。宇根家の船頭さんが無事に帰ってきたときに、第一回目の奉納をしたというのが豊年祭の綱引きの由来である。豊年祭には、二ヶ所で綱引きをする。御嶽の前で引くのはアヒャー綱と言って女性だけで綱を引く。これは男の人は触ったらいけない。綱には、雌綱、雄綱というのが形どられている。それを合わせ、丸く開いた穴に両方合わせてそこに棒を通して二本が一本になったときに初めて両方に引くことができる。棒を入れるのも選ばれた人が行なう。長崎御嶽には婦人の役目があり、いろいろと司の手伝いをする。その中役の二人は夫婦揃っている人がやる。未亡人はできない。真乙姥に奉納する全ての字の舞踊とかが全部終わると、夕暮れ時に、綱を西に三〇〇メートルぐらい移動させる。そこでは婦人だけではなく綱を引きたい人は、よその字の人でも男性でも、誰でも自由に参加することができる。その場所は御嶽ではなく、道の十字路のところである。なぜその場所で綱を引くことになったのかは、またいろいろ説がある。昔、真久田屋が水元役だったからという人もいる。また、昔、タカナ屋に、火の見石という高い石があって、そこでは沖のほうから入って来る船を見渡せることができたからという人もいる。
| レコード番号 | 47O340607 |
|---|---|
| CD番号 | 47O34C041 |
| 決定題名 | 新川の綱引き(共通語) |
| 話者がつけた題名 | - |
| 話者名 | 山根慶子 |
| 話者名かな | やまねけいこ |
| 生年月日 | 19241105 |
| 性別 | 女 |
| 出身地 | 沖縄県石垣市字新川 |
| 記録日 | 19980312 |
| 記録者の所属組織 | 沖縄口承文芸学術調査団 |
| 元テープ番号 | 石垣市字新川 T49 A09-B01 |
| 元テープ管理者 | 沖縄伝承話資料センター |
| 分類 | 伝説、 民俗 |
| 発句(ほっく) | - |
| 伝承事情 | 慶応元年生まれのお祖母さんから聞いた |
| 文字化資料 | - |
| キーワード | 真乙姥御嶽,宇根家,船頭,首里,本妻,妾,綱,感謝の奉納,祈願,豊年祭,綱引き,二ヶ所,アヒャー綱,女性,雌綱,雄綱,棒,長崎御嶽,婦人の役目,司,手伝い,中役,十字路,真久田屋,水元役,タカナ屋,火の見石 |
| 梗概(こうがい) | 真乙姥御嶽の近くに、宇根家(うねけ)がある。この宇根家の人は船頭さんで、昔、首里に上るときは、いつも船頭役を勤めておられた。その家の本妻は目が見えなくってしまった。だから第二婦人のお妾さんがその面倒を見ていた。お妾さんは真乙姥御嶽で「どうぞ、夫が無事に帰ってくるように。そうして下さればきっとこういう綱を引いて感謝の奉納をします。」と祈願した。宇根家の船頭さんが無事に帰ってきたときに、第一回目の奉納をしたというのが豊年祭の綱引きの由来である。豊年祭には、二ヶ所で綱引きをする。御嶽の前で引くのはアヒャー綱と言って女性だけで綱を引く。これは男の人は触ったらいけない。綱には、雌綱、雄綱というのが形どられている。それを合わせ、丸く開いた穴に両方合わせてそこに棒を通して二本が一本になったときに初めて両方に引くことができる。棒を入れるのも選ばれた人が行なう。長崎御嶽には婦人の役目があり、いろいろと司の手伝いをする。その中役の二人は夫婦揃っている人がやる。未亡人はできない。真乙姥に奉納する全ての字の舞踊とかが全部終わると、夕暮れ時に、綱を西に三〇〇メートルぐらい移動させる。そこでは婦人だけではなく綱を引きたい人は、よその字の人でも男性でも、誰でも自由に参加することができる。その場所は御嶽ではなく、道の十字路のところである。なぜその場所で綱を引くことになったのかは、またいろいろ説がある。昔、真久田屋が水元役だったからという人もいる。また、昔、タカナ屋に、火の見石という高い石があって、そこでは沖のほうから入って来る船を見渡せることができたからという人もいる。 |
| 全体の記録時間数 | 8:42 |
| 物語の時間数 | 2:06 |
| 言語識別 | 共通語 |
| 音源の質 | △ |
| テープ番号 | - |
| 予備項目1 | - |