蛇婿入り(共通語)

概要

次は沖縄本島でいう浜下(はまう)りですね。ここでは陰暦の三月三日をサニズって言います。このサニズ行事の由来です。昔むかし、年頃のきれいな娘さんがおったそうです。その娘の家にある夜、りりしい立派な若者が訪れました。二人は良い仲になり男は毎夜訪ねるようになりましたが、決して自分の身分や住まいを明かそうとはしませんでした。娘は思いあまって近くの物知りのお婆さん宅へ行きました。事情を話すとお婆さんは、沖縄でいう苧(うー)ですね。「苧糸(ぶーいと)。糸をたくさんうんでね、その糸の先に針を通して若者が寝ているとき、髷(まげ)にその針を刺して男が帰ったらその糸を追って行ってみるとよい。」と教わりました。娘はその通りにして翌朝糸を追いました。その糸はどんどん野に出て洞穴の入っています。「不思議なことだ。」と思ってそこに立ち止まると、穴の中から話し声が聞こえてきます。「ああ、痛い痛い。人様を騙そうとしたら、痛い目にあった。だが、いいや。何十匹もの子をはらませてあるから、娘は腹の中を食い千切られ死ぬだろう。」すると、一人別の声があります。「人間は利口だから、そうやすやすといくまい。三月三日の大潮の日に海へ行って、海のこの岩から岩へ飛ぶたびに産み落としてしまうだろう。」それを聞いた娘はびっくりして、その三月三日のその日を待ち、聞いた通りのことをしました。潮の引いた海の小岩の上を飛ぶたびに一匹ずつの蛇が落ちていきました。以来その日は女の体を清める日とされ、今でも名残が続いておるようです。

再生時間:2:28

民話詳細DATA

レコード番号 47O340497
CD番号 47O34C035
決定題名 蛇婿入り(共通語)
話者がつけた題名
話者名 山根慶子
話者名かな やまねけいこ
生年月日 19241105
性別
出身地 沖縄県石垣市字新川
記録日 19970913
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字新川 T43 A04
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 本格昔話
発句(ほっく) むかしむかし
伝承事情 慶応元年生まれのお祖母さんから聞いた
文字化資料
キーワード 浜下り,陰暦の三月三日,サニズ,娘,若者,毎夜,訪ねる,身分,住まい,物知りのお婆さん,苧糸,髷,洞穴,何十匹,子,大潮の日,蛇
梗概(こうがい) 次は沖縄本島でいう浜下(はまう)りですね。ここでは陰暦の三月三日をサニズって言います。このサニズ行事の由来です。昔むかし、年頃のきれいな娘さんがおったそうです。その娘の家にある夜、りりしい立派な若者が訪れました。二人は良い仲になり男は毎夜訪ねるようになりましたが、決して自分の身分や住まいを明かそうとはしませんでした。娘は思いあまって近くの物知りのお婆さん宅へ行きました。事情を話すとお婆さんは、沖縄でいう苧(うー)ですね。「苧糸(ぶーいと)。糸をたくさんうんでね、その糸の先に針を通して若者が寝ているとき、髷(まげ)にその針を刺して男が帰ったらその糸を追って行ってみるとよい。」と教わりました。娘はその通りにして翌朝糸を追いました。その糸はどんどん野に出て洞穴の入っています。「不思議なことだ。」と思ってそこに立ち止まると、穴の中から話し声が聞こえてきます。「ああ、痛い痛い。人様を騙そうとしたら、痛い目にあった。だが、いいや。何十匹もの子をはらませてあるから、娘は腹の中を食い千切られ死ぬだろう。」すると、一人別の声があります。「人間は利口だから、そうやすやすといくまい。三月三日の大潮の日に海へ行って、海のこの岩から岩へ飛ぶたびに産み落としてしまうだろう。」それを聞いた娘はびっくりして、その三月三日のその日を待ち、聞いた通りのことをしました。潮の引いた海の小岩の上を飛ぶたびに一匹ずつの蛇が落ちていきました。以来その日は女の体を清める日とされ、今でも名残が続いておるようです。
全体の記録時間数 2:48
物語の時間数 2:28
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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