アイナマ石(共通語)

概要

私達は小学校高等科一年、二年なったら修学旅でぐるっと石垣島を一周しましたけどね、そのとき平久保に行くとですね、牧場になっていて家が四軒か五軒ぐらいだけで牛だけしかいない非常に寂しいところだったですね。それで昔は平久保に行くということは後生に行くといったような感じだったんです。昔、ある女の人が石垣からお嫁さんになって平久保に行くことになったらしいです。この女の人は平久保に行くのをいやいやながら承知させられたので、平久保に行かされるのは大変嫌だったんでしょう。だから親が決めてもどうしても逃げないといけんと思ったんでしょうね。そこで何か理由をつけて逃げようと思って、久宇良部落の手前に来たときに、「小用をもようした。」と言うことで、山の中に入って行ったらしいんですよ。小用だから、追っかけて見に行くわけにいきませから、皆とっても待っていたが、いくら待っても来なかった。それで花嫁さんを送って行く人は花嫁さんぜひ平久保まで届けないといけませから、探しに行ったら、花嫁さんはそこの草むらの中にで石になっておった。その人は結局は石になったというぐらいだから、そこで死んだということじゃないですんか。石垣ではアイナマて言うたら花嫁さんのことなんですよ。だから、そこの石をアイナマ石というようになったと言われているんです。そのアイナマ石は、平久保(ひらくぼ)に行く手前に久宇良部落というのがあって、その久宇良部落の少し手前の山手の上に登ったところにあります。この話と似た話が西表にもあります。昔は祖納と星立を一緒にして西表(いりおもて)っていってるから、祖納(そない)の人だったか、星立(ほしたて)の人だったかは分からないけど、西表の人がこっちの船浮(ふなうき)っていう村がこっちにあって、女性が船浮(ふなうき)まで嫁に行かされるわけよ。そしたら、美田良(みだら)を越えたら山なんですよね。そこを通って、白浜(しらはま)を越えて、そこからは船で渡って船浮(ふなうき)に入るわけよ。こっちに入って行ったらね、花嫁は、アイナマ石と同じように、「自分は小便がしたい。」と言って山の中にね、入り込んでしまったわけ。そしたら出てこんかったわけさ。だから、「どうしたのかな。」と山の中に見に行ったら、その花嫁は木にぶら下がって死んでいたと。首吊りをしていたわけさ。それで、美田良と言って大変田んぼの沢山あるところがあって、その辺まではきれいな道らしい道があるわけよ。あとはエラブと言ってこの山より高い山の中を通って山越えをするわけよ。その花嫁が首を吊ったところでは、今でもその霊を慰めるために、何もなかったら皆そこらへんの木の枝でも折ってそこにあげて通っていくと。

再生時間:3:27

民話詳細DATA

レコード番号 47O340493
CD番号 47O34C035
決定題名 アイナマ石(共通語)
話者がつけた題名 久宇良のアイナマ石
話者名 伊良皆高庸
話者名かな いらみなこうよう
生年月日 19190329
性別
出身地 沖縄県石垣市字新川
記録日 19970913
記録者の所属組織 沖縄口承文芸学術調査団
元テープ番号 石垣市字新川 T42 B09
元テープ管理者 沖縄伝承話資料センター
分類 伝説
発句(ほっく)
伝承事情
文字化資料 八重山諸島民話集 P162
キーワード 石垣,お嫁さん,平久保,久宇良部落,小用,山の中,石,アイナマ,西表,祖納,星立,船浮,美田良,白浜,首吊り,エラブ,山越え,霊,慰める
梗概(こうがい) 私達は小学校高等科一年、二年なったら修学旅でぐるっと石垣島を一周しましたけどね、そのとき平久保に行くとですね、牧場になっていて家が四軒か五軒ぐらいだけで牛だけしかいない非常に寂しいところだったですね。それで昔は平久保に行くということは後生に行くといったような感じだったんです。昔、ある女の人が石垣からお嫁さんになって平久保に行くことになったらしいです。この女の人は平久保に行くのをいやいやながら承知させられたので、平久保に行かされるのは大変嫌だったんでしょう。だから親が決めてもどうしても逃げないといけんと思ったんでしょうね。そこで何か理由をつけて逃げようと思って、久宇良部落の手前に来たときに、「小用をもようした。」と言うことで、山の中に入って行ったらしいんですよ。小用だから、追っかけて見に行くわけにいきませから、皆とっても待っていたが、いくら待っても来なかった。それで花嫁さんを送って行く人は花嫁さんぜひ平久保まで届けないといけませから、探しに行ったら、花嫁さんはそこの草むらの中にで石になっておった。その人は結局は石になったというぐらいだから、そこで死んだということじゃないですんか。石垣ではアイナマて言うたら花嫁さんのことなんですよ。だから、そこの石をアイナマ石というようになったと言われているんです。そのアイナマ石は、平久保(ひらくぼ)に行く手前に久宇良部落というのがあって、その久宇良部落の少し手前の山手の上に登ったところにあります。この話と似た話が西表にもあります。昔は祖納と星立を一緒にして西表(いりおもて)っていってるから、祖納(そない)の人だったか、星立(ほしたて)の人だったかは分からないけど、西表の人がこっちの船浮(ふなうき)っていう村がこっちにあって、女性が船浮(ふなうき)まで嫁に行かされるわけよ。そしたら、美田良(みだら)を越えたら山なんですよね。そこを通って、白浜(しらはま)を越えて、そこからは船で渡って船浮(ふなうき)に入るわけよ。こっちに入って行ったらね、花嫁は、アイナマ石と同じように、「自分は小便がしたい。」と言って山の中にね、入り込んでしまったわけ。そしたら出てこんかったわけさ。だから、「どうしたのかな。」と山の中に見に行ったら、その花嫁は木にぶら下がって死んでいたと。首吊りをしていたわけさ。それで、美田良と言って大変田んぼの沢山あるところがあって、その辺まではきれいな道らしい道があるわけよ。あとはエラブと言ってこの山より高い山の中を通って山越えをするわけよ。その花嫁が首を吊ったところでは、今でもその霊を慰めるために、何もなかったら皆そこらへんの木の枝でも折ってそこにあげて通っていくと。
全体の記録時間数 3:45
物語の時間数 3:27
言語識別 共通語
音源の質
テープ番号
予備項目1

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